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杉作J太郎・吉田豪・眉村ちあき 安藤昇の魅力を語る

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弾き語りトラックメイカーアイドルの眉村ちあきさんがDommune『JGO』に出演。杉作J太郎さんと吉田豪の勧めで安藤昇さんの楽曲を聞き、その魅力について話していました。


(杉作J太郎)まさか僕が到着してから、(視聴者が)減り始めているわけじゃないだろうね?

(眉村ちあき)アハハハハッ!

(吉田豪)一応これ、ずーっと加算されていくシステムなんで、いま2万は超えています。

(杉作J太郎)ああ、そうですか? 僕が出た瞬間に15人になったとかだったらどうしようと(笑)。

(吉田豪)1回ね、Jさんが出た番組でありましたからね。女性視聴率ゼロっていうね。

(杉作J太郎)ありましたね。ちょっと嫌なことを言わないでくださいよ。僕の……俺がいま安部譲二だったら、暴れてるよ。いま。

(吉田豪)ダハハハハッ!

(杉作J太郎)「俺の営業妨害するのか、お前は!」みたいなね(笑)。安部譲二さん、うるさかったもん。それに。

(吉田豪)そうなんですか。安部譲二さん、知らないですもんね?

(眉村ちあき)はい……。

(杉作J太郎)あ、知りません? 安部譲二さん。

(吉田豪)知らないですよ! 安部譲二が地上波に出ていた時代を通っていない世代ですよ。

(杉作J太郎)ああ、そうですかね。ということは、もちろん安藤昇さんもご存知ない?



(吉田豪)もちろん。当然。

(杉作J太郎)はー……そういうことですか。

安部譲二も安藤昇も知らない世代

(吉田豪)ヤクザの組長が映画スターになっていた時代があるんですよ。

(眉村ちあき)へー! ヤクザなのに? すごいですね!

(吉田豪)そうなんですよ。で、そこの部下の人が作家&タレントみたいな感じでテレビに出ていた時代があったという。

(杉作J太郎)そうです、そうです。

(眉村ちあき)へー! テレビ、全然見ないので。

(杉作J太郎)梅宮辰夫さんって知っていますか?

(眉村ちあき)あっ! この人? (ロバート秋山の)Tシャツをめくったら顔が……?

(吉田豪)ああ、はい、はい。そうです。そうです。

(杉作J太郎)さっきまで一緒にいたんですよ。

(眉村ちあき)そうなんですね! 豪さんが言ってました。

(杉作J太郎)で、そこの現場にいろんな人がいましたけどね、暴力団はいませんでしたよ。ヤクザはいませんでした。

(吉田豪)ダハハハハッ! いそうな集いだけど、いなかった?

(杉作J太郎)全くいません。それは本当に1人もいない。ただ、ホテルの入り口に字が書いてありましたよ。「不良番長同窓会」って書いてありましたね(笑)。

(吉田豪)フハハハハッ!

(杉作J太郎)「いや、これは完全にコンプライアンス的にはアウトだろ?」っていう(笑)。

(吉田豪)フフフ(笑)。映画ですからね。

(杉作J太郎)映画だからね、まあいいんですけども。

(中略)

(吉田豪)ハービー・ハンコック、聞きますか?

(杉作J太郎)聞かないです。

(吉田豪)聞かないんだ(笑)。

(杉作J太郎)安藤昇先生のを聞きましょうよ。せっかく眉村さん、たぶん生まれてはじめて聞くんじゃないかな? 今日。

(吉田豪)これがあのヤクザの組長なんですよ。

(眉村ちあき)へー!

(杉作J太郎)「ヤクザ」って言ったら失礼にあたりますよ。……ヤクザですけども(笑)。

(吉田豪)ダハハハハハッ! 愚連隊?

(杉作J太郎)ヤクザっていうか、もう本当に男の中の男ですよ。ねえ。「デーンデレッデッデッデッ、デーンデレッデッデッデッ、デレデデレデデーッ♪」みたいな(笑)。

(吉田豪)フハハハハッ! どっちを聞きます?

(杉作J太郎)これね、ちょっと見ていいですか?

(吉田豪)どうぞどうぞ。

(杉作J太郎)ああ、いいね。どっちもね。うん。歌詞……「女泣かせてきたという 男騙してきたという どれが嘘やら本当やら どうでもいいのさ はぐれ町」っていう。どう? あなたの書く詞と似ている?

(眉村ちあき)全然似てません。

(杉作J太郎)フフフ(笑)。

(宇川直宏)阿久悠さんですね。

(杉作J太郎)阿久悠さん。どうですか? 詞を読んでみて?

(眉村ちあき)大人ですね。

(杉作J太郎)子供じゃないよ、この人は。読んでみて。

(眉村ちあき)「間違いだらけの人生だった 間違いだらけの恋もした だが、そろそろ縁を切りてえなあ 間違いってやつとは……」。

(杉作J太郎)はー……この安藤さんはね、若い組員たちに飯を食わせるために、お金持ちの女性とお付き合いをしてね。そこにみんなを寝泊まりさせてね。本当に自分の体を犠牲にしてその女性に奉仕して、みんな若いやつに食わせていたという。

(吉田豪)……フフフ(笑)。

(杉作J太郎)まあでも、どっちかと言うと、これはやっぱり『はぐれ町』の方がよさそうですね。

(吉田豪)じゃあ、7インチのかけ方がまたちょっと違うんですが、できますかね?

(眉村ちあき)はい。できます。

(吉田豪)まず、その銀の丸(ターンテーブルのアダプター)。それを取らなきゃいけない。そう。それをまず入れます。外します。それを外して、そこに乗っけます。

(眉村ちあき)はい。

(杉作J太郎)これ、前も誰か学習したね。2人目だね。

(吉田豪)そうです。そこに。そして、こちらを。

(杉作J太郎)前、誰か3人ぐらいの女の子がやったね。

(吉田豪)やっています。やっています。

(眉村ちあき)同じプレイヤーでできるんですね。

(吉田豪)そして、回転数を変えます。今度は。回転数をこれは45回転。そっちを押します。で、もう1回。これは曲の頭に針を乗っけます。

(眉村ちあき)あ、頭?

(吉田豪)いちばん頭のところです。

(杉作J太郎)安藤先生に失礼のないように。

(眉村ちあき)端っこってことですか?

(吉田豪)そうです。いちばん端っこに乗っけて……。

(杉作J太郎)「安藤先生、失礼します!」って言って。

(吉田豪)ダハハハハハッ!

(眉村ちあき)安藤先生、失礼しますっ!

(吉田豪)フハハハハッ! はい。そして、これを上げて、スタート。

(杉作J太郎)聞いてください。安藤昇『はぐれ町』。

安藤昇『はぐれ町』



(吉田豪)はい。安藤昇先生でした。

(杉作J太郎)これはね、つまみで上がるんじゃないかな? いちばん向こうのつまみで。あ、ちあきさん、あそこのいちばん向こうの……。

(眉村ちあき)これですか?

(吉田豪)ああ、それで止めてもいいんですけど。

(杉作J太郎)いちばん向こうのヘラみたいなの、あるでしょう?

(吉田豪)それを押すと……。

(杉作J太郎)いや、上げるんじゃないのか? これで安全に、盤に傷がつかないわけです。

(吉田豪)それを下げると、針がそのまま……。

(眉村ちあき)ほー。

(杉作J太郎)これは大変ですよ。安藤先生のレコードに傷なんかつけたら。

(眉村ちあき)なんか、最初は端っこ、外側に置いたのに、終わる頃には内側に来てる……。

(吉田豪)そうなんですよ。回転して。

(杉作J太郎)「てめえ! 俺の顔に傷つけやがったな!」って言ってね、えらいことになりますから。本当に。

(眉村ちあき)すごい……安藤先生、失礼しましたっ!

(吉田豪)フハハハハッ!

(杉作J太郎)そうです、そうです。

(吉田豪)正解です(笑)。

(杉作J太郎)正解ですよ。

(吉田豪)学習しましたね(笑)。

(眉村ちあき)はい!

(杉作J太郎)この安藤さんというのはね、東映……最初は松竹が落札したのかな? その後に東映に行きましてね。で、もう渋谷で一家を作っていて。安藤組というのを。昔はこの渋谷、三軒茶屋、駒沢あたりまでずっと安藤さんの道場とかね、組だったの。

(眉村ちあき)へー!

(吉田豪)ヤシブですね。

(杉作J太郎)それで、その安藤さんが東映の撮影所に来るっていうんでね、東映が騒然としたっていうんですよ。撮影所にヤクザの親分が来ると。で、当時いた高月忠さんっていう人。ピラニア軍団の。その人が東映にいてね、僕がその話を聞いたんですよ。「やっぱり安藤さんが来たら、あれですか? ヤクザの組長で大スターだし。そんな人が撮影所に来るっていったら、やっぱり中は大変な状態でしょうね?」って言ったらね、「違うんだよ。反目の人間がいるんですよ」って言っていてね。

(吉田豪)ダハハハハッ! ヤクザでね。

(杉作J太郎)もう本当に、昔の芸能・映画の世界はやっぱり……それに比べるといまはもうそういう時代ではなくなっていますね。

(吉田豪)だいぶ平和ですね。仲の悪い派閥のヤクザとかがいっぱいいたというね。

(杉作J太郎)そう。対抗している。で、中には俳優さんからヤクザになるというかね。一家を旗揚げした人もいるわけですよ。若山富三郎さんみたいに。一俳優でありながら、一家をなしていくというね。

(吉田豪)若山一家ね。

(杉作J太郎)まあ本当に自由な時代だった。

(吉田豪)実際にその若山一家の人がまたヤクザの組長になったりもしていますもんね。

(杉作J太郎)そうです。だから、自由なんですよね。いま、話を聞くと悪い人たちみたいなんだけど、その自由な感じ、いまだとアニメだと主人公ですよ。

(吉田豪)フフフ(笑)。アニメだと?

(杉作J太郎)アニメだと主人公の行動なんですよね。「俺たちは自由だ!」っていうね。だからやっぱりいま……でもね、ヤクザの話と一緒にしちゃよくないかもしれないけど。女性だしね。まあ……次に行きますか。

(中略)

(杉作J太郎)月亭可朝さん、行きますか?

(吉田豪)おまかせします。

(眉村ちあき)かっこよかったです。この曲。好きでした。

(吉田豪)いまの曲? おおっ!

(眉村ちあき)「パクろう」って思いました。

(吉田豪)ええっ! 安藤昇をパクろう!?(笑)。

(杉作J太郎)いやいや、いいことじゃない? いや、いいことだと思いますよ。やはり誰かが後を継承していくというのはね。やはり安藤さんの後を誰かが継いでいかなきゃいけないもん。

(吉田豪)まだね、バカラックとかの影響を受けるんだったらあるかな?って思っていたんですけど……こっち?

(眉村ちあき)はい。めっちゃかっこいいって思いました。

(杉作J太郎)じゃあ、安藤さんはね、たくさん音源があるんでね。どんどん聞いてみてください。これはね、豪ちゃんは……。

(吉田豪)せっかくだから、もう1曲やっちゃいます? 安藤さん。こっち。

(杉作J太郎)うん。これがね、代表曲なんですよ。これを聞いたらもうね、あなたはすぐに帰るかもしれないよ。すぐにパクリたくて。

(眉村ちあき)ああ、そうなんですか?

(吉田豪)ダハハハハッ!

(杉作J太郎)これ、もうね、知恵の泉みたいな曲ですからね。人間の創作意欲をもっとも刺激する曲ですから。これは。……みなさん、お待たせいたしました。やはりね、2018年Dommuneの一発目。やっぱりいろんな曲がある中で、これをかけるのが僕も正解だと思います。

(吉田豪)礼儀ですね。安藤さんといえばこの曲!

(杉作J太郎)もうこれは、もうね、普通じゃない。

(吉田豪)A面の方ですね。『男が死んで行く時に』。

(宇川直宏)光栄ですね。しかも、ギリギリここも渋谷区ですからね。

(杉作J太郎)本当ですね。これ、おそらくこの宇川さんのいまやっている活動とかね。

(宇川直宏)そうです。がんばってます。

(杉作J太郎)宇川さん、昔だったら安藤組に入ってますよ。

(宇川直宏)入ってますよ! バリバリ入ってますよ!

(杉作J太郎)絶対に入っていると思いますね。

(眉村ちあき)(レコードを途中からかける)

(杉作J太郎)あっ、ちょっと! 最初から行かないと! こればっかりは、最初から行かないと。みんな、静かにしないと……。

(吉田豪)いや、もっと頭から。はい。上げて、もっとギリ。

(眉村ちあき)ギリギリ、端っこってことですね?

(吉田豪)そうです。落として……。

(宇川直宏)まあ基本、Dommuneも安藤組の傘下だと思っています。

(杉作J太郎)そうですよね。

(宇川直宏)本当にそうです。

(吉田豪)Jさん、曲紹介から行きましょうか。

(杉作J太郎)そうですね。2018年。今日はこれが最後の曲になるのかな?

(吉田豪)時間的に……もしかしたらもう1曲行けるかもしれないけど。でもたぶん最後ですね。

(杉作J太郎)じゃあもう1曲行く時には、これをもう1回かけましょう。時間いっぱい、これを何度でもかけるという。

(吉田豪)フフフ(笑)。素晴らしい曲ですよね。

(杉作J太郎)あのね、本当に1回聞いたらね、ワーッて体に入ってくるよ。

(吉田豪)歌詞が素晴らしい。

(杉作J太郎)さあ、行きましょうか。

(吉田豪)こちらも阿久悠さんなんですね。

(杉作J太郎)そうです。曽根幸明、作曲・編曲ですよ。

(吉田豪)曽根幸明さんっていうのもまた結構ブラック……腕っぷしの強い。

(杉作J太郎)曽根幸明の編曲能力が半端じゃないということがこれでわかりますね。

(吉田豪)行ってみましょうか。Jさん、曲紹介をお願いします。

(杉作J太郎)人間はみんな生まれてきたからここにいるわけなんですけどね。どんな人でも死んでいく時があるもんです。そしてその死んでいくということがわかった時。もしくは、自分の命が終わりだなと思った時に、みなさんの頭の中には何が訪れるでしょうか? 僕はやっぱりその時にね、これぐらいのものが訪れる人生をやっぱり歩んでいきたいというね。励みになる曲だと思うんで、2018年。本当にぼんやりした人間の頭に鉄槌を下すような。ぎっしりした人生を生きていきたいという曲ですね。どう生きろとは言いたくない。どう死ねと言っている曲です。これは。

(吉田豪)曲名は?

(杉作J太郎)曲名は、男が……まあ、「男が」って言っていますけど、いまの時代は女もだから。女も聞いてください。だから、『ムニャムニャが死んで行く時に』!

(吉田豪)ダハハハハッ! ホニャララみたいな(笑)。

(杉作J太郎)そう! 聞いてください。『ホニャララが死んで行く時に』!

(吉田豪)ダハハハハッ!

安藤昇『男が死んで行く時に』



(杉作J太郎)素晴らしい。

(吉田豪)最後の曲にぴったりですね。

(杉作J太郎)ぴったりだよ。

(吉田豪)はい。ありがとうございます。

(杉作J太郎)「雪が止んで行く時に」みたいなね。明日の朝には止むのかな?(※収録日は大雪でした)

(吉田豪)ですね。

(中略)

(杉作J太郎)この曲、よかったでしょう? どうでした?

(眉村ちあき)……

(杉作J太郎)まあ、悪くは言いにくいよね。

(眉村ちあき)さっきの曲の方が好みです。

(杉作J太郎)さっきの方がよかった? これはどのへんがマイナスポイントでした?

(吉田豪)本人が歌ってないところですか?

(眉村ちあき)好みの話になっちゃいますけど、あんまりしゃべる系が好みではないので。

(杉作J太郎)ああ、なるほど。なるほど。しゃべり、セリフがあんまり好きじゃないんですね。

(眉村ちあき)こっちはよいと思いました。「チッチッ♪」みたいな、跳ねる感じが多いなと思いました。だからそれをパクろう!って思いました。

(杉作J太郎)なるほどね。やっぱり聞いてみないとわからないものですね。人それぞれにヒットポイント、スイートポイントがあるというね。

<書き起こしおわり>
杉作J太郎 吉田豪 安藤昇を語る
吉田豪さんと杉作J太郎がDommune『JGO22』に出演。安藤昇さんのレコード『黒犬』をかけた後、安藤昇さんについて話をしていました。 (杉作J太郎)1曲目。豪ちゃん、せっ...

吉田豪と玉袋筋太郎 小泉今日子の独立を語る

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吉田豪さんがTBSラジオ『たまむすび』に出演。豊原功補さんとの交際を認め、事務所から独立を発表した小泉今日子さんについて話していました。



(玉袋筋太郎)そして、豪ちゃん。キョンキョンだよ。

(吉田豪)えっ、いきなりその話?

(玉袋筋太郎)かっこいいじゃん、キョンキョンね。男前だな!っていうね。

(吉田豪)ついに来た!っていうね。男前ですよ。

(安東弘樹)かっこいいですよ。

男前な小泉今日子

(玉袋筋太郎)だってさ、不倫で引退している人とかいるわけだよ。謝罪したりとか。それを……男前だねえ、これは。

(吉田豪)認めた上に、日本有数の強い事務所を辞めますっていう。

(玉袋筋太郎)うん。男前だよなー!

(安東弘樹)「恋愛関係です」って。いいじゃないですか!

(吉田豪)男らしいですよ。

(玉袋筋太郎)すごいね。

(吉田豪)ああ言われちゃうと、叩きづらくなるっていうね(笑)。

(玉袋筋太郎)叩きづらいよ、これ。

(安東弘樹)いまさら写真を撮っても意味がないしね。

(玉袋筋太郎)すごいね!

(吉田豪)かっこいいですよ。

(玉袋筋太郎)かっこいい、かっこいい!

<書き起こしおわり>
吉田豪 小泉今日子インタビューを語る
吉田豪さんがニッポン放送『上柳昌彦・松本秀夫 今夜もオトパラ!』で小泉今日子さんインタビュー時のエピソードを紹介していました。 (上柳昌彦)さあ、プロインタビュアー吉...

吉田豪 片岡鶴太郎を語る

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吉田豪さんがTBSラジオ『たまむすび』に出演。片岡鶴太郎さんにインタビューした際の模様について話していました。


(安東弘樹)豪さん、今日は誰についてでしょう?

(吉田豪)片岡鶴太郎さんですね。

(玉袋筋太郎)うわっ、来た。鶴ちゃん。

(安東弘樹)それでは片岡鶴太郎さんのあらすじとその筋をご紹介します。片岡鶴太郎さんは1954年12月21日、東京都荒川区生まれ。高校卒業後、声帯模写の片岡鶴八師匠に弟子入りし、浅草演芸場や東宝名人会などに出演されます。その後、『オレたちひょうきん族』で近藤真彦さんのモノマネや熱々のおでんを食べる元祖リアクション芸で大ブレイク。以降、『オールナイトフジ』や『夕やけニャンニャン』『プッツン5』などの人気番組で司会を担当。芸能活動の他、1988年にはボクシングのライセンスを取得。さらに画家としても全国で個展を開くなどマルチな才能を発揮。去年、インド政府公認のプロフェッショナルヨガ検定インストラクターに合格し話題となりました。

(玉袋筋太郎)うん。

(安東弘樹)そして、吉田豪さんの取材によりますと片岡鶴太郎さんのその筋は……その1、革命。全て新しいことをやろうの筋。その2、天才たちの中で探し求めたひょうきん族の筋。その3、夢を語らい酒を飲んだビートたけしさんとの筋。その4、これはヤバい。ひょうきん族で生まれたおでん芸の筋。その5、大事に見ておかないともったいない。さんまさんの筋。その6、アイドルの毛を食べた。寝起きドッキリの筋。その7、伝説的シーン、ショーケンにズボン脱がされるの筋。以上、7本の筋になります。

(吉田豪)はい。

(玉袋筋太郎)声帯模写やる前、トランポリンとかやっていたんじゃないかな?

(吉田豪)そうなんですか?

(玉袋筋太郎)そうそう。トランポリン芸人。あったんだよ、昔。そういうのが。隼ジュンだっけ? か、なんかのところでもやっていたんだよね、たしか。

(吉田豪)へー!

(安東弘樹)玉ペディア! そうですか!

(玉袋筋太郎)1から行こう。豪ちゃん。

(吉田豪)『CONTINUE』っていう雑誌が復活して、その一発目で鶴ちゃんをインタビューしてきたんですよね。ちなみに玉さんは鶴ちゃん、接点は?

(玉袋筋太郎)接点は番組で共演する時ぐらいかな。そのぐらいしかないんだよね。

(吉田豪)僕は本当に、本人にも言ったんですけど80年代のある時期、日本でいちばん面白かったのは鶴ちゃんじゃないかと思っていたぐらいの思い入れはあるんですけど。実は、その時代のことって鶴ちゃんの本を読んでも……特に最近の本とか読むと、全然触れられてないんですよね。80年代の自分が、いわゆるお笑いでピークにあったぐらいの時期って。

(玉袋筋太郎)まあ、そうだよね。

80年代のある時期、日本でいちばん面白かった

(吉田豪)で、その頃のことをちょっと否定的っていうか……だからその時代に鏡で見て、自分が醜いと思ってそれからボクシングを始めたり、みたいな感じで。あんまりいい感じで書かれていない。

(玉袋筋太郎)だからまあ、『オールナイトフジ』とか『夕やけニャンニャン』とか。

(吉田豪)そう。神がかってましたよ。間違いなく。っていう話を本人にしに行くっていうのがテーマだったんですよ。そしたら、いまは結構でもそういう話をすごい懐かしく話せる感じになっていて。「いちばん過激にやっていた時。お笑いだけじゃなくてファッションとか全て新しいことをやろうとしていて。当時、まだタレントにスタイリストとかついてない頃に、自分の衣装の感覚だけではとてもじゃないけど間に合わないし。もっと新しいファッションに詳しい人はいないかと思っていたら大久保篤志っていうのが出てきて。彼と会って『ファッションの革命をしよう』という話をした。『これからバラエティー番組が増えていくから、その中で番組に合った、そして私のキャラクターに沿うというか。むしろファッションが先に行ってもいいぐらいのことをやっていこう』という話をしてやっていた」と。

(玉袋筋太郎)まあ、当時鶴太郎さんといくよ・くるよさんぐらいじゃねえか? 奇抜なファッションは。

(吉田豪)奇抜だった(笑)。

(安東弘樹)そうですよね。本当に目立ってましたよね。たしかに。

(吉田豪)「その中で『オールナイトフジ』という手探りの番組が出てきて。秋元康さんもいたり、作家の若い人たちもいたりして、みんな僕たちよりちょっと上ぐらいで、自分たちの番組ができて。で、番組も革命を起こしたいと思っていた時期だから、やりたいことを自由にやって。だから『オールナイトフジ』はほとんど下ネタばかりになって、面白がってどんどん過激にやっていた」と。

(玉袋筋太郎)そうね。鶴太郎劇団とか言って。コントやったりとかね。

(吉田豪)大学生にひどいことをやらすというね(笑)。ひどいことをやらせすぎて、お母さんの抗議で女子大生が出なくなったりとか。

(玉袋筋太郎)出なくなったりとか。もう『オールナイトフジ』なんかずーっと見てるんだから。俺なんか、もう。

(吉田豪)最高でしたよ。

(玉袋筋太郎)最高だったよね。あのビデオコーナーに向けてさ。

(吉田豪)AVがね、流れる貴重な番組でしたよ。

(玉袋筋太郎)うん。まあ、その中で新しいものっていうのがね。だからこの頃はもう、殿と離れている頃かな?

(吉田豪)ギリですかね。『ひょうきん族』もやっていた頃ですから。

(玉袋筋太郎)『オールナイトニッポン』、うちの師匠のに出ていたのが、たしかあれ鶴太郎師匠が26才ぐらいの時だと思うからね。

(吉田豪)おしゃれ小鉢時代ですよ。

(玉袋筋太郎)おしゃれ小鉢時代。そう。

(吉田豪)たけしさんにもれなく付いてきた時代。

(玉袋筋太郎)そう。山田邦子と鶴太郎さんが付いてくる。あと、若人あきらも付いてくる。太田プロ時代だよね。

(吉田豪)ただ、鶴ちゃんがだんだんああやって、ボクシングやったり画家やったりとかの方向に行く気持ちも、鶴ちゃんの気持ちになるとわかるんですよね。同世代にたけしさんとかさんまさんとか紳助さんとかがいて。

(玉袋筋太郎)いるんだもんな。

(吉田豪)シャレになんない人たちがいるじゃないですか。天才が。で、『オールナイトフジ』では下からとんねるずが出てきて。「俺、どうしよう?」になると思うんですよ。

(玉袋筋太郎)パワーズは消え……みたいな。

(吉田豪)フフフ(笑)。そうですよ。

(玉袋筋太郎)ちびっこギャングは消え……みたいなね。

(吉田豪)ウンナンも出てきて……みたいなね。

(玉袋筋太郎)そうそうそう! うん。

(吉田豪)なので、その2ですね。

(安東弘樹)天才たちの中で……。

(玉袋筋太郎)だって『ひょうきん族』だもん。

天才だらけの『ひょうきん族』

(吉田豪)そうですよ。強敵しかいないですよ。だからもともと一演芸人、寄席芸人からテレビの世界に入って。まあ、新しい道を作ってくれたのがひょうきん族のマッチだった。マッチできっかけを掴んで、これからテレビに行くってなった時、寄席芸人の匂いとか、テレビの中でどういうことができるのか。モノマネもどうやって壊していくか。モノマネって大前提で似ていることが必要で、そのいちばんの筆頭で仲が良くてライバル関係だったのが若人あきらさんという。

(玉袋筋太郎)若人さんのモノマネ、完璧だもんね!

(吉田豪)そうなんですよ。歌も上手いし、モノマネの勝負をしたら敵わない。どうしたらいいか?っていうことで、似ていることにはこだわらないで、面白い笑わす真似をしよう。だからやる前にかならず「小森のおばちゃまよ」とか全部名前を言うという。「マッチでーす!」とか。

(玉袋筋太郎)そうかそうか。

(吉田豪)そうなんですよ。似てなくていいから、ゴリ押しで行く。具志堅さんだったら「ちょっちゅねー」とか。フレーズでなんとなくやるっていうね。

(安東弘樹)わかるようにしてやる前提っていう。でも、その走りですね。そういうののね。

(吉田豪)似てなくてもいいという。

(玉袋筋太郎)考えてみりゃあ太田プロってさ、まだその当時は井手博士もいたからね。モノマネで。九州から来た天才モノマネ芸人って。

(吉田豪)井手らっきょさん。髪があった頃ね。

(玉袋筋太郎)そう。円形脱毛症でカツラをかぶった頃の井手らっきょもいたわけよ。

(吉田豪)大変ですよ。

(玉袋筋太郎)見た目もいいしね。

(吉田豪)いい男でした。

(玉袋筋太郎)だけどやっぱり小森のおばちゃまだよね。マッチだよな。

(吉田豪)で、「『ひょうきん族』はたけしさんがいて、さんまさんがいて、紳助さんがいて、山田邦子さんもいて。天才と言われる方々がいて。そういう方々と一緒にやっていたから、自分の資質から何からよく見えて、はっきりした答えがすぐに出た」と言っていましたね。「自分の資質というのは誰かに憑依して笑いを表現するモノマネだから、自分のキャラクターそのままだとそういう人たちと比べたら弱い。絶対的な差があった。だからこそ、役者になっていった」っていう話になるんですね。

(玉袋筋太郎)ああ、役者ね。

(吉田豪)「憑依するっていうことで、渥美清さんを尊敬していたから。自分の中の喜怒哀楽とか感情とかはお笑いだけじゃ表現できない。じゃあ、役者だな……」っていう風になっていくんですけども。

(玉袋筋太郎)渥美さんとも親交があったっていうしね。あと、勝新太郎さんも最後の『座頭市』で鶴太郎さんを使っているけど、それはもう勝さんの指名だったんだよね。あの時。スケジュールすごい忙しいんだけど。そのせいで製作・進行が遅れたとかね、あったって話だよ。

(吉田豪)うん。

(玉袋筋太郎)で、ここだよ。

(吉田豪)ここですね、ポイントは。玉さん的には黙ってられない感じの。

(玉袋筋太郎)ちょっと微妙なところなんだけども。

(吉田豪)まあ、いまちょっと微妙な関係らしいというのは……。

(玉袋筋太郎)デリケートゾーンですよ、ここは。

(安東弘樹)ビートたけしさんとの筋。

(吉田豪)たけしさんっていうのは鶴ちゃんにとってどういう存在か?って、いちばん気になるじゃないですか。一時は本当にものすごい深さだったわけで。

(玉袋筋太郎)深いよ。

ビートたけしと片岡鶴太郎

(吉田豪)最初の出会いが鶴ちゃんが24才ぐらいの時で。東宝名人会のオーディションに受かって。で、演芸場の出演が許可されてトップバッターで出た。お客さんはまだまばらで温まってなくて、鶴ちゃんが15分ネタをやってその後がツービート。お客さんはいないんだけど、たけしさん以降の芸人さんが全員舞台袖でツービートを見ていた。たけしさんのネタが面白いってみんな評判にはなっていて。で、鶴ちゃんもツービートの漫才を見て、一緒に着替えてその後に飲みに行って。それから毎日たけしさんと一緒にいて、一緒に酒飲んで、正月も一緒にすごすようになると。

(玉袋筋太郎)まあ、そこにもう1人、すがぬま伸っていうのもいるんだよ。

(吉田豪)いましたね(笑)。

(玉袋筋太郎)いたんだよ。すがぬま伸っていう芸人さんが。そうそうそう。

(吉田豪)それから間もなく、『THE MANZAI』が始まって、あれよあれよという間にたけしさんが売れていって。1人の芸人さんがスターになる様を間近で見たんですね。全てが手本で学ぶことばかりで、本当に引っ付く。おしゃれ小鉢時代。

(玉袋筋太郎)そうだよ。おしゃれ小鉢だよ。

(吉田豪)その時に、「鶴太郎も太田プロに来いよ。これからテレビの仕事も増えてくるから。俺が言うから」っていうことで太田プロに入り。いまは弟さんも含めて太田プロで……っていう。

(玉袋筋太郎)太田プロだよ。うん。

(吉田豪)たけしさんは辞めたのにっていうね。「太田プロへの道を付けてくれたのも、テレビの道を付けてくれたのもたけしさん。片岡鶴八師匠以外の恩人」っていうね。で、「当時、どんな話をしていたんですか?」って聞いたら、「いちばん覚えているのはお正月で、2人でお風呂に入りに行って、浅草で2人きりで新年のお酒を酌み交わしていたら、そこにテレビがあって。かくし芸大会をやっていて。それを見ながら、『俺たちもああいう番組に出なきゃいけない。あの番組は芸人とは違う人たちがお笑いをやっている。お笑いのプロの俺たちがああいうところに出てやらないといけない。でも、あれはかくし芸としてやっているから、芸人として売れてそこに出た時、かくし芸でどういうことをやるか? ああいう番組にはタレントとして出ないといけないな』とか、そういうことを言っていた」と。

(玉袋筋太郎)ああー。いいね、いいねえ。

(吉田豪)いいですよね。「ただ、影響は受けたけど、たけしさんと身近に接すれば接するほど、勝てないという思いが出てくる。強烈なキャラクターと匂いを発しているから、抜けきれなくなる。ずっと一緒にいれればいいけど、そうはいかないし。自分の生き方をしなきゃいけないから、どこかでたけしさんと離れなきゃいけない。師匠にも『私と同じことをやったって売れないんだからね』って言われていて、たけしさんと同じことをやっても、同じ道に行けばおしゃれ小鉢である程度までは行けるけど、自分の存在とか芸というものを確立するためにはどこかで別れなきゃいけない。たけしさんの否定じゃないんだけど、たけしさんにはないものというものを……そういう自分探しが始まって。それが革命を起こそうとしたような話につながっていく」というね。

(玉袋筋太郎)なるほど。

(安東弘樹)そうかー!

(吉田豪)ただ、思いの外離れちゃって、結構ピリッとした関係になったらしいという噂を聞いてますよ。

(玉袋筋太郎)ねえ。うーん……。

(安東弘樹)そこは、これまでにします(笑)。

(吉田豪)フフフ(笑)。

(玉袋筋太郎)ねえ。でも、なんだろうね? やっぱり関西のお笑いもバーッと、『THE MANZAI』とかで来てたけど。その中で関東ではツービートっていうね、うちの師匠が受け止めたというかさ。それをカウンターを入れてやっつけていくわけじゃない? そこにいた、東京芸人の鶴太郎さんとかツービートっていうのは、俺はすごい好きだったよね。やっぱりこれは守ってくれている人たちだっていうものがあったけど、それがバラバラになってしまって……っていう、UWF的な。別々になっちゃったっていう気持ちはあるよね。うん。

(安東弘樹)そうか。まあ、東京に生まれ育った人にしてみたら、そういう思い入れは強いですよね。

(玉袋筋太郎)強いのよ。だから当時の太田プロっていうか、それでうちの師匠が独立してオフィス北野を作って、たけし軍団っていうのを作ってやっているっていうのは、すごいそういうところはありましたよね。うん。

(吉田豪)4に行きますか?

(安東弘樹)これはヤバい。ひょうきん族で生まれたおでん芸。

(玉袋筋太郎)おでん芸。

(吉田豪)ねえ。「いまだにあれが継承されていることについてどう思っていますか?」っていうのをね。

(玉袋筋太郎)そうだよね。おでんは、ねえ。

伝説のおでん芸

(吉田豪)「本当、ダチョウに譲っておいてよかったと思います。いま、また取り返していますけど」っていうね。「まあ、よく言われることですけども、本当にあれはなんてことないところから始まった。『ひょうきん族』で冬の設定で、美術さんがセットでおでんを用意して。『湯気が出てりゃあいいだろう』って火をつけたままで。コントをやっている最中に本当にグツグツと煮立ってきて。たけしさんが蓋を取ったら湯気がすごい出て、たけしさんの目が変わった。『これだ!』っていう。で、これはヤバいと思った。たけしさんは『おばあちゃん、おでん好きだろ、おでん?』って言ってくっつけて、逃げて……」っていう。それが面白かったんで、翌週からは毎週毎週おでんがあって、雪だるま式に大きくなっていくっていう。

(玉袋筋太郎)うん。

(吉田豪)だからリアクション芸でもなんでもないんですよね。ただ熱いから逃げているという。

(玉袋筋太郎)熱いんだよ、本当に。

(安東弘樹)リアルに熱いんですね。

(玉袋筋太郎)特にうちの師匠のおでんのダシをぶっかける時の、まあ怖いからね。ヤベえ!っていう。本当に熱いから。マジで熱いんだもん。

(吉田豪)「テレビでしょ?」ってナメている人たちもビビるレベルの。

(玉袋筋太郎)一度かぶってみればいいさ。浴びてみりゃあいい。あのシャワーを。おでんシャワー。

(安東弘樹)芸じゃなくて、本当にリアルに逃げたっていう。

(吉田豪)たぶんいまは安全なものでどうリアクションするか? みたいな世界になっているだろうけど、あの時代って違うじゃないですか。僕も『スーパージョッキー』に1回出たことがありますけど、熱湯風呂に指つっこんでビビりましたもんね。

(玉袋筋太郎)熱い!

(安東弘樹)本物なんですね。

(吉田豪)いまは熱くないものでどうリアクションするか? の時代じゃないですか。

(玉袋筋太郎)いや、当時さ、ディレクターとかADがわかってねえんだもん。本当に熱湯にしちゃってんだもん。ダメだっつーの!

(吉田豪)入れるわけねえだろ!っていう(笑)。

(玉袋筋太郎)俺たちはプロだからちゃんと受け身取るっつーんだよ! でも、熱いんだよ。そっからスタッフと演者の溝ができてくる。「俺たちを殺す気なんだな、こいつらは。なにも人間と思ってねえな! ぜってーこいつらよりも大きくなってやろう。なあ、博士!」とか言ってたよ。

(吉田豪)ダハハハハッ! いい時代じゃないですか。

(玉袋筋太郎)まあ、でも体力芸っていうかさ、うちの師匠がやっていた意地悪大挑戦とかもやっぱりそうだったもんね。鶴太郎さんがいて、稲川淳二さんがいて、魁三太郎さんがいて、林家ペーさんがいるっていうかさ。まあ、俺にとっての黄金のラインナップなんだけどね。爆笑だけどね。そこは。でも、まだおでん芸はあるんだよ。

(吉田豪)継承されていますからね。

(玉袋筋太郎)なかなかいまね、でも体力芸ができなくなってるんだよな。

(安東弘樹)いろんな意味でね。

(玉袋筋太郎)バカバカしいことやりたいんだけどね。

(吉田豪)でも、鶴ちゃんがいま、そこを取り返しに行っているっていうのがいいんですよね。

(玉袋筋太郎)そうなんだよ。さあ、そしてさんま師匠の話。

(安東弘樹)見ておかないともったいない。

明石家さんまと片岡鶴太郎

(吉田豪)せっかくなんでさんまさんの話も聞いておこうと思って。そしたら本当に大絶賛レベルじゃないぐらいに褒めていて。「本当にさんまさんは日本語が世界共通語だったら、間違いなく世界的にトップだと思う。いろんなコメディアンを見ていても、あそこまで底抜けに明るくてハンサムでスピード感もテンポもあるし、華もある大スターはいままでのお笑いの中でも見たこともないし。世界的に見ても稀有だと思う」と。で、さんまさんも一時、英語を学んで世界進出しようと思ったんだけど、言葉がネックでなかなか難しいって。「スピード感が失われないのもすごいし、久しぶりに会っても若いし元気だし。そういうさんまさんが見られるのもあと10年か20年だと思う。国民のみなさんに『この20年、大事にさんまさんを見ておかないともったいないよ』って言いたい」という。

(玉袋筋太郎)ほうほうほう。

(吉田豪)でも、そんなさんまさんに30年前、言ったらしいんですね。「さんまさん、たけしさん、紳助さん、邦ちゃんがいて、それぞれに役割があってみんなに敵わない。だから俺はドラマとかそっちの方に行きます」って言ったら、「なんでやねん? 関係ないやろ、そんなもん。そんなの自分が思っているだけや」なんて言ってくれてっていう。

(玉袋筋太郎)おうおう。

(吉田豪)で、そんなさんまさんに僕、この間NetflixのCMの仕事で、ちょうどこういう話をいろいろしていた時期があったんで、芝居のモチベーションについて聞いたんですよ。さんまさんもドラマとかやっていたじゃないですか。鶴ちゃんと共演して『男女七人』で。そしたら、「昔からいまに至るまで、モチベーションは『女優に会える』ということだけだ」って言っていて(笑)。

(玉袋筋太郎)フハハハハッ!

(吉田豪)仕事の息抜きで女優さんに会えるぞ!っていう。

(玉袋筋太郎)はー! そう思えばいいんだな。

(吉田豪)「女優のキャスティングで決めているだけ」っていう。で、そう言ったら、「本当にそうだと思う」って言っていて(笑)。「芝居は自分ができるものじゃないから、女優さんと会うための遊びで行っていて。だから、つながり関係なく平気で髪型を変えたり。そういう人。本当にお笑いが大好きで、そっちなんですよ」っていう。

(玉袋筋太郎)なるほどね!

(安東弘樹)そうかー。女優さんに会えなかったら、別にドラマに出ないんですね。さんまさんは。

(吉田豪)理想の女優が出ているんだったら、やるっていう(笑)。

(安東弘樹)正しいな! さあ、そしてアイドルの毛を食べた。寝起きドッキリの筋。

(玉袋筋太郎)『スターどっきりマル秘報告』だよね。

(吉田豪)そうなんです。いろんな人が寝起きドッキリ、やってきましたよ。田代まさしさんからなにから。

(玉袋筋太郎)やったやった。井手らっきょもやった。

アイドルの毛を食べる寝起きドッキリ

(吉田豪)でもやっぱりね、鶴ちゃんのが別格というか、異常に面白かったんですよ。すごかった。で、その話を聞いたら、「本当にね、やっぱりアイドルの毛を食いましたから。子供の時に宮尾すすむさんとかがやっていて面白いと思って。ドッキリがレギュラーになった時に『寝起きをやりたい』って言って。遊べるし、寝ているという前提で起こすまでが勝負だから、いろんなことができる。相手はアイドルだし、当然ギリギリのところまで。どこまで触っていいか。下着は当然ないだろうけど、アイドルの部屋に入った時のファンの心理って、毛なんかあったら俺は持って帰るし、舐めるよなと思って、それをやらなきゃいけない。で、やったら『また毛を食う鶴太郎』なんて言われて……」っていうね。

(玉袋筋太郎)ああーっ。

(吉田豪)で、なんであのテンションでできたか?っていうと、あれは本当に明け方に狙うんで、ディレクターと寝ないで朝まで酒を飲んで、そのまま行くらしいんですね。

(玉袋筋太郎)あれ、前乗りなのよ。

(安東弘樹)そりゃあそうでしょうね。

(玉袋筋太郎)オールスターの水泳の時に撮っちゃったり。

(吉田豪)そうなんですよね。プロデューサーが一緒だったんですよね。

(玉袋筋太郎)これはね、もう本当に言えないような話がたくさんあってね。

(吉田豪)ちょっと聞いてますよ。

(玉袋筋太郎)なあ!

(吉田豪)で、そういうしがらみがあるから、断れなかったらしいんですよ。『スターどっきり』ってスター的には出ないでいい番組じゃないですか。でも、出ざるを得なかったらしいんですよ。横のつながり。

(安東弘樹)ああ、なるほど。

(吉田豪)『夜のヒットスタジオ』とかもだいたい一緒だったから、そのへんに出るためにも、試練としてやらざるを得ない。

(安東弘樹)まあ、ねえ。「横のつながり」でわかっていただけると思いますけども。

(吉田豪)そうなんですよ。だから、そういうテンションでやっていたんでタイガー・ジェット・シンの紛争でドアノブにひたすら頭を打ち付けたりとか。ああいうことをやれたんですよね。ただ酔っ払っていたから。ひたすら部屋に入らないで暴れるっていう。

(玉袋筋太郎)鶴太郎さんのジェット・シン、面白かったよな。

(吉田豪)最高でしたよ!

(玉袋筋太郎)毛も濃いしさ。いいんだよな! よかった、よかった。

(吉田豪)で、聞いたんですよ。「いまだから聞きますけど、正直な話、寝起きドッキリはどれぐらいガチなんですか?」って。あれはだから、水泳大会とかがあると大磯のホテルにみんな泊まるじゃないですか。で、マネージャーには「寝起きドッキリをやります。タレントに言うか言わないかはそっちで決めてください。我々は鶴ちゃんを含め、本当に知らないテイで行くから、入った瞬間に『これは言ったな』ってバレたら、次からお前のところとの関係が変わるぞ」ってディレクターがプレッシャーかけるんですって(笑)。

(玉袋筋太郎)フハハハハッ! 昭和芸能界! 芸能界ってこういうシステムだったんだ! いま知った、僕は!

(吉田豪)フハハハハッ!

(安東弘樹)玉さんはね、時々嘘を言うんです(笑)。

(玉袋筋太郎)知らなかったなー!

(安東弘樹)じゃあアイドルの人、すごいハードルですね。

(吉田豪)ですよ。「だから本当にガチンコでこれは知らせてなかったなって子は何人かいた。本当に驚く時ってこう驚くよなっていうリアクションをしてくれた」っていうね。いやー、恐ろしいですね。昭和ってね。

(玉袋筋太郎)昭和、危ない。危なっかしいよな!

(安東弘樹)リアクション、わかるもん。

(玉袋筋太郎)だからやっぱり、キョンキョンっつーのは男前だなっていう話に戻るわけですよ。

吉田豪と玉袋筋太郎 小泉今日子の独立を語る
吉田豪さんがTBSラジオ『たまむすび』に出演。豊原功補さんとの交際を認め、事務所から独立を発表した小泉今日子さんについて話していました。 (玉袋筋太郎)そして、豪...

(吉田豪)やっぱり事前に言うとよくないっていうのが、最近氏神一番さんが正月の特番で落とし穴に落とされて。落とされるなり、素で怒って。「マネージャー呼んで」って言い出すっていう、すごい微妙な空気になるドッキリをやっていたんですよ。

(玉袋筋太郎)フハハハハッ!

(吉田豪)で、本人に聞いたら「俺は下手だから事前に言ってくれなきゃダメなんだよ!」って言っていたんですけど……事前に言ったらそんないいリアクションも何もできないじゃないですか。絶対にわざとらしくなる。

(玉袋筋太郎)そう。難しいんだよ。ドッキリっちゅうのは。

(安東弘樹)知っているドッキリは地獄ですね。まあ、いまアナウンサーは当然NGになってますけども。

(吉田豪)フフフ(笑)。

(安東弘樹)そう。地獄なんです。さあ、そして伝説的シーン。ショーケンにズボンを脱がされる。

(吉田豪)はい。まず鶴ちゃんの番組で梅宮辰夫さんを抜擢したりっていうキャスティングが好きという話をしていたんですよ。最初に。そしたらそれは「『元気が出るテレビ』がたけしさんと松方弘樹さんだから、鶴ちゃんは梅宮さんでしょ」っていう、それだけのことだったっていうね。

(玉袋筋太郎)なるほど。

(吉田豪)で、「『鶴太郎のテレもんじゃ』っていう番組で岡本太郎さんを引っ張り出したのも面白かったですね」って言ったら、元気な年寄りを全部呼ぶような企画だったらしいんですよね。だから岡本太郎さんがいて、益田喜頓さんもいて、杉兵助さんもいて、上原謙さんもいて。浪越徳治郎さんもいて。「これ、すごいですよ。1人1人死んでいきましたけどね!」っていうね。

(玉袋筋太郎)そうだよね。うん。

(吉田豪)岡本太郎さんがバラエティーのレギュラーって衝撃でしたからね。

(玉袋筋太郎)うん。たしかに。レギュラーか。しかも。

(吉田豪)ところが鶴ちゃん、当時は絵なんか描いていないから、どれだけ偉い人なのかも全然わかんなくて。で、レギュラーになって毎朝「先生、おはようございます」って杉兵さんからダーッとみんな挨拶に行って。で、岡本太郎さんの楽屋で「鶴太郎です。おはようございます」って行くと、「なんだ、誰だ?」「片岡鶴太郎です」「名前なんかどうだっていい!」っていう(笑)。で、翌週になって「鶴太郎です。おはようございます」って行くと、「誰だ?」「片岡鶴太郎です」「名前なんかどうだっていい!」っていうね。「なかなかのタヌキですよ!」っていう。

(玉袋筋太郎)すごい人はね、名前を覚えない! 石原慎太郎さんもそうだったもん。10年共演して。

(吉田豪)あんだけやってんのに(笑)。

(玉袋筋太郎)「君!」って。最後まで「君」だった。

(吉田豪)で、鶴太郎さんの伝説のシーンといえば、『オールナイトフジ』でのショーケンさんとの絡み。本当に大好きで僕、いまだによく映像を見るんですけども。

ショーケン『オールナイトフジ』ライブ



(玉袋筋太郎)ああ、ショーケンさんのね。

(吉田豪)『オールナイトフジ』のライブのゲストでショーケンさんが出てきて、かなり泥酔されていて。途中から鶴太郎さんを呼んで。ちょうど『愚か者よ』を歌っていた時期で。マッチも『愚か者よ』だったんで、呼んで、ひたすらもう脱がすんですよ。で、鶴ちゃんは結構素の表情になっていくっていうか。「なすがままだったんですよ。ただ、よく覚えてないの。酒飲んでますからね」っていうことでね。「『お前が歌え!』って言われて歌っている間にどんどん脱がされて。たぶんなにがあっても対応できるサブだから、本当に何か出ちゃったとしても上手いことカメラワークで隠せるだろうし、それはそれでオイシイからどこまで行くか、ちょっと他人任せのところで。最終的にどう着地したのかも覚えていない。ただ、翌週に大きな桶でお寿司が届いて。『鶴ちゃん、先週はありがとう。ショーケンさんからだよ』って言われたのは覚えている」と。

(玉袋筋太郎)おおーっ!

(吉田豪)お詫びの寿司が届いたっていうね。

(玉袋筋太郎)へー!

(安東弘樹)いやー、なんか昭和後半の芸能史をザーッと見てきたような感じがしますけども。

(吉田豪)でも、個人的に本当に鶴ちゃんがよかったのが、いままた一回りして戻ってきている感じなんですよね。普通にただ痩せただけだと結構……体を鍛えたりすると、お笑いって笑えなくなるみたいな話もよくあるじゃないですか。でも、ヨガまで行くと笑えるんですよね。そして、それを掘ってみると、やっぱり本人もそのつもりであの5才児用のキッズパンツを穿いて、わざわざ脱いで会見をやるとか。完全に狙っているんですよね。

(玉袋筋太郎)ああー。

(吉田豪)で、「最近新しいネタあるんですよ」って映像を見せてもらったのが、美脚モノマネっていう、小森のおばちゃまの真似をいま、あえてやって。なおかつ、痩せたから前よりも似ているんですよ。

(玉袋筋太郎)ああーっ! たしかに、たしかに。

(安東弘樹)たしかに。リアル美脚になっているんですね。

(吉田豪)全くいまの世代がわからないモノマネを。

(玉袋筋太郎)スパッツ穿いてね。

(吉田豪)体を張ってやり始めていて。「一周回ってまた戻ってきました」って本人も言っていて。

(玉袋筋太郎)そうかー!

(安東弘樹)戻れるのがすげえな。いや、これをもっともっと読みたい、知りたいという方はこのインタビュー、1月23日に発売された雑誌『CONTINUE Vol.51』に前編が掲載されています。

(吉田豪)フフフ(笑)。玉さん、また筆談が始まってますよ(笑)。聞いてないですよ、その話は(笑)。

(玉袋筋太郎)あ、ごめんごめん。

(安東弘樹)さらに2月に後編が掲載された『Vol.52』が発売予定。『CONTINUE』は2010年の廃刊から復刊したんですね。

(吉田豪)この出版不況の時代にね。

(玉袋筋太郎)たしかにそうだ。

(安東弘樹)ぜひ、そちらもチェックしてみてください。吉田豪さん、今日もありがとうございました。

(吉田豪)ありがとうございました。どうもー。

(玉袋筋太郎)ありがとうございました。

<書き起こしおわり>

吉田豪と大竹まこと ビートたけし『TVタックル』恫喝事件を振り返る

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吉田豪さんが文化放送『大竹まことゴールデンラジオ』にゲスト出演。大竹まことさんと『TVタックル』収録現場でビートたけしさんが勘違いから吉田豪さんを恫喝した際の模様を振り返っていました。



(大竹まこと)はい。いらっしゃいませ。

(吉田豪)はい。どうもです。よろしくお願いします。初・文化です。

(大竹まこと)ええと、なんて言ったの?

(吉田豪)はじめての文化放送ですよ。

(室井佑月)えっ、文化放送、しょっちゅう出てるイメージあるよ。

(吉田豪)全然、全然。そもそも僕、赤坂(TBS)で真裏で出ている人ですよ(笑)。

(大竹まこと)赤坂に出ているの?

(吉田豪)赤坂で月イチで、この曜日(金曜日)に。

(室井佑月)じゃあ、なんで呼んだのか?っていうのも疑問だし、じゃあ、なんで出てきたのか?っていうのも(笑)。

(吉田豪)ダハハハハッ! 仁義上、大丈夫なのか?っていうね(笑)。

(大竹まこと)あの、有名なんですよ。垣根のない放送局って。

(吉田豪)ここは問題がないんですね。

(大竹まこと)ここはどこに出ていようと問題ないです。

(室井佑月)なんであれ、裏に出ちゃいけないの?

(吉田豪)裏かぶり。テレビとかはいろいろと。

(大竹まこと)いや、真裏に出たら、どっち見たらいいかわからないじゃないか。だって。

(室井佑月)だって私、この曜日はこの曜日で出るけど、他の曜日は暇なんですけど……っていうの出たらダメだよね?

(大竹まこと)いや、別にそれは出て大丈夫だよ。そりゃそうだろうよ。

(室井佑月)えっ、そうなの? じゃあ、それで出てきたの?

(吉田豪)そんな感じですかね?(笑)。

(大竹まこと)赤坂ではどんなことをやっているんですか?

(吉田豪)赤坂では基本、僕が毎月インタビューした人の話をするっていう感じなんですけども。でも、今日は本当に僕、大竹まことさんに久しぶりに会えたのがすごいうれしくて。大竹さんは僕の大変な現場をいちばん間近で見た人なんですよ。

(室井佑月)ええっ? いちばん大変な?

(大竹まこと)ああ、そうですね。

吉田豪の大変な現場を間近で見る

(吉田豪)『TVタックル』という番組に、ちょうど2年ぐらい前に僕が出た時、番組始まる直前まで大竹さんと阿川佐和子さんと雑談をしていたんですよね。楽しく話していて、たけしさん待ちだったんですよ。で、ビートたけしさんがスタジオに入ってきたなと思ったら、なぜかまっすぐ僕のところに来て。すごい怒ってらっしゃって。「お前か、吉田ってのは? お前、俺の悪口をなんか週刊誌で書いただろ? おい!」って始まって。で、大竹さんがサーッといなくなる感じの(笑)。

(室井佑月)ビートさんってそんな、書いた人の名前までチェックしているの?

(大竹まこと)でも、それは間違いだったんだよね。

(吉田豪)そもそも、僕は書いていないし。たけしさんの勘違いで脅しが始まりまして。

(大竹まこと)でもたけしさんは、本番で謝ったよね?

(吉田豪)そうなんですよ。普通にカメラが回っている最中で。だってそんな状況で収録が始まるんですよ。

(室井佑月)違う。いい手があるのよ。

(吉田豪)なんですか?

(室井佑月)私、5年くらい前まで津田大介さんと吉田豪ちゃんの違いがわからなくて。同じ人じゃないかと……。

(吉田豪)金髪だからって。全然違いますよ(笑)。

(室井佑月)「いろんな仕事をやるな、この人」って思っていたのよ。だから、「僕じゃないですよ」って。

(吉田豪)「津田大介ですよ」って?(笑)。

(室井佑月)アハハハハッ!

(吉田豪)……間違えないですよ(笑)。

(室井佑月)どう?

(大竹まこと)はい、まあね、いろんなことがあったけど、吉田さんはあれですよね。

(吉田豪)その時の大竹さんの感想が聞きたいですよ。横で見ていて。

(大竹まこと)いや、俺はなにが起こっているのか、わからなかったんだよ。理由が。だって、吉田さんかたけしさんか、どっちの言っていることがいいのかも俺はわからないわけじゃん? 過去のことも何も知らないから。

(吉田豪)そもそも、だから何年も仕事をしてきてああいうの、大竹さんは見たことがないわけですよね?

(大竹まこと)いや、でもあの……まあ、そうだね。

(吉田豪)ああ、あるんですね(笑)。

(大竹まこと)いや、そうじゃなくて。番組の中では、やっているよ。俺もキレてるし、たけしさんも怒ったことあるから。外側は俺、知らないよね。うん。まあでも、それはたけしさんの怒りもすごいけど、怒ったのは本番前だけど、本番で謝るっていうのも俺はなかなかだなと思ってね。

(吉田豪)ですよね。

(室井佑月)えっ、書いたのは誰だったの?

(吉田豪)まだはっきりとはしないんですけど、テレビライターの吉田潮さんっていう人がいて、その人と間違えた説が濃厚ですね。

(室井佑月)じゃあ、本当に一文字違いのニアミスだ。

(吉田豪)そうです。三文字の「吉田」がテレビ評で自分の番組をけなしているのに、よく出てきやがったな! 的な話だったっぽいっていう。

(大竹まこと)まあね、知らないけども。たけしさんが全部チェックしているわけじゃないからね。

(吉田豪)誰かに言われたんだろうと。

(室井佑月)チェックしていたら、でも名誉なことですよね。それで怒られたらね。

(大竹まこと)はいはい。いやいや、その話もともかくとして……今日はご本もお書きになっているし、いろんなことも聞いてみたいなと思って。

(吉田豪)はいはい。

<書き起こしおわり>

吉田豪と大竹まこと インタビューを語る

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吉田豪さんが文化放送『大竹まことゴールデンラジオ』にゲスト出演。大竹まことさん、室井佑月さんとインタビューについて話していました。

続 聞き出す力

(大竹まこと)はいはい。いやいや、その話もともかくとして……今日はご本もお書きになっているし、いろんなことも聞いてみたいなと思って。

(吉田豪)はいはい。

(大竹まこと)インタビューって、だいだいこの人が心を開くか、上手く話せるかっていうのはどんな時にわかるんですか?

(吉田豪)どんな時だろう? でも、大竹さんみたいな人と僕が決定的に違うのが、僕は本当に好きな人に会いに行くだけだから楽なんですよ。大竹さんとかはそういうの関係なく、どんどんゲストが来ちゃうじゃないですか。正直、話したくない人が来ることもたぶんあると思うんですよ。僕の……

(大竹まこと)……君さ、僕の仕事を悪い方向に(笑)。

(吉田豪)フフフ(笑)。違いますよ(笑)。

(大竹まこと)持っていくの、やめてくれない? 僕はどなたが来ても……(笑)。

(室井佑月)そんなの、人間じゃないよ!

(大竹まこと)馬鹿野郎!(笑)。

(吉田豪)ダハハハハハッ! そんなに興味のない人も来ますもんね?

(室井佑月)吉田豪ちゃんだって出版社からたのまれて、あんまり気が乗らないんだど……っていうのは?

(大竹まこと)そうだよ。

(吉田豪)そういうの、断りますよ。引き受けないんですよ。

(室井佑月)本当に? だけど、嫌いだけど見てみたいっていうのはあるでしょう?

(大竹まこと)俺だって断るよ。……断れねえっつーの(笑)。

(吉田豪)フフフ(笑)。

(室井佑月)えっ、ないの?

(吉田豪)僕、だから本当にやらないですね。

(室井佑月)嫌いだけど、見てみたいんだよ。

(吉田豪)だから、基本は嫌いだけども、この人のこのポイントが好きみたいなのが一点あれば行くけど、そういうのがない人には絶対に行かないですね。うん。

(大竹まこと)でもさ、もうちょっと突っ込んで聞くと、それは食えるようになったから? 食えない時でどうしてもインタビューしなきゃいけない。そういう時でも行かなかったの?

「好きなところを探す」

(吉田豪)食えない時は、だから「好きなところを探す」っていう作業ですよね。「この人のここは評価できる」っていうポイントを探して行くっていうやり方をしましたけど、いまはなんとか、わがままをだいぶ言えるようになって。

(室井佑月)私だったら、「ギャラによる」って言っちゃうな。ギャラ。だから「いくらだったらやってもいいけど……」みたいな話になるな。

(大竹まこと)お前の方がポリシーねえじゃねえか!

(吉田豪)ダハハハハハッ!

(大竹まこと)いままでインタビューしてきて、「この人すごいな」なんて思った人はいますか? お話を聞いていて、「めちゃくちゃ頭がいいな」とか「めちゃくちゃ先が読めているな」とか。そんなことでもいいけども。

(吉田豪)「頭がいい」……うーん、基本、僕がやっているのって厄介そうな人に「あなたが好きです」って言いに行くような作業なんですよ。で、あんまり「好き」って言われたことがないから、その人は喜んでくれるっていう。あの、卑怯なやり方をしているんで。

(室井佑月)怖いよね。スッと心の隙間に入ってくる感じだもんね。本当に。

(吉田豪)はいはい。そういう作業ですね。だから最近、室井さんが僕のことをはじめて評価してくれたのが、前川喜平さん。前文科省次官の。

(室井佑月)違うんだよ。私、共通の友達がいて。久田将義っていう男なんだけど。久ちゃんがね、毎回毎回いろんな人に騙されるわけよ。で、私はすっごい長い間、友達だから。近づいていって「大丈夫、大丈夫」って言っていたから、最初、すごい斜めから……。

(吉田豪)僕も久田さんのことを騙しているんじゃないか?って思っていたんですね。

(室井佑月)うん。だって、いっつも最後は「裏切られた」っていう話で終わるんだもん(笑)。

(大竹まこと)うーん、ちょっと話が見えなくなったけど……。

(吉田豪)ダハハハハッ!

(室井佑月)だから、最初に「仲良くなった」って聞いていて、何回か会うことがあったんだけど、「大丈夫かな?」って。

(吉田豪)「こいつも胡散臭いぞ」って思っていたのが、この前はじめて、「この人、ちゃんといい仕事をする人じゃないか」って。

(室井佑月)大丈夫なんだって。インタビューを見て、すごいなって思っちゃったよ。前事務次官の前川さんが……私もインタビューをしたけど、なんて言うの? 新しい、ニュー前川になっていたもん。

(大竹まこと)どういうこと? それはインタビューが?

(室井佑月)ケタケタ笑って。ねえ。

(吉田豪)だから前川さんのあんまり表に出ていない部分というか、ゆるい話だけを聞くというのをテーマにしていたんですよ。結局、右寄りの人はものすごく批判をして、左寄りの人は絶賛する感じだったから、そうじゃない感じの、前川さんのどうでもいい話を聞きに行く。プラス、僕はもともと仕事で前川さんが行っていた出会い系バーに潜入取材をしたことがあったんですよ。で、潜入取材をした結果、「前川さんの言い分は8割方信じられる」っていうスタンスになったんで、それを報告しに行くという感じで行ったら……「ああ、行ったんですか、あの店!」みたいな感じでスイッチがどんどん入って。「また行きたいんだよな、あの店」みたいな(笑)。

(室井佑月)なんかすごい明るい……私がインタビューした時の3倍なんてもんじゃないね。10倍ぐらい明るいおっさんになっていて。

(大竹まこと)ああー。

(吉田豪)余計なギャグを連発するんですよ。それを全部拾っていくような作業で(笑)。ああ、こういうことを言う感じの人なんですね。

吉田豪 前川喜平インタビュー

吉田豪 前川喜平インタビュー書き起こし
吉田豪さんがAbema TVで前川喜平・前文部科学省事務次官にインタビュー。その模様を書き起こししました。 吉田豪さんの前川喜平さんインタビュー、面白い! リンク先で無料で視...

(大竹まこと)まあ、人にはいろんな面があるから、それを上手く拾い上げるっていう。

(室井佑月)「負けた!」って思ったなー。

(大竹まこと)インタビューのお仕事は、なんでやろうとお思いになったんですか?

(吉田豪)いろいろと、本当にもともとはただの編集だったんで、なんでもやっていたんですけど、いちばん楽しいなと思った感じですかね。

(室井佑月)じゃあ、本当に好きなんだね。私は「来たから」だなー(笑)。

(吉田豪)めちゃくちゃ楽しいじゃないですか。

(大竹まこと)それは、おいくつぐらいの時からですか?

(吉田豪)最初にやったのは、それこそ10代とかでバンドのインタビューとかもやっているんですけど。

(大竹まこと)ああ、そんなことしていたの?

(吉田豪)ミニコミとかをやっていたんで。

(大竹まこと)ミニコミでミュージシャンのインタビューをしていたんだ。

(吉田豪)パンクバンドのインタビューとかをしていたんですけど。それでも、本当に自信を持ってきたのは20代半ばぐらいからですよね。プロレス雑誌でプロレスラーのインタビューをやるようになって。

(室井佑月)インタビュー歴何年?

(吉田豪)全然わかんないですね。歴、何年だろう? 25年は超えていると思いますけどね。

(室井佑月)インタビューしていてさ、「この人、嫌だな」と思っていた人が、めちゃめちゃいい人で大好きに変わる瞬間と、すっごい期待値が高くて大ファンで行って、大嫌いになる瞬間と。その2つのパターンの落差が面白いって思っちゃうね。

(吉田豪)わかります、わかります。

(大竹まこと)でも、話を戻すけど、「インタビュアーになろう、これが向いている」みたいなことって、その前はわからないじゃない? なにかきっかけみたいなことがあったんですか?

(吉田豪)もともと僕、タレント本のコレクターで、タレントグッズとかも集めていて。

(大竹まこと)バンドは?

(吉田豪)バンドは早々に諦めて。グッズとかそういうのも集めていたんですけども、インタビューをする時にいろいろと持っていって、「あなたのことが好きです」って言うと本当に喜んでくれて。その本をあげたりとかしながら。

(大竹まこと)ああ、なるほど! 自分がそういう趣味で集めていた昔のやつがあって。

(吉田豪)それが全部プラスになるし、向こうもそれで心を開いてくれるし、普通よりも踏み込んだ話もできるし。これは楽しい、もっとやろう!っていう感じになっていったっていうことですね。だから基本、好きで。「あなたのものを集めています」みたいな人しか、なるべく会いたくないんですよ。

(大竹まこと)いままでで、その前川さんを始め、どんな方をインタビューしたんですか?

(吉田豪)だいたい行っているぐらいだと思うんですけど。やっぱり、人気のある人ってそんな、「ファンです」って来る人に慣れているじゃないですか。それこそ、たけしさんに「ファンです」って行っても、「また来たか」じゃないですか。だから、自然と僕はそうじゃない人に言いに行く仕事が増えていく。その結果、事件を起こした人とか薬物をやっていた人のインタビューが増えたりとか、そういうパターンになっていくという。

(大竹まこと)そういう人が好きなの?

(吉田豪)だから、あんまり言い分を言う機会がないじゃないですか。そういうのを聞いてあげたくなるし。

(室井佑月)去年、ASKAさんにもやったの?

(吉田豪)そうなんですよ。しかもASKAさん側の指名っていう(笑)。

吉田豪 ASKA逆指名インタビュー書き起こし
ASKAさんがAbemaTVのトークドキュメンタリーに出演。プロインタビュアーの吉田豪さんを逆指名しインタビューしていました。 (ナレーション)続いて逆指名したのは日本一イン...

(大竹まこと)すごいじゃない!

(吉田豪)そうなんですよ。僕がいろんなテレビに出る時に、わざとCHAGE and ASKAのTシャツとかジャンバーとか着ていたんですよ。たぶんそういうので、小耳に挟んでいたんだと思います。事件の時も僕、批判的なことは言わないで、ASKAさんの昔の本がいかに面白いのか、みたいな言い方をしていたんで、「よかった!」っていう。

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吉田豪さんがニッポン放送『プチ鹿島長野美郷GoodJobニッポン』に出演。騒動があったCHAGE and ASKAのASKAさんの著作から、ASKAさんの魅力を解説していました。 ...

(大竹まこと)古舘伊知郎さんからも指名がかかった?

(吉田豪)単純にそれ、僕はもともとプロレス雑誌にいて。古舘さんがそれを読んでいてくれて。ずっとキャスターをやっていたからインタビューを受けなかったけど、「はじめての解禁は吉田さんで」っていう指名をしてくれたという。

吉田豪 古舘伊知郎を語る
吉田豪さんが2014年8月20日放送のTBSラジオ『たまむすび』の中で、古舘伊知郎さんにインタビューした際の模様を紹介していました。 (赤江珠緒)さあ、そして今日...

(大竹まこと)すごいな! インタビューのコツをちょっとだけ……僕も、さっき室井が言っていたけど、オールマイティーじゃないからね。吉田さんの場合は好きなところに行けるけど、ラジオってそうじゃないじゃない? でも、そうじゃないことを……さっき、「ひとつだけでもいいところを」みたいなことを言っていたけど。それは結構なポイントなの?

(吉田豪)そうですね。僕がずっと言っているのは、「嘘をつかない」っていうか。「あなたのここが好きです」で嘘をついたら説得力がなくなっちゃうので。それぐらいですよね。後は本当に……よく言われるんですよ。こういう仕事をやっていると、「○○さんと仲良くなれていいね」的なことって。でも、そんな発想が本当にないんですよ。仲良くなる気がなくて。仲良くなるよりは、余計なことを言ってちょっと嫌がられたけど、でも記事は面白かった、ぐらいの着地を心がけていて。

(室井佑月)やっぱりプロだ。

(大竹まこと)それはだって、持ち上げていいことばっかり聞いていてもね、なにも出てこない。

(吉田豪)「嫌なことを聞ける関係性を作る」っていう。

「嫌なことを聞ける関係性を作る」

(大竹まこと)そうだね! 嫌なことを聞ける……そこが難しいんだよ。

(室井佑月)大竹さん、だけどがんばり屋さんだよ。

(吉田豪)「がんばり屋さん」(笑)。どの目線から褒めているんですか、それ?(笑)。

(室井佑月)違う、だってここにさ、お客様が来るじゃん? 嫌いっていうんじゃないけど、苦手と思うと私の方がしゃべらないもんね。

(大竹まこと)お前、しゃべんないよな。

(吉田豪)嫌な人の時。

(室井佑月)後で聞いてみて、「あら、私全然しゃべってない」って(笑)。それですごい上っ面な褒め言葉だけ最後に「ああ、ヤバい」って思って。

(大竹まこと)でもその、嫌なことまでしゃべったりするじゃん? で、インタビューって基本的には文章になるわけじゃん。物って、俺はいつも思うけど、ラジオなんかは、たとえば吉田さんがしゃべればその気持ちみたいなのは伝わる。でも文章って乾いているから。その乾いた文章になった時、たとえば俺でもね、俺はたしかにそのことを言ったとしても、文章でそうなった言葉を見ると自分でも驚くことがあるんだけど。そのクールさみたいなことは、どういう風に取り扱うの?

インタビューを文章化する時の心がけ

(吉田豪)それはものすごく気を使いますね。現場の空気感をどれだけ出すか?っていうのを。だからもう、カッコでいろいろ説明をするとか。「あくまでもこれはギャグというテイで言ってますよ」とか伝わるようにっていうのはすごい気をつけます。

(大竹まこと)それを抜いておくと、インタビューした人も後で「お前、なんだよ!」みたいなことになっちゃうもんね。

(吉田豪)なります、なります。本当にラジオ、その問題ってすごく感じるのは、よく最近、ラジオの書き起こしのサイトがあるじゃないいですか。書き起こしのサイトって空気が伝わらないまとめ方をしていて、それを読んで起こる人がすごいいるじゃないですか。「こっち、そういう意味で言ってないのに……」っていう。そういう問題がすごいあると思うので、プロとしてそこはいかに空気を伝えるか。

(大竹まこと)いやー、そういうプロがいてほしいわ。

(吉田豪)盛り上がっている時は盛り上がっている空気だし、ピリピリしている時はピリピリしている感じをどう出すか?っていうのをやりますよ。

(大竹まこと)どうやってやるの?

(室井佑月)だって、言葉は限られているし。

(吉田豪)ピリピリ感……だからよく、僕が他の人のインタビューで嫌だと思うのが、盛り上がっていないインタビューを盛り上がっている風に作り変えちゃうことってよくあるんですよ。笑ってないのに「(笑)」をつけたりとか。地の文を多めにして上手い文章にしたりするんですけど、それよりは、盛り上がっていない時は嫌な空気を出した方が面白いなって僕は思っていて。

(室井佑月)ああ、短く改行か?

(吉田豪)とか。ピリピリしているのがだんだん心を開いていく感じのドキュメンタリーになった方がいいなっていう。

(大竹まこと)そうだね。あの「(笑)」ってね、いろんなのを読んでいて、読んでいる俺は「笑ってねえよ。なんで笑うんだよ?」みたいなところ、あるからね。「(笑)」っていうのは、どうなの?

(吉田豪)まあ、インタビューの空気感を伝えるためには便利な道具っていうか発明だったと思うんですけど。昔、80年代とか90年代でよくあったのが、コラムとかで「(笑)」を使う人がいて、それはすごい嫌いでしたね。

(大竹まこと)ああー。

(室井佑月)いま、メールとかでもすごい入っているよね。

(吉田豪)まあ「w」とかね。

(室井佑月)なんでなんだろう?

(吉田豪)まあ「ギャグですよ」とか。Twitterとかでも……。

(室井佑月)怖いのかな? どう思われるのかっていうのが。言い切りになっちゃうと。

(吉田豪)うーん。ネット上だとよくそれでトラブルが起きますよね。小馬鹿にしている感が出ちゃうんで。

(大竹まこと)そうなのか。俺は意外とあの「w」が続くのはなんか、意外と「(笑)」なんかに比べると……まあ、俺の感じ方だけど、なんか許しちゃう感じが俺にはあるんだけどね。

(室井佑月)私はどんな長いのを見ても基本的には返しは全部「了解」しか返さないから(笑)。

(吉田豪)メールは。わかります。僕もそんな感じです。

(大竹まこと)まあ、ねえ。「嫌いな人には絶対に行かない」とか言うからね、嫌いな人って誰?って聞きたくなるところだけどね。

(室井佑月)でも、逆もあるよ。すっごく大好きで、「すごくウキウキ! 生きててよかった、ヒャッホー!」って行って、結構意地悪な人でがっかりっていう時って、飲まなきゃやってられないみたいな気持ちになる。だったら一生会わないで、夢のままにしておけばよかったって。

(吉田豪)完全にビジネスモードで一切話す気がないですよ、みたいなことってよくありますもんね。

(大竹まこと)ああ、そう? 役者さんとかってこと?

(吉田豪)とか、歌手の方とか。「僕は宣伝で来ただけなんで、面白い話をしに来たんじゃないですよ」みたいな。

(大竹まこと)「なんで宣伝の、今日の中身を聞いてくれないんだ?」とか。そういう時、どうするの?

(吉田豪)でも、結構な事故になりますよ。1回僕、大事故ありましたからね。

(大竹まこと)どんなの?

(吉田豪)普通に実名を出すと、氷川きよしさんのインタビューが大変でしたからね。

(大竹まこと)……あんまり実名を出さないでほしいんだけどな(笑)。

(吉田豪)出さない方がよかった?(笑)。

(大竹まこと)そうか。そういうこともあったってこと? どうしようかな……(笑)。インタビューを向こうから、「吉田さんのインタビューは受けない」って言っている人、いるじゃない?

(吉田豪)そうですね。2人ぐらい。

(大竹まこと)伊集院光さんと徳光和夫さんは「インタビューを受けない」って言っているんだって? どうして?

(吉田豪)そうですね。それは2人とも、実は僕の本を読んでくれていて、僕のインタビューがどういうものかを理解した上で、断っている感じですね。その2人に関しては。徳光さんとかは特に、「僕はいろいろと、いろんなものの裏もよく知っているし、吉田さんが好きなのもわかるんだけど、吉田さんの取材を受けたら、たぶんそれを全部話しちゃうから。出すわけにはいかないので、断ります」って言われ続けてますね。

(大竹まこと)ああ、「これは墓まで持っていくことで、しゃべることじゃない」っていう?

(吉田豪)もしくは晩年に「これならいいか」ぐらいのタイミングで。

(室井佑月)でもその言われ方、名誉なことだね。

(吉田豪)すごい名誉です。わかってくれているっていう。

(大竹まこと)伊集院さんは?

(吉田豪)伊集院さんもそんな感じですね。だから、ある程度晩年の、死に水を取るようなインタビューもよくやるんですよ。長門裕之さんの晩年、何度か連続でインタビューをしたりとか。それこそ、長門さんが昔、暴露本を出して大問題になったじゃないですか。で、謝罪をして。でも、最後の方の取材でも言っていたんですよ。「吉田さん! 吉田さん組んでさ、もう1回俺、暴露本を出したいんだよ!」って言っていて(笑)。「また実名で!」「また実名でやる気なんですか!?」「もういいでしょ? いまなら」って言っていたんですけどね。

(大竹まこと)ああー。そうか。やっぱり晩年になると、なんかいろんなことをしゃべりたくなるのかな?

晩年になると、いろいろしゃべりたくなる

(吉田豪)「もういいや」になるっぽいですよ。「もう守るものもないし」って。

(室井佑月)じゃあ私、いっぱい聞いてきてもらいたい人、いる。だから、通り一遍の新聞とかに載っている……オピニオンとかさ、ああいうところで載っているんじゃない話が知りたかったりする人がいっぱいいるな。

(吉田豪)だから、よく言われるのがもうね、だんだん芸能人とかもだいぶやり尽くして……僕の師匠はリリー・フランキーさんなんですけど、リリーさんによく言われるのが「お前はたぶん政治家とかやった方がいいよ。政治家が普段言ってないような話をどんどん掘っていった方が、たぶん面白くなる」とは、すごい前から言われていて。

(室井佑月)やらないの? 政治家、興味ない?

(吉田豪)難しいんですよ。やっぱり「好き」って言えるかどうかっていう問題になると、難しいじゃないですか。

(室井佑月)でも、持ち前のガッツでずーっと写真を見て、「この人をやるんだ」って資料を読み込んでいたら……「うーん……す、好き!」ってなってくるんじゃないの?

(吉田豪)やっぱり極端な人じゃないと好きになれないんで。だから森喜朗さんとかなら好きなんですけども。実際にインタビューもして最高だったんですけど、難しいですよね。やっぱりそれ以外の普通の政治家さんって。

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(大竹まこと)いや、気になったんだけど、リリー・フランキーさんが師匠って、この業界にもその業界にも、師匠筋みたいなのがちゃんとあったりするんだ。

(吉田豪)ちゃんとした師弟関係でもないですけどね。もともとペーペーの時にいちばんよくしてくれたのがリリーさんで。いろんなアドバイスをしてくれたのがリリーさんだっていう。いまだに関係が続いていて。

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(室井佑月)「トントントントン、日野の2トン」だよ。



(吉田豪)こうなるとは思ってなかったですからね。CMに出まくる人になるとは思ってなかったんで。もともと僕もリリーさんも暇で、一緒にアイドルイベントに行ってたような仲なんで。

(大竹まこと)リリーさん、映画の主役をやってるよ。

(吉田豪)そうなんですよ。

(室井佑月)悪い人の役、おっかないよね! でも、昔からちょっと色っぽかったんだよなー。遅刻魔でさ。

(吉田豪)まあ、いまだにそうですけどね。

(大竹まこと)お前の仕事とその遅刻魔、なんか関係があるのかよ?

(室井佑月)いやいや(笑)。宣伝しておくね。今日の話を聞いて興味を持った方はぜひ、吉田豪さんの著書を手にとってみてください。現在、白夜書房から『吉田豪の”最狂”全女伝説 女子プロレスラー・インタビュー集』が発売中です。

(吉田豪)これ、女子プロに興味がないような人にもぜひ読んでほしい。

(室井佑月)お買い得?

(吉田豪)めちゃくちゃ面白いですよ。お買い得です。サラッと言うと、プロレスってどういうものか、なんとなく世の中の人も理解していると思うんですけど、全女っていうのがすごい頭のおかしい組織で。タイトルマッチとか、結末を決めないで普通にやっていたんですよ。そういう裏話をいろいろと聞いています。

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(大竹まこと)ああ、そう!

(吉田豪)プロレスなんだけど、世界に稀な団体だったんですよ。人間関係の揉め事とかをそのままリング上で決着をつけるような。

(大竹まこと)うわー、面白そうですね。

(室井佑月)大竹メインディッシュ、本日のゲストは吉田豪さんでした。ありがとうございました。

(吉田豪)はい、どもでした。

(大竹まこと)ありがとうございました。

<書き起こしおわり>

吉田豪 泰葉を語る

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吉田豪さんがTBSラジオ『たまむすび』の中で泰葉さんについて玉袋筋太郎さん、安東弘樹さんと話していました。

ゴールデン☆ベスト 泰葉

(安東弘樹)今日は月一のお楽しみ、プロインタビュアー吉田豪さんです。

(吉田豪)はい、どもです!

(玉袋筋太郎)よろしく、豪ちゃん。すごいね、ビートきよしからの吉田豪っていうこの並びね。

(安東弘樹)いつもは月の初めですけども、今日は最終週ということで。

(吉田豪)安東さんの最後に、どうしても。

(安東弘樹)ありがとうございます!

(吉田豪)「なんで安東さんを掘らないんだ?」ってすごい言われましたよ、Twitterとかで(笑)。

(玉袋筋太郎)違う意味で掘っちゃう可能性あるよ! フハハハハハッ!

(安東弘樹)いやいやいや(笑)。

(吉田豪)男のつながり、深すぎますからね。

(玉袋筋太郎)ちょっとダメだな、そこはな。玉6つで行きましょうよ!

(安東弘樹)さあ、豪さんの今日なんですけども、来ましたね。ご紹介していただければ。

(吉田豪)はいはい。泰葉さんを掘ろうという。

(玉袋筋太郎)泰葉さん! だって2週前に峰竜太さんが来て、ちゃんと生放送を成立させて帰り際に「さっきカミさんから『泰葉の話は絶対にするな』って言われた」って……。

(吉田豪)ダハハハハハッ!

(安東弘樹)だからこの番組で「ああ、ダメなんだな」っていう感じの……。

(吉田豪)「そこだけは触れないでくれ」という。

(玉袋筋太郎)そうなんだよね。

(安東弘樹)舌の根も乾かぬうちに、なんとよりによって泰葉さんの筋ということでね。ではまず、泰葉さんのあらすじとその筋をご紹介します。1961年、東京の下町、落語家の初代林家三平さんの次女としてお生まれになります。姉は海老名美どりさん。弟は九代目林家正蔵さんと二代目林家三平さん。泰葉さんはそんな芸能一家の中で才能を伸ばし、1981年にはシンガーソングライターとして『フライディ・チャイナタウン』でデビュー。1988年には落語家の春風亭小朝さんと結婚し、20年近い結婚生活を経て離婚。その後、10年に渡る心の病を克服し、現在も歌手やタレントとして活躍されております。

(玉袋筋太郎)うん。

(安東弘樹)そして、吉田豪さんの取材によりますと泰葉さんのその筋は、その1、姉強し。映画『ロッキー』が理由で弟・正蔵さんをボコボコにした筋。その2、言いたいことしか言わない正直者。歌手活動の壁になったのはTKだった筋。その3、出会って3回目のデートで結婚。元夫、春風亭小朝さんの筋。その4、2人でブチ切れた。ラジオ番組史上に残る伝説のエコーズ事件の筋。以上、濃い4本の筋でした。これ、濃い! タイトルだけでも。

(玉袋筋太郎)濃いよね。すごいね、やっぱりこの一族。海老名家というのは。

(吉田豪)エグい話、いっぱいありますからね。

(玉袋筋太郎)やっぱりね、エリック一家か海老名家かっていうぐらい、もう大変ですよ。

(吉田豪)名前が出ていないお母さんが鍵を握っている気がしますよね。ここは。海老名香葉子さんがいちばん重要な……。

(玉袋筋太郎)香葉子さんがねえ。谷中が。

(安東弘樹)そんな中、だからある意味峰さんを尊敬しますよ。その中でね……。

(吉田豪)がんばってますよね!

(安東弘樹)本当に。素晴らしいと思います。さあ、その1から行きましょうか。『ロッキー』が理由で弟・正蔵さんをボコボコにした。

(玉袋筋太郎)正蔵さんっていうのは、まあ元こぶ平だよね。

(吉田豪)そうですね。僕らはどうしても「こぶ平」って呼んじゃう。

(玉袋筋太郎)こぶ平って呼んじゃうんだよ。二木ゴルフとか呼んじゃう。

(吉田豪)はい。「ニキニキニキニキ……」って。ねえ。僕の泰葉さんの大好きな話が、基本的に姉弟仲はよかったらしいんですけど、本人いわく唯一ケンカした理由が『ロッキー』だったっていう話で。

(玉袋筋太郎)『ロッキー』?

『ロッキー』をバカにしたこぶ平を制裁

(吉田豪)いい話なんですよ。お姉さんが海老名美どりさん、弟さんがこぶ平さんっていうことで。この話を『実話BUNKAタブー』の僕のインタビューで聞いてみたら、実際にそうで。映画の『ロッキー』を見て泰葉さん、すごい気に入ったらしいんですよ。一作目ですね。泰葉さんが「最高!」って言っていたらこぶ平さんが「あんなわかりやすいアメリカンな映画は嘘だ!」ってディスり始めたらしいんですよ。

(玉袋筋太郎)おおっ!

(吉田豪)当時正蔵さんはジャズにハマっていて、泰葉さんいわくちょっとひねったクールなものが好きだったという。まあ、WAHAHA本舗に入ったりとか、そういう流れも含めてちょっととんがっていた時期だったんですよね。

(玉袋筋太郎)「スイング、スイング、スイング、スイング、二木ゴルフ♪」って。

(吉田豪)あれもジャズでしたね(笑)。



(玉袋筋太郎)あれもズージャーだよ。

(吉田豪)だったんで、そう言われてカチンと来たけど、ケンカは1回収まって寝たんだけど、泰葉さんはどうしてもそれがイライラが残っていたみたいで。「人生っていうのは素直じゃいけないのか!」って思って枕を抱いたまま弟の部屋に行って「ロッキーは面白えんだよ!」って言って本気でボコボコにしたっていう(笑)。

(玉袋筋太郎)フハハハハハッ! すんごいね、これは!

(吉田豪)いい話(笑)。

(安東弘樹)しかも、時間がたった後にね。

(吉田豪)「やっぱり許せない!」って思って。「『ロッキー』をバカにしやがって!」って。

(玉袋筋太郎)だから正蔵さんの部屋に行き……ってことは、例の地下室ではないっていうことだよね?

(吉田豪)違いますよ! 祝儀袋を隠していた地下室ではないです!

(玉袋筋太郎)じゃないよね(笑)。

(安東弘樹)あの……その話はおかしい!

(吉田・玉袋)フハハハハハッ!

(玉袋筋太郎)そうそう。やっぱりそういう人なんだね。

(吉田豪)で、当時『ロッキー』ってバカにされがちだったじゃないですか。いまでこそちゃんと評価されているけど。そう言ったら泰葉さん、「だから私が正しいんですよ!」って言っていてね。でも、その弟さんと大きなケンカをしたのはそれぐらいで、「家族はみんなすごく仲がいい」って本人は言っていて。ただ、正蔵さんは昔、弟の三平さんを相当いじめていた。泰葉さんによると「歳の離れた末っ子ばかりかわいがられるのがムカついたのでは? でも、いまは仲がいいですよ」というね。

(玉袋筋太郎)いま、仲良しなのかな?

(吉田豪)難しいんですよ、これも。「この取材をした時点では」というね。本人いわく。

(玉袋筋太郎)まあ、そうだよね。

(吉田豪)難しいんですよ。

(玉袋筋太郎)すごいな、海老名家って。

(吉田豪)で、泰葉さん自身はご自分も言っているようにすごい戦うのが好きな人なんですよ。で、その果てに『ハッスルマニア2008』でアン・ジョー司令長官相手にプロレスデビューというね。

(玉袋筋太郎)そうだよな。

(吉田豪)この時の試合、途中からセコンドとしてついていた当時の事務所のマネージャーさん、これ後にEspeciaっていうアイドルグループのマネージャーをやったり、BiSの姉妹グループのSiSっていうグループの運営をやったはずが何かをやらかしてクビになったりとか、いろいろと不思議な人なんですけども。その人が乱入して一緒に反撃して、最後は泰葉さんがエビ固めならぬ海老名固めで勝利するという試合だったんですね。

(玉袋筋太郎)海老名固めだもん。すごいよ!

『ハッスル』参戦


(吉田豪)この試合はもともと試合に勝ったらリングで歌えるっていう条件で始まって。泰葉さんもいつかフランク・シナトラがやったみたいな360度の円形ステージで歌いたいと思っていて。それでリングも360度だしっていうことで承諾したら、ちょっとモメたらしいんですよね。試合の2日前ぐらいに『ハッスル』のプロデューサーだった山口日昇っていう男がいるんですけども……。

(玉袋筋太郎)山口日昇って(笑)。

(吉田豪)これ、僕の(『紙のプロレス』時代の)上司なんですけども(笑)。

(玉袋筋太郎)フハハハハハッ! そうだよね!

(吉田豪)ずーっと一緒にイベントをやっていた、当時のパートナーだったんですけども。その山口日昇さんが突然、「負けてタンカで運ばれるシナリオに変えてくれ」って言い出したんです。勝ったらリングで歌えるはずだったのが、負けたら歌えなくなっちゃうわけですよ。で、モメたという。要は、1回負けて次にリベンジみたいな感じで2試合やってほしくなった。話題になったから引っ張ろうとしたらしいんですよ。

(玉袋筋太郎)なるほど。そりゃそうだな。

(吉田豪)そしたらそれでモメて「バカヤロー!」って大ゲンカになって。「途中から言うことを変えやがって!」と激怒。実はリング外でも泰葉さんは戦っていて。「私、戦うのは好きだし、絶対に負けませんからね。私を怒らせたら怖いんですよ!」っていうことで。ただ、そんなことがありながらも「『ハッスル』には本当にいい思い出しかない」って言っていて。「お金がもらえなかった人も多くて『ハッスル』が嫌な思い出になっている人は多いんですけどね」って言っても、「私は嫌な思い出なんか何もないもん。全てがみんないい思い出」って、いろいろあった人生なのに言っていて。結構アップダウンが激しい人なので、この取材の時期はかなりアッパーで。「私は誰も嫌いじゃないんです」みたいなモードだったんです。

(玉袋筋太郎)ほー! ねえ。

(吉田豪)で、泰葉さんが戦いが好きな原点っていうのもありまして。それは子供の頃に革命家に憧れたのがきっかけで。

(玉袋筋太郎)革命家?

(吉田豪)ちょうど子供の頃に赤軍派とか学生運動が盛り上がっていて。革命で世の中を変えるぞ!」というそういう闘魂みたいなものが好きになって。泰葉さん自身、リーダーシップを取るタイプで学生時代は生徒会の役員とか副会長をかならずやっていて。まずマルクス、レーニンをバーッと読んだりして理論武装もしていたという。

(玉袋筋太郎)はー! すごいね!

(吉田豪)そっち、アカです(笑)。

(玉袋筋太郎)アカだね!

(吉田豪)本気で革命を目指す側だったというね。

(玉袋筋太郎)ねえ! そういうことなんだ。やっぱり美どりさんとは違うんだろうね。全然違うんだろうね。わかる、わかる。

(吉田豪)わかる(笑)。

(安東弘樹)そうですね。峰さんからの話でもわかります。さあ、そしていまのとつながりますけども、言いたいことしか言わない正直者で歌手活動の壁になったのがTK。これは?

(吉田豪)泰葉さん、6才の頃から日本舞踊とかピアノとかバレエとかいろいろと習っていて。お父さんの初代三平さんに強くすすめられて音楽もやっていた。

(玉袋筋太郎)言ってみりゃあ英才教育だね。

(吉田豪)で、厳しいレッスンの数々を乗り越えて歌手デビューにも至るわけですけども。最初はレッスンも厳しいし、デビューに向けてのダイエットも大変だったみたいな記事も昔、あったんでそれを聞いたら、「いや、私は本当についているんです。当時、八神純子さんとか小坂明子さんとか、ピアノの弾き語りが流行り始めた頃で。当時の事務所のみなさんが『太っているからピアノを弾いて体を隠せ』って言って、それでセーフになった」っていう(笑)。



(玉袋筋太郎)おおーっ!

(安東弘樹)セーフになった。「隠れるからいいよ」っていう?

(吉田豪)そうです(笑)。それで痩せないでいいやっていう。次の年の東京音楽祭世界大会で銀賞を取って。それでいろいろと、バラエティー的な方向にも進んだりとか。

(玉袋筋太郎)そうだよ。シュガーと一緒にやっていたもんね。土曜日の夕方、番組。泰葉さんとバラエティー(『シュガー・泰葉の歌謡最前線』)やっていたよ。5時15分ぐらい。

(吉田豪)『おはようスタジオ』とかね。

(玉袋筋太郎)そうそう。それもやっているし。

(吉田豪)パートナー的な位置でかなり活躍されていて。っていうか、雑誌の対談記事とかもいろいろあって、いま読むとすごいんですよ。ミュージシャンとの対談連載。デビューしたばかりのシンガーソングライターということで、起用されているんですけど、本当に言いたいことしか言ってないんですよ。記事を読んで引くレベルの。YMO当時の高橋幸宏さんとの対談ではずーっとテクノがいかに嫌いなのかっていう話をしているんですよ。「あんな人間味のない音楽は私は全く好きじゃない」とか。

(玉袋筋太郎)フハハハハハッ!

いま読むとすごいミュージシャンとの対談連載

(吉田豪)「あなたは何が好きでそんなのをやっているですか?」みたいな感じとか。どんなゲストが来ても基本第一声は「あなたの音楽をよく知らないんです」から始まるっていう(笑)。

(玉袋筋太郎)すごいなー! 「どうもすいません」どころじゃないよ!

(吉田豪)フフフ(笑)。言わないですから。

(玉袋筋太郎)言わない。「どうもすいません」は言わない。

(吉田豪)さらに松任谷由実さんに対して「ユーミンさん、なんで口パクなんですか?」って聞いたりとか。

(玉袋筋太郎)ひえーっ! 怖え!

(吉田豪)まあ本人いわく「嘘をつかない」っていうね。それだけ正直に言ってもなんとかなるタイプの人で。本人いわく「結構みんな面白がってくれて、本気で怒った人は誰もいない」という。

(玉袋筋太郎)まあこれはやっぱり背後にね、お父様の三平師匠の偉大さがあったということも……まあ、亡くなった後もでも、まだあったっていうことだね。

(安東弘樹)ゼロではないでしょうね。

(吉田豪)「幸宏さんとの対談で引いたんです」って言ったら、幸宏さんがやっぱりお父さんのファンで……とかもあったみたいですね。落語好きも意外と多いから。

(玉袋筋太郎)ああ、そうだ。幸宏さん、大好きだ。それで言えちゃう……すげー! 手をつけられねえな、こりゃ!

(吉田豪)あと、意外に知られていないのが、『YAHHOO!!』っていう1986年発売のアルバムがあるんですけど、それに『ChanceはCuteにGood-bye』っていう曲をいとうせいこうさんが書いていて。ラップなんですよ。

(玉袋筋太郎)ええっ?

(吉田豪)で、当時「ラップは絶対に全世界的にすごいことになる」って直感が働いたらしくて、ラップをやりたくて本人がお願いしたという。

(玉袋筋太郎)おおーっ!

(安東弘樹)当時、まだラップがそんなに市民権を得ていない……。

(吉田豪)86年ってラン・DMCが出たぐらいですよ。

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(玉袋筋太郎)そうか! その時期に……早え!

(安東弘樹)しかも『YAHHOO!!』が「Yahoo!」に見えますよね。

テレビではじめてラップをやったのは泰葉

(吉田豪)「H」が1個多いだけで。で、『いいとも!』に呼ばれた時に「友達の輪」をラップでやったこともあって。中村勘三郎さんが生前、「日本ではじめてテレビでラップをやったのは泰葉だよ」って言っていたという。

(玉袋筋太郎)へー!

(吉田豪)で、テレフォンショッキングといえば実は、これは意外と有名な伝説も残していて。当時、まだゲストが自分で電話をかけていた時代で、泰葉さんがしばたはつみさんに電話をかけて。「もしもし、はつみさんですか?」って言ったらどうも声が違う。知らない素人の方の家にかけちゃって、で、タモさんにかわって「明日も来てくれるかな?」「いいとも!」ってなって、テレフォンショッキングで素人コーナーが3日続いた伝説っていうのがあって。あれ、きっかけは泰葉さんなんですよね。

(玉袋筋太郎)ああ、そうだったんだ!

(吉田豪)泰葉さんがやらかしたせいで。

(安東弘樹)じゃあ、たまたま間違えたんでしょうね。電話番号を。

(吉田豪)で、3日目の時に友達につながらなくなって、それで終わったんですけどっていう。

(玉袋筋太郎)だからある意味ガチだったのかな?

(吉田豪)ガチだったんですよね。だから当時、ガチだから僕が大好きなエピソードが、和田アキ子さんがガッツ石松さんに電話をかけたら、なんだかわからないから「この前借りた裏ビデオさ……」っていう話が始まって(笑)。

(安東弘樹)アハハハハハッ!

(玉袋筋太郎)さすがだなー! 幻の右ですな、本当に。幻の右、出たな! ねえ。

(安東弘樹)そうか。それも天然だったんですね。

(玉袋筋太郎)でもやっぱり、売れていたよね? 泰葉さんね。

(吉田豪)そうなんですよ。ちゃんと売れていて、ヒット曲もあった人が歌手として壁にぶつかったのが小室哲哉さんだったらしいんですよ。小室さんが台頭してきた時にちょうど、学園祭の女王の元祖の感じだったんですよ。泰葉さんが。で、学園祭で渡辺美里さんが自分の前座に出たことがあって。その時に『My Revolution』を聞いて「これはもうダメだ。私のいる場所はない。すぐに結婚しなきゃ」と思って。「私の大好きな『革命』をテーマにしてこんな曲を歌っている人がいる」っていうことで。

(安東弘樹)『My Revolution』!

(吉田豪)「もうダメだと思った」って。それで結婚に急ぎ始めるという。

(玉袋筋太郎)なるほどね。

(安東弘樹)自分の前座の人のを聞いて、そう思ったんですよね。

(吉田豪)で、結婚に急ぎすぎたせいかちょっとした問題が起きるという……。

(安東弘樹)じゃあ、その話に。出会って3回目のデートで結婚した元夫、春風亭小朝さん。

(玉袋筋太郎)「金髪豚野郎」でおなじみの。

春風亭小朝との結婚生活

(吉田豪)はい。小室さんの音楽を聞いて「もう私には居場所はない。すぐに結婚しなきゃ」と思っていたところで小朝さんが登場。出会って3回のデートで結婚したというのは有名な話で、泰葉さんによると「本当にすごい人生、楽しい」っていう感じで。本当にいろいろあったのにポジティブに言っていて。

(玉袋筋太郎)でも小朝さんってこの人と付き合っていたんじゃねえの?(筆談)。

(吉田豪)ありましたよね。はいはい。女優さんですよね。

(玉袋筋太郎)そうそう。なんで俺がまたラジオで筆談してるんだろう。そうそう。あったよね。だけど、3回目で結婚しちゃうのかー。

(吉田豪)これも僕の大好きな話が、3回しかデートしてないうちの1回。2回目のデートの時に映画『悪魔の毒々モンスター』を見に行ったっていう……最高じゃないですか。

(玉袋筋太郎)フフフ(笑)。トロマ映画ね。

(吉田豪)映画のセンス、実はいいんですよ。

(玉袋筋太郎)そうだよ! すっごいよ、『毒々モンスター』行っちゃったんだ。

(吉田豪)これは林家しん平さんから面白いってすすめられたというね。しん平さんっていうのはプロレス・特撮マニアでおなじみ。そして桂木文さんと半年で離婚したことでおなじみ。そして桂木文さん側の離婚会見に海老名香葉子さんが同席して彼女の性的な欠陥とかを叩くっていう。で、本人は横で泣くだけっていう明らかに何か異常なことが起きている……「おかみさん、ちょっと怖いぞ?」っていう事件があったんですけども。

(玉袋筋太郎)あったねー! もう激写文庫で散々お世話になったんだよな! まあ、ある意味『翔んだカップル』だったってことだな!

(吉田豪)そうです。そんな小朝さんが林家一門に楯突いたことがあったらしいんですよ。婚約中の泰葉さんを人質みたいにして家に帰さなくなっちゃった。で、「根岸の三平の娘になにやってんだ!」ってお弟子さんたちが怒って。そしたら峰竜太さんが「じゃあ、僕がやります」って立ち上がって小朝さんをボコボコにしたという。

(玉袋筋太郎)おおっ!

(安東弘樹)えっ、そうなんですか?

(吉田豪)当時のことを泰葉さんが言うには、家族同士で権力争いに巻き込まれた感じで、峰さんも被害者みたいな感じで。海老名美どりさんとの姉妹仲も「いろいろと噂はされていたけど、お姉さんとはすごく仲がいい」と本人は言ってらっしゃって。インタビューの時も「峰さんは立派な人」って言っていましたね。

(安東弘樹)そこはまあ、誰も異論はございません。

(吉田豪)フハハハハハッ!

(安東弘樹)誰も異論はないです。本当に峰さんは素晴らしい人。

(吉田豪)しょっちゅう言ってますもんね。泰葉さんも。「『アッコにおまかせ!』ってあれは『竜太におまかせ!』だ」っていう。

(玉袋筋太郎)それを泰葉さんが言ってるんだよね。でもまあ、離婚するわけだよね。小朝師匠とはね。

(吉田豪)2007年に離婚をされて。「当時は原因がわからないまま別れようと思った」っていう。本人がわかっていなかったらしいんですよ。「部屋が汚いから嫌なのか、トイレにソープランドの本が40冊以上置いてあるから嫌なのか、自分でもわからないけどもうダメってなっていた」という。ただ、もともと結婚をする時に「浮気や風俗を認める」って言っていた人なんで、そんなことで別れるわけもないという。で、当時の離婚記者会見でリポーターの梨元勝さんだけが離婚の理由を「泰葉さん、DVでしょう?」って聞いて。でも、泰葉さんは理解をしていなかったらしいんですよ。当時、DVっていう言葉を知らなくて。

(玉袋筋太郎)ああ、わかんなかったんだ。

(安東弘樹)本当に言葉を理解していなかったんですね。

(吉田豪)「AV」だと思って、「AVはたしかに師匠、好きですけど。AVでは離婚はしませんよ」みたいな感じで答えちゃっていたっていう(笑)。

(安東弘樹)どんな天然ですか!

(吉田豪)で、記者会見では有名なあの「『離婚』とかけて謎掛けを」と記者に言われて小朝師匠が「できません」と言って、泰葉さんだけアドリブで「『今日の会見』とかけまして『小朝師匠』ととく。その心は『小朝(怖さ)知らず』」という、あれが出た。

(玉袋筋太郎)でも、すごいじゃない! 「小朝知らず」か。ねえ。

(吉田豪)ところが、これで離婚しても体調がずっとおかしいし、仕事をする気にもならない。10年ぐらいずっと大変な思いをしてきて。ただのおかしな人みたいな扱いになっていたけども、そもそも自分で病気だと気づいていなかったらしいんですね。泰葉さんいわく「とにかく死にたい、消えたいっていう気持ちで、思い出しただけで震えるぐらい。あれが人生はじまっていちばんの試練だった」という。つまり、ずっと鬱みたいな状態。本人いわく病名は「PTSDによる鬱状態」って言われてまして。原因は小朝師匠の結婚生活、暴力行為とSMという。

(玉袋筋太郎)うん。

(吉田豪)それをただ、立川談志師匠がこの頃に間に入ってきて。談志師匠もSMは好きなんで、SMの魅力をずーっと泰葉さんに説くっていう……(笑)。

(玉袋筋太郎)フハハハハハッ!

(吉田豪)「SMも悪いもんじゃないんだぞ」っていう(笑)。

(玉袋筋太郎)「業の肯定」だ!

(吉田豪)ダハハハハハッ! SMも(笑)。いい話なんですよ。

(玉袋筋太郎)いや、これは大変だよね。でもね。

(吉田豪)結婚している間はただ、そこまでひどい症状はなかったらしいんですよ。「当時はそれが当たり前みたいに思い込んじゃっていたんですか?」って聞いたら、「楽しいからわからなかった。落語の方に没頭しちゃって。大銀座落語祭を主催したり、弟の林家正蔵襲名披露をプロデュースして16万人集めたり」って。

(玉袋筋太郎)すごいじゃん、プロデューサーとして。

(吉田豪)泰葉さんいわく、「芸人は『人間・動物・芸人』っていうカテゴリーにわけられるぐらい、一種の変態。受け止めて当然と思っていた。そういう暴力行為が犯罪とはちょっとわからなかった。でもいまは自分と会っている薬を見つけて、もう元気。いまは私の方が小朝師匠よりも話、上手いでしょう?」っていう感じでノリノリでしたね。

(玉袋筋太郎)おおーっ! そうか!

(安東弘樹)なんか深いな。

(吉田豪)で、気になっていた明石家さんまさんとの関係も聞いてみたんですよ。そしたら、「デートしよう」って誘われて電話番号を書いた紙をもらったけど、彼女が何百人いるかわからないような状態の頃だったから、結局電話してもすれ違いでデートは実現しなくて。さんまさんからも聞かれたらしいんですよ。「やってないよね?」みたいな。「やってません!」っていう(笑)。泰葉さんは身持ちはすごい固いけど、彼氏はいっぱいいたという。「きちんとお付き合いした数が多いだけで、かならず付き合った人とは結婚すると思ってそういう男女の行為をしていた。だから浮気は1回ぐらいしかしていない」っていう。

(玉袋筋太郎)1回はしてるんだ(笑)。

(安東弘樹)どこまでも正直な人ですね。

(吉田豪)正直な人。言わないでいいのに……っていう(笑)。

(玉袋筋太郎)で、なに? 2人でブチ切れた。ラジオ番組史上に残る伝説のエコーズ事件。

伝説のエコーズ事件

(吉田豪)はい。大好きな事件ですけども。泰葉さんはやしきたかじんさんとラジオをやっていて。ご本人も「一生の宝」と話しているんですよね。「私のこのトークの技術が開花したのもたかじんさんのおかげ」という。当時からたかじんさんはあのままだったせいで、ゲストがどんな相手でも気にせずに暴れていた。伝説のエコーズ事件の時も一緒にいたという。泰葉さんいわく、「2人でブチ切れた」っていうことで。

(玉袋筋太郎)おうおう。

(吉田豪)そのエコーズ事件っていうのは歌手の辻仁成が昔やっていたバンド、エコーズがたかじんさんのラジオ番組に生出演。たかじんさんを怒らせて番組が中断したという事件がありまして。

(玉袋筋太郎)何をやったんだろう?

(吉田豪)その時のことを泰葉さんに聞いたら、「私が最初にブチ切れたんですよ」という。何を聞いても、ちゃんと答えなかったらしいんですよね。ロックバンドを気取った感じで。

(玉袋筋太郎)ああ、わかるわかる。うん。

(吉田豪)で、「質問にはちゃんと答えろよ!」と思って泰葉さんがブチ切れて、「たかじんさん、やっちゃって!」って言ったという。『キル・ビル』の「やっちまいなー!」みたいな(笑)。

(玉袋筋太郎)「やっちまいなー!」。いいねえ、エコーズに切れた。

(吉田豪)噂に聞いたままだったんですよ。

(玉袋筋太郎)でも俺たちもあったもんな。昔、音楽の番組。名古屋の方で。もうムカつくやつらがなんか「ロックでやってやる!」みたいな感じで。バンドのナントカっていうね。まあ、いたんだよ。もうムカついてさ。「バカヤロー! お前、こっちの行き方の方がロックだ!」って思ったんだけど。言わなかったよ、その時は。大人だからね。

(吉田豪)うん。泰葉さんは素直に言っちゃうという(笑)。

(玉袋筋太郎)じゃあ俺もミッシェル・ガン・エレファントに言えばよかったな!

(吉田豪)ダハハハハハッ! ミッシェルだった? ちょっと気持ちわかります。悪い人じゃないんですけど、僕も昔インタビューした時に、ロックが好きなのはわかるんですけど、会話が下手なんですよ。インタビューにあまり不向きな感じで。すごい困りました。

(玉袋筋太郎)うん。

(安東弘樹)豪さんが「不向き」ってはじめて聞きましたよ。

(吉田豪)フハハハハハッ!

(安東弘樹)このプロインタビュアーが「不向き」って……。

(玉袋筋太郎)俺も不向きだったんだから。

(吉田豪)『ロンドンナイト』っていうDJイベントがあって、それの特集で出てくれっていうことで行ったんですけど、そんなに『ロンドンナイト』のことを知らないんですよ(笑)。

(玉袋筋太郎)フハハハハハッ!

(吉田豪)「好きだよ」ぐらいで「行ったことがある」ぐらいの。「ええっ?」っていう(笑)。

(玉袋筋太郎)まさか、泰葉さんからのミッシェル・ガン・エレファントに、チバに飛ぶとは思わかなかったよ。

(吉田豪)フフフ(笑)。で、泰葉さんが「やっちまいなー!」って言った時、それまで普通にライブとトークをしていたんですけど、ライブステージの後ろが楽屋になっていて、怒ったたかじんさんが「お前ら、ちょっとここ入れ。泰葉、つないでろ!」ってなって泰葉さんは「みなさん、始まっちゃいましたねー」とか。お客さんがいたんですよ。お客さんが見に来ていて。

(安東弘樹)いたんだ(笑)。

(吉田豪)そしたら楽屋からはドカン!って音がして「おんどりゃー!」「ギャーッ!」みたいになっていて、ステージ側では泰葉さんが「みんな、やってるね。イエーイ!」とか、そんな感じだったらしいんですよ。呑気な。そういうことが結構あったらしくて。打ち合わせの時も気に入らないと「やっちゃう?」とか言っていたらしくて。「赤い鳥っていうフォークグループや憂歌団とも仲が悪かった。でも、エコーズが最低だった」っていう。

(玉袋筋太郎)なるほど。

(吉田豪)で、たかじんさんが亡くなった後、辻仁成から「すみません」という手紙が……番組で謝罪の手紙を出していたという。

(玉袋筋太郎)そうなんだ。

(吉田豪)これ、いい話が、この話を僕が好きで結構いろいろと研究していたら、同じ収録の日にカブキロックスも出ていたらしくて、氏神一番さんがこの模様を見ていたっていう(笑)。

(玉袋筋太郎)フハハハハハッ! 最高だよ!

(吉田豪)最高(笑)。

(玉袋筋太郎)いいオチつけるね!

(吉田豪)「シャレにならない……」って思ったという(笑)。

(玉袋筋太郎)おもしれーわ、いたんだ。『お江戸-O・EDO-』が(笑)。

(吉田豪)歴史的な瞬間を見て。顔は青ざめても、顔はわからないという(笑)。

(玉袋筋太郎)上手い上手い(笑)。ねえ!

(吉田豪)「たかじんさんと会った瞬間に上手くいくと思いました」って言ってて。MBSラジオのプロデューサーが「泰葉とばっちり合う人がいるから」って紹介をしていて、泰葉さんは「あ、この人だ」ってすぐにわかって。たかじんさんがもう会うなり、「『おんどりゃー、パチ切れたろか!』が挨拶だから、お前もみんなにしろ!」って言われて、わからないまま偉い人にも「パチ切れたろか!」って言っていたらしいんですね。当時(笑)。

(玉袋筋太郎)フハハハハハッ!

(吉田豪)素直な人なんですよ(笑)。

(玉袋筋太郎)「パチ切れたろか」、すごいね(笑)。

(吉田豪)まあこの取材の時はこういうモードだったんで、家族とかも「本当、みんな好きなんですよ」っていう感じだったんで。そしたら、その後のブログの展開がすごかったんですよね。その流れで家族と和解しようと思って、自宅に突然乗り込むというか、お母さんに会いに行ったんですよ。そしたら、呼び鈴を押しても出てこなくて門前払いを食らって。そこからまた家族の溝が深まって。で、この前の襲名騒動のトラブルの時におかみさん批判がどんどん始まったり……みたいな。そこに至り、そして家族絶縁、自己破産というのが現在ですね。

(安東弘樹)これ、インタビュー自体はいつぐらいでしたっけ?

(吉田豪)これが2ヶ月ぐらい前ですかね。

(玉袋筋太郎)ああ、そうなんだ。まあでも、コロコロ変わっていくっていう感じだね。泰葉さんはね。でも男性、イラン人とも婚約中なんでしょ?

(吉田豪)これもね、だってFacebookで出会った人ですからね。

(玉袋筋太郎)すごいよ、出会い系サイトで。

(安東弘樹)でも相手のメィヒディさんがずーっと立って何も言わないみたいなのも印象的ですけども。婚約中ですよね?

(吉田豪)だから、みんなが心配していると思いますよ。「それ、わかります」って本人も言っていましたよ。

(安東弘樹)さあ、いろんな話を今日も、本当に最後の最後までありがとうございました。

(玉袋筋太郎)ありがとう、豪ちゃん。

(安東弘樹)今日、うかがった吉田豪さんのインタビュー、泰葉さんの記事は『実話BUNKA超タブーVol.31』に掲載されています。もっと詳しく知りたい方はぜひ、読んでみてください。

実話BUNKA超タブー vol.31
Posted at 2018.3.31
コアマガジン

(玉袋筋太郎)はい。

(安東弘樹)そして来週からのこの時間は『毒蝮三太夫のミュージックプレゼント』。MPがスタート。『その筋の話』は今日で最終回。月一のお楽しみだった豪さんは私と一緒に卒業ということで。

(玉袋筋太郎)ありがとう。本当にありがとう。もうメーテルの気持ちがわかるね、俺は。

(吉田豪)フフフ(笑)。1人残されて。

(玉袋筋太郎)送り出し、送り出しで。いや、やっぱりいつかね、豪ちゃんには安東弘樹の筋をね。

(吉田豪)もう1回、じっくり掘りたいですよね。

(安東弘樹)1回目はいじっていただいたんですけども。

吉田豪 TBS安東弘樹アナの素顔を語る
吉田豪さんがTBSラジオ『たまむすび』の中で金曜日の新パーソナリティー、安東弘樹アナの知られざる素顔について話していました。 (玉袋筋太郎)さあ、じゃあ今回、豪ちゃん...

(玉袋筋太郎)グイグイ行きたいよね!

(安東弘樹)そこからいろいろと変化もありましたから。

(玉袋筋太郎)まあこれからね、豪ちゃんと同じ立場のフリーになるわけですから。なんか豪ちゃんから一言、アドバイスを。

(吉田豪)フリーは本当に楽しいですよ。自由ですよ。

(安東弘樹)そうですか(笑)。これ、言っていいのかな? 豪さんからのお仕事も。

(吉田豪)オファーが。なんか3人でイベントをやる的な話が。まだ発表はされてないんですけども。

(安東弘樹)そうなんですよ。なんか……様子を探りながら話してますけども。

(玉袋筋太郎)フフフ(笑)。

(吉田豪)そこでタガが外れた安東さんが見れるんじゃないかっていう。だってね、社員時代からタガが外れてましたからね。

(玉袋・安東)フハハハハハッ!

(安東弘樹)この3人でお世話になりましたけど……たしかに外れてましたね。本当にありがとうございました。これからもよろしくお願いします。

(吉田豪)よろしくお願いします!

<書き起こしおわり>

吉田豪 80年代女性アイドルソングを語る

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吉田豪さんがYBS『909 Music Hourz』に出演。絵恋ちゃん、加藤響子さんと80年代女性アイドルソングについて話していました。


(加藤響子)では、吉田豪さん、絵恋ちゃんとともにさっそく日本の女性アイドルソングを振り返っていきましょう。まずはこちらです。

(絵恋ちゃん)80年代アイドル黄金時代!

(加藤響子)まずは80年代です。いまから30年以上前ですよね。私、91年生まれなのでまだこの頃は生まれていないんですが。豪さんはこの時、おいくつぐらいですか?

(吉田豪)僕は70年生まれなんで、物心ついた時がキャンディーズとかピンク・レディーなんですよ。なので、どっぷりですね。

(加藤響子)すでにアイドルに注目されていました?

(吉田豪)注目もなにも、いまも時代の人がたぶん理解できないのって、当時ってバラエティー番組とかで基本、アイドルは歌うものだったんですよ。歌番組以外でもアイドルは常に歌っていたじゃないですか。『8時だョ!全員集合』からなにから、いろんな番組内で歌っていたんで。しかも、いわゆる売れているアイドル以外も歌っていたんですよ。だから、B級アイドルと言われるようなもののいい曲とかも普通にみんな知っているものというか。

(加藤響子)うん。「歌う」っていうところがメインだったという。

(吉田豪)いい時代だったんですよ。本当に。ちゃんと作詞作曲のクレジットも出て、いろんな曲が聞けるわけですよ。大量に、ゴールデンタイムとかで。

(加藤響子)はじめて買ったレコードとかってあります?

(吉田豪)中古とかでいいんだったら松本伊代さんの『TVの国からキラキラ』で。



(加藤響子)はい。

(吉田豪)新品はたしかポピンズっていう吉本興業がはじめて売り出してすぐに失敗したアイドルデュオがいるんですけど、曲はすごくよくてそれとかですね。

(加藤響子)そうなんですか。

(吉田豪)だから意外と引きはよくて。はじめて買ったのも筒美京平だし、レンタルで最初に借りたのが岡田有希子とか原田知世なんですけども。全部やっぱりムーンライダーズのいい曲が入っていたりとかで。作曲勘はいいんですよ。

(加藤響子)へー!

(吉田豪)「いい曲だな」と思って買ったら、それをだんだん掘り下げていくようになって……みたいな感じで。

(加藤響子)そうですか。でもまだこの頃は10代とかですよね?

(吉田豪)そうですね。12、3ぐらい。

(加藤響子)ですよね。その頃にもう結構、CDとかも買われていたんですね。

(吉田豪)まあ、僕の時はまだアナログ時代ですよ。全然。

(加藤響子)そうですか。そんな80年代はソロアイドルが人気を博した時代でした。流れてきましたのは1985年発売、小泉今日子さんの『なんてったってアイドル』ですね。この曲はもう……。



(吉田豪)あれなんですよ。この曲が流れたから言いますけどね、松田聖子から始まるソロアイドルの黄金時代。『ザ・ベストテン』時代というか、あったわけじゃないですか。それを破壊したのが小泉今日子なんですよ。この曲で。

(絵恋ちゃん)破壊?

(加藤響子)ええ?

ソロアイドル黄金時代を破壊した小泉今日子とおニャン子クラブ

(吉田豪)破壊。要は秋元康さんが85年におニャン子クラブとそしてキョンキョンのこの『なんてったってアイドル』。これによってアイドルの幻想をまず壊すわけです。「アイドルなんてこんなもんですよ」っていう、手品のタネを明かすようなことをおニャン子とキョンキョンのこの曲でやったんですよ。それが受けたけども、そのかわりアイドルの幻想が崩れて、この後ぐらいからアイドル冬の時代。まあ、おニャン子バブルを経て、ドーンと沈んでいくことになると僕は認識していて。

宇多丸 アイドル革命戦士・小泉今日子の魅力を語る
宇多丸さんがTBSラジオ『タマフル』の企画、『史上最高のアイドルは誰だ!?評議会 女性アイドル編』で小泉今日子さんを推薦。それまでのアイドルという概念を壊した小泉今日子さんの偉大な...

(加藤響子)いま「破壊」っておっしゃいましたけど、なにを破壊したんですか?

(吉田豪)だから、「アイドルはトイレに行かないもの」みたいな感じだったのを、「全然違うよ」っていう風に歌ったのがまず、これじゃないですか。秋元さんが手の内を明かした。で、おニャン子っていうのはさらにもっと、素人が一切なんのトレーニングも受けないで、歌とかがひどくても全然いいじゃない!っていう感じで。しかもだから、チャートをみんなで面白がってレコードを買って。「これが1位になったら面白いよね?」みたいな悪ふざけにみんなが参加するゲームだったんですよ。おニャン子って。

(加藤響子)へー!

(吉田豪)だから『ベストテン』とかの時代でランキングが絶対視されていた時に、おニャン子が毎回1位になるわけですよ。ところが、『ザ・ベストテン』ってTBSで、『夕やけニャンニャン』ってフジテレビで、最初にちょっとモメた結果、おニャン子がまずTBSに出れなくなっていたんですよ。なのにオリコンチャートは常に1位みたいな、そういう悪ふざけですよ(笑)。

(加藤響子)へー!

(吉田豪)ファンも一緒にふざける。「いやー、また1位にしちゃって!」みたいな感じの。

(加藤響子)そうなんですか!

(吉田豪)ニャンギラスとかああいう「正直ひどい……でも、最高!」みたいな感じでみんな買って面白がってやっていた。ただ、その悪ふざけのダメージが響いてきたっていう感じですかね。



(加藤響子)そんな……悪ふざけだなんて。

(吉田豪)完全に荒れ地になりましたよ(笑)。

(絵恋ちゃん)ポケモンの人気投票で「コイルを1位にしようぜ!」みたいなことですか?

(吉田豪)そんな感じですね。

(加藤響子)コイルね(笑)。でも1回聞いたら忘れられないようなメロディーじゃないですか。こういう、おニャン子クラブとかも。でも、そういう経緯があったんですね。

(吉田豪)ありますね。だから秋元康さんがアイドルの幻想を破壊した後にAKBでもう1回作り直すみたいな感じですね。

(加藤響子)そうなんですね。まあ、テレビのバラエティー番組から誕生したおニャン子クラブ、ものすごい人気だったということですが。じゃあ、このおニャン子クラブの登場がその後のアイドルシーンにも影響を与えていった感じですか?

(吉田豪)そうですね。まあ、いまに至るユニットだの何だのとかの元祖とも言われたりするんですけど、正確にはおニャン子の前に『オールナイトフジ』のオールナイターズっていうのがいまして。あれがグループの卒業&加入&ユニットの元祖で。それの高校生版が『夕やけニャンニャン』で……っていう流れなんですけどね。

(加藤響子)えっ、卒業したり新しいメンバーが入ったりっていうのは、私はモーニング娘。が最初だと思っていました。

(吉田豪)こっちですね。

(加藤響子)そうだったんですか。じゃあ、結構前からあったんですね。

(吉田豪)秋元さんが変えた部分っていうのはいろいろとあると思うんですけど。ただ、秋元さんって「おニャン子の仕掛け人」的に言われているんですけど、実はそうでもないというか。作詞&構成作家として関わってはいるけど、あれって完全にフジテレビの物なんですよ。がっつりフジテレビの物で。でも、秋元さんのイメージが強いじゃないですか。

(加藤響子)はい、強いです。

おニャン子クラブはフジテレビの物

(吉田豪)その後、だから乙女塾とかチェキッ娘では秋元さんをかませない、フジテレビが仕掛けて、そして失敗をしていくっていう流れになっていくんですけど。で、秋元さんはAKBで「テレビ局を最初にかませない」っていうやり方をしたんですよ。要はテレビ局が最初にかむと全部美味しいところを持っていっちゃうから、それ無しで足場を固めてからテレビ局をかませるっていうやり方にしたのがAKBなんですよね。

(加藤響子)へー! いままでそういう方っていらっしゃったんですか?

(吉田豪)だから秋元さんぐらいの力がないと無理ですよね(笑)。

(加藤響子)そうか!

(吉田豪)ちなみに僕はおニャン子も直撃で。最初にアイドルのライブにお金を払っていったのが、たぶんおニャン子ですね。

(絵恋ちゃん)誰が推しだったんですか?

(吉田豪)高井麻巳子という秋元さんの奥さんです!

(絵恋ちゃん)ええーっ!

(吉田豪)はい。奥さんを推してました! なので、秋元さんにはじめて会った時にはその恨み言をいいました(笑)。そしたら「よく言われる」って言っていましたね。僕の仲のいいライムスターの宇多丸さんっていうのもはじめて会った時に恨み言をいって。でも後に、元おニャン子の他の方に話を聞くと、「あれ、怒るのは違う」って言っていて。「あれね、麻巳ちゃんから近づいたのよ」って言っていて(笑)。

(加藤・絵恋)ええーっ!

(吉田豪)「ええっ!?」っていう(笑)。

(加藤響子)なおさら、ちょっとショックみたいな(笑)。

(絵恋ちゃん)ショックじゃん。言わなくていいのにね。フフフ(笑)。

(加藤響子)そうかー。まあ、そうですね。豪さん、いろんな方にインタビューされる機会、ありますもんね。

(吉田豪)そうなんですよ。これはインタビューじゃなくて、ちなみにテレビの収録の合間のCMの間にポロッと言った話です(笑)。それを僕が言いふらしているというね(笑)。

(加藤響子)そうなんですね(笑)。まさにアイドルの黄金時代だった80年代ですが、ここで吉田さんが選ぶ80年代の一押しアイドルソングをご紹介いただきます。なんという曲でしょうか?

(吉田豪)80年代アイドルといえば、もちろん松田聖子さんなんですけど。その代表曲のひとつで『チェリーブラッサム』。僕も大好きな曲です。これが、松田聖子さんがリミックスアルバムを出していて。これ、ちょっとジャケが微妙なんであまり知られていないんですけども。参加しているメンバーが意外とちゃんとしていて。FPMの田中さんとかも参加しているんですが、僕の選ぶ『チェリーブラッサム』はダンス☆マンのリミックスで。

seiko remixies
Posted at 2018.3.31
松田聖子
キティMME

(加藤響子)はい。

(吉田豪)つまり、モーニング娘。の黄金期というか、あの頃のアレンジで松田聖子をリミックスしているんですよ。

(加藤響子)なに、それ?

(吉田豪)だから80年代と2000年代がミッシングリンクというか。これ、素晴らしい曲なんでぜひ聞いてほしいです。

(加藤響子)うわー、そうなんですか。松田聖子さん、私も大好きなんですが。このダンス☆マンリミックスは初めて聞きますよ。

(吉田豪)たぶんあまりオンエアーされたことないと思いますよ(笑)。

(加藤響子)そうですか。じゃあ、貴重な曲かもしれませんね。では、聞いていただきましょう。松田聖子さんで『チェリーブラッサム ダンス☆マンRemix』。

松田聖子『チェリーブラッサム ダンス☆マンRemix』


(加藤響子)豪さん一押しの松田聖子さんの『チェリーブラッサム ダンス☆マンRemix』をお聞きいただきました。絵恋ちゃん、どうでした?

(絵恋ちゃん)すっごいモーニング娘。さんでした。

(加藤響子)ですよね(笑)。

(吉田豪)完全にモーニング娘。に生まれ変わっているんですよね。昭和歌謡が。

(絵恋ちゃん)聞いてて楽しかった。

(吉田豪)超いい曲。

(加藤響子)伴奏だけ聞いていたら完全に『ザ ピ~ス!』とか『LOVEマシーン』の感じでしたよね。

(吉田豪)あの頃のモーニング娘。の。「フワフワフワフワ♪」が入るっていう(笑)。

(加藤響子)あそこね! モーニング娘。かと思っちゃいました。

(絵恋ちゃん)ライブ感が。

<書き起こしおわり>

吉田豪 90年代アイドル冬の時代を語る

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吉田豪さんがYBS『909 Music Hourz』に出演。絵恋ちゃん、加藤響子さんと90年代のアイドル冬の時代について話していました。


(加藤響子)さあ、続いては私が生まれました90年代に参ります。90年代のテーマはこちらです。

(絵恋ちゃん)アイドル冬の時代から歌姫の時代。

(加藤響子)はい。「冬の時代」というのはちょっぴり寂しい言葉の響きですけども。

(吉田豪)絵恋ちゃんが「冬」にまでルビを振っていますよ(笑)。

(絵恋ちゃん)いやいや、やめて! 人の台本見ちゃいけないんですよ!

(加藤響子)わかります。私も読み間違えが多いので、振る気持ちすごくわかります。冬の時代。ちょっと寂しい響きですが90年代、アイドルにとってどんな時代だったんでしょう?

(吉田豪)はい。わかりやすく言うと、さっき言ったようにアイドルの幻想が破壊された後に80年代末にバンドブームが来るんです。で、バンドの人たちっていうのはベストテン番組とかに出ない人たちなんで、いわゆるベストテン番組がそこで崩壊するんです。そしてアイドルというものが格好悪い文化になっていくんですよ。それまでは世間一般のものだったじゃないですか。完全に別物になって、いわゆるオタクだけの文化になっていって。だから「アイドル」を名乗るのが恥ずかしいってことで、それまでだったらアイドルとして売り出された人たちが「ガールポップ」っていうジャンルで売り出されたりとか。

(加藤響子)へー!

「アイドル」を名乗るのが恥ずかしい時代

(吉田豪)そういう辛い時代にあるんですけど、僕はこの辛い時代が大好きなんですよ。僕がいちばん元気だった時代ですよ。「冬の時代、最高!」っていう(笑)。

(加藤響子)フフフ(笑)。ガールポップというのはどういう方たちですか?

(吉田豪)永井真理子さんとか、そういう感じですね。

(加藤響子)ああ、永井真理子さん。



(吉田豪)たぶんそれまで、普通だったらアイドルで出ていた人たち、かわいい女性たちは全部こっちの枠に行きましょうっていう。そんな中で、だから乙女塾とかが冬の中、がんばっていたんですけど、いま思うと「冬」って言っても普通にコンサートとかホールでやっているんですよね。全然ちゃんと人気があったんですよ。

(加藤響子)なんでこの頃になると「アイドル」って名乗るのが恥ずかしいってなったんですかね?

(吉田豪)なんなんだろうな。でも、ものすごい逆風でしたよ。で、アイドル雑誌もどんどん休刊していって。

(加藤響子)そんな時代が90年代ですか。

(絵恋ちゃん)バンドがかっこいいからっていうことですか?

(吉田豪)そうですね。で、そのバンドの後はクラブ的な文化がかっこいいってなったりとか。かっこいい基準がどんどん変わっていって、女優さんとかがちょろっと歌うぐらいの時代になっていきますよね。このへんって。

(加藤響子)へー! そんなアイドル冬の時代に現れたのが、今年9月で引退される安室奈美恵さんです。かかってきました、この曲、1995年発売『Chase the Chance』です。



(加藤響子)この頃の安室さんと言いますと、やはり小室哲哉さんプロデュースの楽曲ですよね。

(吉田豪)まあでも僕は本当にスーパーモンキーズは好きでしたけど、その後は別にアイドル的な要素では見ていないんで、全然興味はなく……「かわいいな」ぐらいの(笑)。以上ですね(笑)。

(加藤響子)いやー、安室奈美恵さん。絵恋ちゃんはこの安室さん世代ですか?

(絵恋ちゃん)世代……?

(吉田豪)世代、言っていいんですか?(笑)。

(絵恋ちゃん)でも、もちろん知っていますよ。流行っていましたので(笑)。

(吉田豪)フフフ(笑)。

(加藤響子)その小室さんがアイドル界に与えた影響っていうのはやっぱり大きいんですか?

(吉田豪)これ、また実は僕、小室さんに直接インタビューもして、本人も言っていたんですけど、小室さん自身が実はただの冬の時代のアイドル好きっていうか。TMネットワークで売れた頃に出た写真集とかで小室さんが読んでいる愛読書で書いてあるのが『投稿写真』とか『BOMB』とか、いわゆるアイドル雑誌の名前しか並んでいなくて。好きな女性のタイプとかであげているのも全部いわゆるB級アイドルで。この人、実は小室プロデュースブームって、アイドルをアーティストに作り変えるブームなんですよ。dosの西野妙子さんとかも僕の大好きなアイドルだったんですけど。基本、そうなんですよ。



(加藤響子)ふーん。

(吉田豪)東京パフォーマンスドールでパッとしなかった人をアーティストにしますとか。



(吉田豪)全てそういう……安室奈美恵もやっぱりスーパーモンキーズからなんで。やっぱり小室さんは基本はアイドル好きなんですよ。

吉田豪 小室哲哉のかわいい魅力と知られざる音楽キャリアを語る
吉田豪さんがTBSラジオ『たまむすび』に出演。最近インタビューした小室哲哉さんのあまり知られていない音楽キャリアと、その魅力について話していました。 (赤江珠緒)さあ...

(加藤響子)そうなんですか! イメージないですよね?

(絵恋ちゃん)全然。

(吉田豪)っていう風に小室さん本人にも言ったら、「そうなんです。実は僕のプロデュースの原点というのはアイドルなんですよ」っていう話で。

(加藤響子)そうなんだ。原点になっているんですね。

(吉田豪)ラ・ムーなんですよ。

(加藤響子)ラ・ムー?

(吉田豪)ラ・ムーって、知らないですか?

(加藤響子)知らないです。

(吉田豪)おおう……ラ・ムーっていう、アイドルがアーティストになった原点があるんですよ。菊池桃子が突然、バンドブームだったんで「私はこれからバンドを組みます」って言って。「ええっ?」って、どんなバンドを組むのかと思ったら、全然当時求められていないバンド路線。フュージョンというか、すごい大人な路線で来て。いわゆる大失敗みたいに言われているんですけど、実はアルバムは再評価もされていて。これを見て、小室さんは衝撃を受けたらしいんですよ。「アイドルがこうやってアーティスト的なことをやるの、いいぞ!」っていう。

アイドル・アーティスト化の原点 ラ・ムー



(加藤響子)はー!

(吉田豪)それが小室プロデュースなんです。

(加藤響子)ええっ、知らなかったです。そういう着眼点があったんですか。じゃあ、アイドルっていうよりも、この90年代は歌姫っていう印象の方が強いんですかね?

(吉田豪)そうですね。だから僕はそんなに乗っかってなかったものが売れていた時代ですね。もっと冬の下の方は僕の大好きなものだったんですけど。

(加藤響子)この頃は宇多田ヒカルさんとか倉木麻衣さんとか浜崎あゆみさんなどなど……。

(吉田豪)別枠ですね。SPEEDも別枠ですよ。僕はSPEEDをアイドル枠に入れないルールでやっていますからね。

(加藤響子)そうですよ。90年代に人気を博したといえば、SPEED。ああ、流れてきました。『White Love』。これはもう、小学1年生ぐらいの時にみんなで振り付けを真似していました。



(吉田豪)これ、僕はよく公言している話なんですけども。僕、SPEEDがアイドル界に悪い影響を与えたって思っていて。バラードっていうジャンルっていい曲がいっぱいあるのに、なぜか『White Love』みたいなバラードがアイドルってすごい多いんですよ。

(絵恋ちゃん)ああー、たしかに。似てるかもしれない。

SPEEDがアイドル界に与えた悪影響

(吉田豪)「それ、面白くないよ!」っていうか。もっとバラードのいい曲があるのに、なんかみんなこれになっちゃうんですよ。

(加藤響子)絵恋ちゃんも似てるって思います?

(絵恋ちゃん)似てると思う。こういうの、聞いたことあります。

(吉田豪)直接、「『White Love』みたいに」っていう感じで発注をすることが多いみたいで。それでがっかりすることがすごい多かったんで。

(加藤響子)まあ、いままで来た王道のアイドルとはまた違った印象でしたよね。

(吉田豪)そうですね。だから、やっぱり僕は好きなのはアーティストよりもアイドルなんですよ。

(絵恋ちゃん)SPEEDさんって「かわいい」っていうよりも「かっこいい、クール」みたいなイメージの女性がこの頃、いっぱいいたような。

(吉田豪)子供が「こうなってみたい」みたいな。

(加藤響子)やっぱり憧れていました。そうですよね。

(絵恋ちゃん)かっこいい感じが。ダンスとか。

(加藤響子)そうか。じゃあ、いわゆる王道アイドルとはなかなか見られなかったのがこの90年代だったっていうことですかね?

(吉田豪)そうですね。なので、僕の選曲も当然こっちではないっていうことですよ。

(加藤響子)おおっ、ではそんな豪さんが選びます90年代の一押しアイドルソング、お願いします。

(吉田豪)中嶋美智代さんの『何が足りないの?~お正月編』という、これは説明が相当必要ですよね。中嶋美智代さんっていうのはさっき言った乙女塾のメンバーです。で、正統派アイドルとして出てきて、当時サンミュージック所属で。最後の清純派って呼ばれていて。曲も全部だから清純派っていうか、子供子供しているというか。歌声がヤバいんですよ。

(加藤響子)なになに?

(吉田豪)あの……歌い方とかが明らかにちょっとやりすぎているレベルで、それが大好きなんですよ。僕は実はこの時期、僕はアイドル好きが高じて、僕の師匠のリリー・フランキーさん……仕事をたのんだ時にこういう話で盛り上がったんですよ。冬の時代にアイドル話で意気投合して、一緒にアイドルイベントとか行くようになって。そんな時、リリーさんに僕がすすめられたのが中嶋美智代だったんですよ。

(加藤響子)へー!

(吉田豪)「中嶋美智代はヤバいぞ」って言われて、本当にヤバくて。で、中嶋美智代さんはちなみに最後の清純派って言われていたんですけど、突然ヘアヌード写真集を出して、初体験を告白したりとか、結構ファンに衝撃を与えて……。

(加藤響子)わおっ!

(吉田豪)現在は千葉ロッテマリーンズのサブロー選手と結婚をされていますね。そんな人なんですけど、アイドル時代は本当にヤバいです。そしてこの『何が足りないの?』の歌い方、ちょっと聞いてほしいです。

(加藤響子)わかりました。豪さん一押しの曲、中嶋美智代さんで『何が足りないの?~お正月編』。

中嶋美智代『何が足りないの?~お正月編』

記念日。
Posted at 2018.3.31
中嶋美智代
ポニーキャニオン

(加藤響子)さあ、豪さん一押しの90年代の曲、中嶋美智代さんの『何が足りないの?~お正月編』を聞いていただきました。お二人して「最高!」っていうのを何回連呼するんですか?

(絵恋ちゃん)最高ですね!

(吉田豪)絵恋ちゃんはわかってくれると思いましたよ。

(絵恋ちゃん)いや、もう最高! これですよ!

(吉田豪)理想のアイドルポップ(笑)。

(絵恋ちゃん)これです!

(加藤響子)どのあたりが良かったんでしょうか?

(絵恋ちゃん)舌っ足らずな感じと、音程、ピッチの不安定さと。「これこれ!」っていう。これですね。

(吉田豪)そうなんですよ。全然かっちりと直す必要はないんですよ。わざとああやってずらしていく感じっていうか。

(加藤響子)あれ、わざとやっているんですか?

(吉田豪)絶対に意図的だと思うんですよ。

(加藤響子)ええっ?

(絵恋ちゃん)私、そういうのってハルヒの『恋のミクル伝説』っていう曲があるんですけど。それもわざとすごい音程を外していて、すごい好きなんですけど。それがはじめなのかと思っていました。もっと前から、そういうジャンルがあったんですね。



(吉田豪)アイドルでよく、だから歌を修正しちゃってボーカロイドみたいになっているのがすごいあるんですけど、やめてほしいんですよ、本当に。外れるのがいいのに。

(絵恋ちゃん)意味がわかんないですよね。

(吉田豪)本当、意味がわからない。

(絵恋ちゃん)ミックス、いらないですよ。なんなら。

(加藤響子)ああ、そうなんですか?

(吉田豪)最初からボカロにしろっていう感じですよ。それなら。

(加藤響子)その方がらしさが出るみたいな感じですね。

(吉田豪)こっちは「らしさ」を聞きたいんですよ。

(絵恋ちゃん)声を聞きたいっていう感じですね。

(加藤響子)そんなきれいに歌うことを求めていないよと。

(吉田豪)そうです。

(加藤響子)そうなんですかー。ちなみにこういう歌い方って絵恋ちゃんとかもされるんですか?

(絵恋ちゃん)絵恋も割とこっちな気がしますね。

(吉田豪)ですね。

(加藤響子)へー! そうか。その歌も聞かせてもらいたいんですが……。

<書き起こしおわり>

吉田豪 2000年代グループアイドルの勃興を語る

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吉田豪さんがYBS『909 Music Hourz』に出演。絵恋ちゃん、加藤響子さんと2000年代女性アイドルソングについてトーク。モーニング娘。などをはじめとしたグループアイドルが勃興した時代について話していました。


(加藤響子)今度は2000年代に突入します。これはもうタイムリーな年代ですよね。この年代のテーマはこちらです。

(絵恋ちゃん)「グループアイドルの勃興」。

(加藤響子)「勃興」。勢いが増してきたということですが、歌姫たちの時代から2000年代はいよいよグループアイドルの時代へと変わっていきます。はい、来ました。モーニング娘。の『恋愛レボリューション21』です。この時代といいますと私も周りもみんな大好きでした、モーニング娘。ですよね。



(吉田豪)だって、受けているんですよね? モーニング娘。を(笑)。

(加藤響子)アハハハハハッ! 1回、写真を撮って書類だけだしたら落ちました(笑)。

(吉田豪)5期(笑)。でも、それぐらい本当に世間に届きまくっていたグループじゃないですか。

(加藤響子)そうですよね。

(絵恋ちゃん)クラスに1人ぐらいは受けていた気がしますね。

(吉田豪)はいはい。現役アイドルでも山ほど、受けて落ちていた人いますよ。

(加藤響子)そうなんですか。

(吉田豪)それぐらい大量に受けていたんで。で、ムーブメントとして異常だったんですよ。特に僕の周り、当時僕もハタチすぎて30ぐらいですね。周りにいたサブカル好きとかプロレス好きが全員、モーニング娘。に転んだんですよ。

(加藤響子)へー!

サブカル好きがみんなモーニング娘。に転んだ

杉作J太郎が語る モーニング娘。にハマッたきっかけ
杉作J太郎さんがTBSラジオ『小林悠たまむすび』に出演。玉袋筋太郎さん、小林悠さんと、モーニング娘。にハマッたきっかけについて話していました。 (小林悠)男らしいものが好きな...

(吉田豪)で、転び方も尋常じゃなくて。それこそ、その時に一緒に本を作っていたような人たちがモーニング娘。にハマりすぎて仕事をしなくなるんですよ。あの時期、もう(笑)。ひどいんですよ。

(加藤響子)アハハハハハッ! 本当ですか?

(吉田豪)ただ、本当にちょっと表現をソフトに言いますけども、いろんなプラスというか、僕の周辺にちょっとイリーガルな何かをやっている人がいて。イリーガルな薬物にハマっていた人がモーニング娘。にハマッたことによって「俺、こういうのはいらない」って言い出して(笑)。それぐらいの何かを変える力があったんですよ。

(加藤響子)すごい!

(吉田豪)すごかったですよ。

(加藤響子)「こんなに幸せになれるものがあるのか!」と。

(吉田豪)そうです、そうです。「こっちの方がアッパーになれるわ!」っていう。

(絵恋ちゃん)そうですよね。アイドルってほぼ薬物なんで。

(吉田豪)それぐらい、中毒になります。本当に。

(加藤響子)まあ中毒になるっていうぐらい夢中になっちゃうのはよくわかります。

(吉田豪)ちなみに僕、「リリーさんと一緒にアイドルにハマッた」って言っていたじゃないですか。リリーさんがシャ乱Qのラジオの構成とか、シャ乱Qのコンサートの構成をやっていたんですよ。だからそのラインで実は僕、このへんとも当時からつながりがあって。モーニング娘。のマネージャーの和田さんのコーナーとかがリリーさんとシャ乱Qがやっていたそのラジオにあって。僕は一時期、2ヶ月ぐらいかな? リリーさんのラジオのお手伝いとかをしたことがあって。

(加藤響子)そうなんですか!

(吉田豪)そうなんです。だからシャ乱Qのメンバーとクラブに行ったりとか、キャバクラに行ったりとか実はしているんですよ。

(加藤・絵恋)へー!

(吉田豪)この時期に(笑)。

(加藤響子)なんと! じゃあ、つんくさんとかともお会いしたんですか?

(吉田豪)つんくさんはただ、その時期には会っていなくて。その後ですね。ただ、だからリリーさんから直で聞いていたんですよ。「実はつんくさんは冬の時代のアイドルが大好きで」って。で、そういうようなものをずーっと当時、リリーさんと会うたびにVHSとかで……「見てくださいよ、これ! 南青山少女歌劇団、ヤバいんすよ!」とか、そういうのをやっていた人だったんですよ。

(加藤響子)へー!

(吉田豪)だから、そういうノウハウが実はモーニング娘。には入っているんですよね。

(加藤響子)すごーい! モーニング娘。は本当に大好きで。私は小学校高学年かな? そのぐらいの時に流行っていたんですけど、矢口真里さんが大好きだったんですよ。

(吉田豪)はいはい。僕もです。

(加藤響子)絵恋ちゃんは誰が好きでした?

(絵恋ちゃん)加護さんです。

(吉田豪)加護ちゃん、最高!

(加藤響子)はいはい。かわいいですよね! ミニモニ。とかやっていたじゃないですか。

(絵恋ちゃん)本当に好きで、コンサートにすごい行っていました。

(加藤響子)そうなんですね!

(吉田豪)本当にね、ミニモニ。のメンバーのその後の人生のバラバラさっていったらないですよ。加護ちゃんが大変なことがあった後も僕、何度も仕事をしていますから。

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(加藤響子)あ、そうなんですか。みなさん、いろんな人生、いろんな方向に歩まれていますけども。

(吉田豪)最近、だから加護ちゃんが紆余曲折を経てようやくハロー!の曲を歌えるようになって。クラブとかの営業でタンポポを歌っているんですよ。

(加藤響子)えっ、タンポポを!?

(吉田豪)それを僕、偶然近く、大阪でイベントをやっていて。すごく近くのクラブに出るっていうんで行ったら、結構チャラいクラブで。女子はタダぐらいの感じの……もう、ナンパだけなんですよ。加護ちゃん目当てで来ている人なんて10人、20人いないぐらい。その中に僕は紛れて、加護ちゃんが歌うタンポポを聞いて泣きそうになったりしていましたよ!

(絵恋ちゃん)いや、それは泣いちゃいますよ。号泣ですよ!

(吉田豪)その状況で、いろいろあった加護ちゃんが『恋をしちゃいました!』を歌うんですよ……。



(加藤響子)そうか! 「こーいをしーちゃいましーた♪」って。大好き!

(吉田豪)たまらなかったですよ。

(加藤響子)うわー、なにそれ! 聞きたかったです。

(吉田豪)何度も離婚した加護ちゃんがそれを歌うっていう。「はーっ!」っていう。よかったですよ。

(加藤響子)タンポポとか、懐かしいですよね。あと、○人祭とかありましたよね。

(絵恋ちゃん)3人祭りとか。

(吉田豪)最高です。『チュッ!夏パ~ティ』。



(加藤響子)あと、カラーに分かれているのもありましたよね。

(吉田豪)青色とかね。

(加藤響子)青色セブンとか。赤色とかね。この頃はモーニング娘。がもちろんすごく大人気だったわけですけども、こういうアイドルグループが大ブレイクしたっていうことですよね?

(吉田豪)そうです。モーニング娘。バブルによって「やっぱりアイドル、イケるじゃん!」っていうことで、ローカルアイドルがちょこちょこ出始めたのもこの時期なんですよ。モーニング娘。バブルは大きいです。ただ、モーニング娘。バブルでモーニング娘。のクラブイベントとかも僕の周りが始めて僕もDJで出ていたんですけど、僕はモーニング娘。の曲は流さないでみんなが知らないような曲ばっかり流していました。今日みたいな感じで、チェキッ娘とかを中心に……みたいな(笑)。「お前ら、チェキッ娘もちゃんと聞けよ!」ってやっていたんですよ(笑)。

(加藤響子)アハハハハハッ! そうなんですね。そのハロー!プロジェクト、素敵な曲がたくさんありますけども。

(吉田豪)現在に至るまで。最高ですよ。

(加藤響子)豪さん、おすすめの曲はありますか?

(吉田豪)では、コピンクを。

コピンク『カリーナノッテ』



(吉田豪)これ、ハロー!って言っていいのかどうかわからないんですけど、現在Juice=Juiceの宮本佳林さんがいまして。彼女は松田聖子が大好きで、実はこれ、歌い方とかに松田聖子テイストが入っていて。もともとすごいハロプロエッグ、ハロプロ研修生でスキルの高さが評価されてきていたんですけど、モーニング娘。9期、10期、11期、スマイレージ2期とかオーディションに落ちまくっていて、完全にやる気を失いかけていた時の唯一の希望がこの静岡朝日テレビの企画で誕生したこのコピンクっていうキャラクターの歌を歌えていたことっていうね。



(加藤響子)キャラクターの役になりきって?

(吉田豪)声優プラス歌を出していて。で、彼女が2013年のコピンク卒業イベントっていうのを静岡でやったんですけど。それが僕が人生初の仕事抜きの遠征ですよ。

(加藤響子)ふーん! じゃあ、思い入れは相当強いですね。

(吉田豪)相当強いです。素晴らしい歌だし。大好きですね。こういう感じでハロー!ってつんくさん以外でもいい曲がいろいろあって。これもつんくさん外なんですけど。僕はそういうのを表に出したくて実はハロープロジェクトのコンピレーション・アルバムの企画を出して、僕が1枚作ったりしていますよ。それに入っているのはほぼ、つんく外の曲ですね。つんくさんの曲も大好きなんですけど、それ以外にも最高な曲が山ほどあります!っていう。

吉田豪選曲 ハロプロコンピレーション

ハロー!プロジェクトの全曲から集めちゃいました! Vol.2 吉田豪編
Posted at 2018.4.2
モーニング娘。, 後藤真希, 田中れいな, 道重さゆみ
吉田豪 タワーレコード限定ハロプロコンピ特集書き起こし
吉田豪さんがbay fm『with you』の中で、自身が選曲したハロー!プロジェクトのコンピレーションアルバムについて紹介していました。 (松本ともこ)では、このコ...

(加藤響子)へー! そうか。宮本佳林さんがオーディションをいままで受けていたけどもたくさん落ちて……ということでしたが。やっぱりこういう、いろんな方がいろんなオーディションをたくさん受けているんですか?

(吉田豪)事務所内で落ちて、希望を失って……みたいな話もいっぱいあるんですが、ハロプロ研修生。いまもあるシステムなんですけど、プロじゃないから卒業の発表がないんですよ。知らない間にホームページからいなくなっているんです。

(加藤響子)ええっ! なにそれ?

(絵恋ちゃん)そうなんだ!

(吉田豪)そう。

(加藤響子)怖くないですか?

(吉田豪)怖いんですよ。「あの子がいなくなっている!」みたいな。

(絵恋ちゃん)ヲタは大変ですね。

(吉田豪)そう。だからみんななんとなく察知したり、みたいな。だから、ハラハラするんです。何度も落ちまくって心を折れていたら、いついなくなるかわからない。コピンクがあったおかげでやり続けて、現在Juice=Juiceに至るっていう流れなんですよ。

(加藤響子)本人も知らされていないっていうことなの?

(吉田豪)なかなかギリまで知らされないですよね。だから……大変ですよ。

(絵恋ちゃん)怖い。

(加藤響子)結構シビアな世界ですね。そうかー。まあそんなハロー!プロジェクト、モーニング娘。に続いて、2007年にはまた新しいタイプのグループアイドルが大ブレイクしますね。Perfumeです。『ポリリズム』、2007年発売の曲です。豪さん、Perfumeさんもブレイク前から応援されていたと聞いてますが。



(吉田豪)もちろんですよ。大好きで。Perfumeって2007年に大ブレイクするまで、実は期間が結構ありまして。もともとはパッパラー河合プロデュースの広島のローカルアイドルだったんですよね。それで2枚出して上京してきて、上京した後も実は長いんですよ。アミューズのBEE-HIVEっていうプロジェクトがあったんですよ。これはBOYSTYLEっていうコレクターズの曲でシングルデビューしたグループ。あとBuzyとか、そういう人たちと女子寮で共同生活を送って、その模様を24時間ネット中継されるっていうものすごいハードな仕事をしていたんですよ。

(加藤響子)なにそれ!? もう本当に生活に密着みたいな?



(吉田豪)あの……だから夜中、僕もたまに見ているとちょこちょこ通りかかったりとかしているとか。「これ、なにが楽しいんだろう?」みたいな(笑)。その時期に僕、インタビューとかをしていて。だから「聞いてください! 寮が三畳ぐらいから四畳半になったんです!」みたいな。「いままでは両方の壁に両手がついて、そのままジャッキー・チェンみたいに登れるぐらいだったのが、つかなくなったんですよ!」みたいな。みんな二段ベッドで、自分のスペースがベッドの上しかないみたいな感じで。

(加藤響子)ええーっ!

(吉田豪)僕が取材した時って、ちょうどいまもやっていますけど、CDのサイズを1/3にするソフトケースがありまして、こうやって入れ替えているんですよ。それを見て、目を見開いて。「なんですか、それ!? ええっ、CDのスペースが1/3なるんですか、すごい! 買わないと!」みたいな。それぐらにスペースもない時代っていう(笑)。


(加藤響子)そんなにスペースがなかったんですね! CDの厚さまで。

(吉田豪)その頃、僕がインタビューした時にいちばん印象的で僕がよく言いふらしているエピソードがありまして。その中田ヤスタカプロデュースになって、全然売れない時期が長かったから、「正直違うジャンルをやりたい。バラードとか歌いたい」って言っていたんですよ。それを僕が止めたんです。「違います! こっちにいけば、絶対にいいことがありますよ。中田ヤスタカで行ってください!」っていう。

(加藤響子)えっ? じゃあもう豪さんがいまのPerfumeの道に導いたみたいな?

(吉田豪)導いたかどうかはわからないですけど、本人たちは相当迷っていたっていう。

(加藤響子)へー! でもPerfumeさんで調べると、いまの感じと全然違うテイストで。

(吉田豪)そうですよ。最初はどアイドルです。で、中田ヤスタカ初期もピコピコしたすごいかわいいテクノポップ期で、僕がいちばん好きなのもその時代なんですよ。

(加藤響子)ふーん! そうか。2000年代、いろんな形のアイドルグループが現れ始めましたが。ではここで、2000年代の豪さん一押しアイドルソングをご紹介いただきましょう。

(吉田豪)はい。秋山奈々さんの『わかってくれるともだちはひとりだっていい』です。

(加藤響子)すいません。秋山奈々さん?

(吉田豪)はい。『仮面ライダー響鬼』とかに出ていたことで知られる人なんですが。音楽活動は素晴らしかったんですが、結構早々に結婚引退しちゃった人なんですけど。デビューシングルは本当に奇跡の出来でして。ちょっと説明が長くなりますけど、小西康陽さんがちょうどこの時期に再発したことで再評価された樋口康雄さん。「ピコ」っていう人がいまして。その人が提供したオリジナル曲がこれで。当時、彼女が中学時代のいじめ体験をモチーフにしていて。まず、歌詞が重い。曲はすごくいい。カップリングはそのピコさんのかつて出した名盤のカバーっていう素晴らしい作品。

わかってくれるともだちはひとりだっていい
Posted at 2018.4.2
秋山奈々, 上田知華, 寺田鉄生, なかにし礼, 樋口康雄
ビクターエンタテインメント

(吉田豪)その後もマニアックな「なんでこれをカバーするの?」みたいな曲をカバーしたりしながら、音楽的にはよかったんですけども。ただ、時期が早かったんですね。まだアイドルバブル前だったんで、そんなに人気も出ないまま……ただ、この時期に僕はミュージックマガジンっていう雑誌で彼女のインタビューをたのまれて。

(加藤響子)はい。

(吉田豪)そしたら、素晴らしいから僕がそうやって絶賛してインタビューしているのに、別のページでは彼女のことをボロクソに書いていて。それで僕がはじめて雑誌に抗議したんですよ。だってああいうインタビューって広告を入れてやるわけじゃないですか。で、僕はいいと思ってインタビューして絶賛して、別のページでは酷評ってなにこれ?っていう。僕は「あなたたちの『アイドルだったら全部批判していい』っていうそのノリが気に入らない。アイドルは8割、曲はクソかもしれないですけど2割は素晴らしいのがあるんですよ! それを探して褒めるのがあんたたちの仕事でしょ?」って言って送ったら、「じゃあ吉田さん、連載してください」ってなっていまに至る僕の新譜紹介連載が始まったんですよ。そのきっかけになった人です(笑)。

(加藤響子)すごーい! そういうのがきっかけでね。そうか、わかりました。では、秋山奈々さんで『わかってくれるともだちはひとりだっていい』。

秋山奈々『わかってくれるともだちはひとりだっていい』



(加藤響子)お聞きいただいたのが秋山奈々さんで『わかってくれるともだちはひとりだっていい』。絵恋ちゃん、いかがでした?

(絵恋ちゃん)なんか爽やかなのにテーマがいじめってすごいなって思いました。

(加藤響子)全然暗くなかったですよね。

(吉田豪)そうですよね。

(絵恋ちゃん)いい曲でしたね。

(加藤響子)そうですね。歌詞をよく聞くと、たしかにそういう内容なのかなって思いましたけども。

(吉田豪)本当にこの取材とかで名盤を出した人たちにサインをもらうっていうのをやっていて。秋山奈々とかTomato n’Pineのファーストとか。

(加藤響子)わー、すっごい!

(吉田豪)最高ですよ。また歌ってほしいんですけどね。秋山奈々さん。いまはコスプレイヤーになってコスプレ活動しかしていないんで。

(加藤響子)あ、コスプレ活動をされているんですか?

(吉田豪)そうです。お子さんが2人いて。

(加藤響子)へー! そうなんですね!

(吉田豪)美貌は全く衰えてないっていう。

(加藤響子)すごいですね。

(中略)

(加藤響子)さあ、次はいよいよ2010年代。つまり現代のアイドルソングに入っていくわけなんですが、その前に豪さんご自身のアイドル観を踏まえた1曲を選んでいただきました。どんな曲ですか?

(吉田豪)はい。Perfumeの『おいしいレシピ』です。

(加藤響子)どんな曲でしょう?

(吉田豪)Perfumeがさっき言ったようにパッパラー河合プロデュースの広島のローカルアイドルが突然路線が変わったのがこの曲なんですよ。さっき言ったそのBEE-HIVEっていう寮住まいだった時にその寮住まいの人たちでコンピレーション・アルバムを出していて。それに収録されていた曲。これが最初の中田ヤスタカとのタッグ。で、この後に超名盤の『スウィートドーナッツ』っていう曲が03年8月に出て。



(加藤響子)はい。

(吉田豪)その前の03年5月に出たコンピの曲ですね。最初から完成されています。素晴らしい曲。

(加藤響子)そんなPerfumeの『おいしいレシピ』をお聞きいただきます。

Perfume『おいしいレシピ』



(加藤響子)このPerfumeの『おいしいレシピ』、とってもリズミカルな曲でしたね。

(吉田豪)本当にこの作詞が木の子っていう人がやっていた時代のテクノポップ路線の頃が僕は本当に大好きで。理想的なアイドル。

(加藤響子)えっ、いまのPerfumeもテクノポップじゃないんですか?

(吉田豪)もっとクラブですよね。クラブミュージックになっていて。フロア対応なおしゃれな感じになって、作詞も中田ヤスタカさんがやるようになって。この頃のかわいい、でもちょっと病んだ感じっていうのが理想的だったんですよ。

(加藤響子)へー。ちょっとピコピコした感じでしたね。

(吉田豪)そうです、そうです。

<書き起こしおわり>

吉田豪 2010年代アイドル戦国時代を語る

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吉田豪さんがYBS『909 Music Hourz』に出演。絵恋ちゃん、加藤響子さんと2010年代女性アイドルソングについてトーク。AKB48がブレイクし、そこにももクロなどがガチで仕掛けていたアイドル戦国時代について話していました。

行くぜっ!怪盗少女

(加藤響子)じゃあ、続いていよいよ2010年代に入ります。この時代のテーマはこちらです。

(絵恋ちゃん)「アイドル戦国時代 その栄枯盛衰」!

(加藤響子)はい。流れてきたのはAKB48の『会いたかった』です。AKBがブレイクしたのが2009年頃ですが、絵恋ちゃんがアイドルデビューしたのもこの頃なんですよね?



(絵恋ちゃん)そう……らしいですね。

(吉田豪)らしい?

(絵恋ちゃん)全然わかんないんですけども。いつデビューしたのか(笑)。

(加藤響子)アイドルの前は?

(絵恋ちゃん)メイドカフェでメイドをやっていました。

(加藤響子)メイドカフェで? ああ、そうなんですか。

(吉田豪)その頃はメイドバブルでもありますよね。メイドがCDを出したりとか。『完全メイド宣言』だのなんだの。



(絵恋ちゃん)メイドをやらなかったら地下アイドルっていう文化を知らなかったです。絵恋。

(加藤響子)そうだったんですか。

(絵恋ちゃん)ライブをやっている子とかもメイドで働いていたので。「そういうのがあるんだ」みたいな感じで。

(加藤響子)そのあたりで地下アイドルを知ったんですね。アイドル戦国時代っていうフレーズはもうすっかりメディアに浸透していますけども。豪さん、これムーブメントはどういう風に起こっていったんですか?

(吉田豪)これ、実はアイドル戦国時代についていちばん調べているのが僕なんですよ。いまだに調査し続けているっていう。アイドル戦国時代っていうのはこの2010年ぐらいのキャッチフレーズだとしか思っていない人が多いんですけど、実は本当に戦国状態でガチな戦いが行われていたんですよ。

(加藤響子)ガチな戦い?

(吉田豪)それが最高に面白くて。要は、AKBがドカンと売れました。それにモーニング娘。もいましたけど、ももいろクローバー。ももクロが喧嘩を仕掛ける。ガチで喧嘩を仕掛けていたんですよ、この時期。本当にやらかしていたんです。

(加藤響子)なんですか?

AKBにガチで喧嘩をしかけていたももクロ

(吉田豪)AKBの劇場前でビラを配ったりとかだけじゃなくて、いちばん大きな問題になったのがSKEが名古屋に劇場を作った時、SKEが他の場所でライブをやっている時は劇場が空いてるじゃないですか。で、そこを普通のライブと同じで借りれるっていうことを知って、ももクロが名古屋公演をそこを借りて『お留守のようなので“あたためて”おきました』っていうタイトルを打ったらAKB側が大激怒して……(笑)。

(加藤・絵恋)ええーっ!

(吉田豪)そこが使えなくなって……とかのバトルが全部面白くて。裏話を聞けば聞くほど最高で。それの証言を全部取って。だからこの頃から対バンイベントが行われ始めて。SKEとももクロとか、あとスマイレージとか。それの舞台裏がどれぐらいガチだったのかとかを全て確認しているんですよ、僕(笑)。

(絵恋ちゃん)へー!

(吉田豪)「お前ら、やっちまえ!」みたいなことをいろんなところがやって。で、そんな中で呑気なモードで行ったSKEが完全に潰されて……みたいな。面白かったんですよ。その時、いろんなモーニング娘。にハマッたヲタの連中とかと終わった後に飲んで。即それを座談会としてテープ録って雑誌に載せたりして。要はSKEのヲタがボロ泣きしていたんですよ。「悔しいですっ!」みたいな(笑)。

(加藤・絵恋)フハハハハハッ!

(絵恋ちゃん)泣いたんだ(笑)。

(吉田豪)「俺たちの希望がっ!」みたいな感じですごかったんですよ。みんな本気だったんですよ。最高に面白くて。

(加藤響子)ファンも命がけっていう。

(吉田豪)命がけですよ。「あいつら、なんでこんな時にちゃんとやらねえんだよっ!
」みたいな(笑)。面白かったっすねー。

(加藤響子)みんなもう、全部をかけて?

(吉田豪)本気で戦っていたんです。ファンだけじゃなくて運営、アイドル側も。それが、ところがいろんなバトルをやっている時に震災が来て、「戦っている場合じゃない」みたいな感じで団結する流れになってこの戦国の流れも終わっていくんですけど。その裏で実は秋元康さんサイドが「アイドル戦国時代」っていう言葉に対して圧力をかけてきた説っていうのも当時流れたりして。「この言葉を使わないように」みたいに言っていたとか。それを僕らが水面下で聞いて「秋元康、許さねえ!」とか燃え上がったりとか(笑)。そういう謎の会議をずっと僕ら、行っていたんですよ。居酒屋に集まっては、「なんとかこの火を消さないために俺たちが頑張らなければ!」とか。

(加藤響子)じゃあ、豪さん的には戦国時代の方が楽しい?

(吉田豪)楽しかったですね。超燃えましたよ。だから実はその震災の前日……翌日がももクロのシングル発売のインストアイベントだったんですけど、その前日もみんなで集まってそういう話をしていたんですよ。「俺たちでなんとかしなければ!」みたいな(笑)。

(加藤響子)フフフ(笑)。でも、逆にこの戦国時代を終わらせたくないぐらいの?

(吉田豪)そうだったんですよ。だから雑誌とかでもわざと「アイドル戦国時代」っていう言葉を使ったりして、戦いを繰り広げていたんですよ。ひっそりと。

(加藤響子)へー! そんな中、豪さんはももクロ推しとか?

(吉田豪)まあだから明らかにそういうやらかす部分も面白いし、曲も異常。『行くぜっ!怪盗少女』は歴史的な曲ですよね。



(加藤響子)うん。そのももクロと親しい関係だったという……。

(吉田豪)「親しい」と言っていいかどうかわからないですけどね。

(加藤響子)ブレイクした理由って何なんですかね?

(吉田豪)うーん。まあ、面白がれるポイントもいっぱいあったし。でも、いちばん大きいのは応援して恥ずかしくないような空気をあの時に作れたっていうことですよね。だからサブカル的な人たちが流れやすい状況っていうか。これはでも、僕は批判的によく言っていたんですけども。「俺、アイドルは好きじゃないよ。ももクロは好きだけど」って言う人がすごい増えた時期で。

(加藤響子)へー!

(吉田豪)僕はそういう人たちをもっと地下に掘り下げるためにコンピとかを作って出していたんですよ。「そこだけじゃないよ。もっと面白いの、いっぱいあるよ!」って言って。

(加藤響子)これ、いま流れてきた曲は?

(吉田豪)『ミライボウル』。僕がももクロでいちばん好きな曲ですね。

(加藤響子)はい。

ももいろクローバー『ミライボウル』の謎



(吉田豪)これもまた僕が「『ミライボウル』の謎」っていうのをずっと追求していて。いまだに調査を続けている……。

(加藤響子)これはどんな曲なんですか?

(吉田豪)まあ、『行くぜっ!怪盗少女』がヒャダインさんの曲でドカンと売れて、ヒャダインさんの評価も上がって。

(加藤響子)作詞作曲を担当されていたのがヒャダインさん。

(吉田豪)それでセカンドがNARASAKIさんっていう人が作って。そういう流れになってからの3枚目なんですけども『ミライボウル』がちょっと異常な作りなんですよ。ヒャダインさんがまず作って、そしたらその曲がいまいち盛り上がりがないとレコード会社が判断をして、ヒャダインさんに内緒で勝手に他の曲と合体させるということをやって……。

(加藤響子)えっ、勝手に?

(吉田豪)で、ヒャダインさんが起こってももクロとの関係が一時期切れて。で、その勝手に合体した曲をなんとなく後で均すっていうのをNARASAKIさんっていう人がやって……っていう、すごいデリケートな流れで作られた曲で。だからこの後ぐらいに中野サンプラザでワンマンがあったんですけど、その時にNARASAKIさんとヒャダインさん……僕も関係者席で2階の最前だったんですけど、その2人をなるべく離していたんですよ。「会わせちゃいけない」ぐらいのデリケートな時期。ややこしかったんですよ、いろいろと。

(加藤響子)はー!

(吉田豪)ただ、でもその結果、謎のおかしな曲ができて。合体させたから無理な展開なんですよ。その無理な展開をNARASAKIさんがうまくつないで、普通だったらありえないおかしな曲なんだけど、でもなんか泣けるっていうか……すごい不思議。

(加藤響子)いろんな方の思いが入り混じっている曲なですね。

(吉田豪)だから僕、『怪盗少女』のデモとかをヒャダインさんからもらったりとか、いろんなアイドルのいい曲のデモを集めるのが僕の趣味の一つで。この『ミライボウル』のデモを聞くのが僕の生涯のテーマなんですよ。最初にどういう曲だったのか?っていう。

(絵恋ちゃん)ああー。たしかに気になる。

(加藤響子)それは気になりますね。そしてこのアイドル戦国時代に登場し、いまも活躍するのが地下アイドルという存在ですね。地下アイドルっていうのは?

(吉田豪)それ以前からも存在していたんですけど、このぐらいでアイドルバブルでドカンと来て。ももクロでアイドルに目覚めた人が地下に流れたりして活性化していったっていう流れですね。っていうかまず「地下」の概念を説明しなきゃいけないですね。

(加藤響子)それを教えてほしいですね。

地下アイドルの定義

(吉田豪)僕がよく言っているのは、90年代頭のアイドル冬の時代の頃からアイドルがそもそも地上。それこそデパートの屋上とかコンサートのホール会場とかでやっていたのが、規模がすごい小さくなってライブハウスとかでやるようになって。で、ライブハウスが基本、地下にあるから「地下アイドル」って呼ばれるようになったという風に僕はよく説明しているんですけども。

(加藤響子)へー!

(吉田豪)僕の定義ではライブハウスとかで複数の対バンイベントとかに出ているグループっていうのが地下アイドルっていう。どうですか、絵恋ちゃん? 現場の人としては。

(絵恋ちゃん)えっ、でも「そうなんだー」って思いました。自分で地下アイドルやっておきながら、どうして「地下アイドル」って呼ばれているのかあんまり知らなかったんで。なるほどっていう感じですね。たしかにライブハウスでみんなやっているので。

(吉田豪)対バンをしなくなったら「地上に行ったかな」ぐらいの。単独で大きめの箱でやれるようになって。

(絵恋ちゃん)ああ、たしかに。

(加藤響子)絵恋ちゃんも地下アイドルに属するわけですよね?

(絵恋ちゃん)はい、そうですね。

(加藤響子)こういった地下アイドルの現場ってどういう感じなんですか?

(絵恋ちゃん)どういう感じ?

(加藤響子)やっぱりファンの方とかもすごく多いと思うんですけども。ファンの方との距離感も近いですか?

(絵恋ちゃん)そうですね。やっぱりテレビに出ている人たちとは違って、チェキというツーショット写真が撮れたりとか。あと握手とか……物販が毎回あって。そこでお話もするし。

(吉田豪)地上は物販に本人が出てこないですからね。

(絵恋ちゃん)そうですね。スタッフが普通はやってますからね。

(加藤響子)地下アイドルの場合は自らが携わる?

(絵恋ちゃん)そうですね。スタッフがいない場合もあるので、アイドルだけが立って物販をしているっていう。

(吉田豪)あの、ヲタがチェキを撮るとか普通ですからね。「次の人が撮ってください」とか(笑)。

(加藤響子)へー!

(絵恋ちゃん)そうです。絵恋もそのシステムなんですけども。スタッフがいない時は後ろに並んでいる人に写真を撮ってもらうっていう、そういう感じでやっています。

(加藤響子)より身近に関わっていけるんですね。でも、この地下アイドルになりたいなっていう時はどうやったらなれるんですか?

(絵恋ちゃん)えっ、誰でもなれますよ。

(加藤響子)いやいやいや!

(吉田豪)地下は本当、そうですよ。基準がないです。

(絵恋ちゃん)本当に。Twitterとか作って「地下アイドルやってます」って言って、「こちらにオファーください」って言ってGメールのアドレスとかをつけておけば全然オファー来ますよ。

(吉田豪)うん。オリジナル曲とか何もなくたってできるんですよ。

(絵恋ちゃん)カバーとかね。

(加藤響子)いきなり、じゃあ私が「明日から地下アイドルやります」って言ったらいけるってことですか?

(吉田豪)できますよ(キッパリ)。

(加藤響子)アハハハハハッ!

(絵恋ちゃん)絵恋も最初、そんな感じでした。

(吉田豪)よく、だから「地下」と「地底」って言うんですけど。「地底」って呼ばれるさらに底の層があって。そこはソロでカバー……カバーでもないですよ。コピーと言うかカラオケなんですよ。要は。カラオケ音源をただ使って歌っているだけの何のアレンジも加えていない、そういう志の低い層があって。

(加藤響子)地底アイドルっていうのがいらっしゃるんですか?

(絵恋ちゃん)地底アイドルっていうのがいるんですよ。

(吉田豪)絵恋ちゃんは地底から地下に這い上がってきたと言われていて。

(絵恋ちゃん)結構詳しいですよ。はい。地底はいま、リサさんいるじゃないですか。リサさんの真似をしている人が多いですね。

(吉田豪)「リサさん」っていうのはアルファベットのLiSAさん?

(絵恋ちゃん)そうです。いまめちゃめちゃ多いです。

(吉田豪)ちょっとアニソンロックみたいな感じの?

(絵恋ちゃん)そうですね。煽り方とか髪型とかまでみんな一緒だったりして。

(吉田豪)アニソンロックっぽいのはたしかに多いよね。

(絵恋ちゃん)そうですね。アニソンっぽいのが。

(加藤響子)そうなんですね。

<書き起こしおわり>

吉田豪と絵恋ちゃん アイドルが歌に感情を込めるべきでない理由を語る

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吉田豪さんがYBS『909 Music Hourz』に出演。絵恋ちゃん、加藤響子さんとアイドルがやりがちな「歌に感情を込めて歌う」ことをすべきでない理由について話していました。


(加藤響子)続いて、地下アイドルについて聞いていきたいんですが。絵恋ちゃんも活躍する地下アイドルシーンで豪さんが注目するアイドルっていうのも気になるんですけども。

(吉田豪)すごいですね。この流れで僕はこれを流すんですか? これ……僕、この流れで絵恋ちゃんの曲を流すんですね。絵恋ちゃんが宍戸留美さんっていう元祖インディーズアイドル。僕、さっきも言いましたがリリー・フランキーさんとの関係で宍戸さんとの付き合いも20年以上なんですよ。

(加藤響子)あ、長いですね。

(吉田豪)それこそカラオケも一緒に行ったぐらいの感じで。僕がまだペーペーで全然しゃべれなかった頃から知っている人なんですけども。その人がなぜか……だから絵恋ちゃんが宍戸さんのファンで知り合って。最近出た宍戸さんのコンピレーション・アルバムで僕が昔、20年ぐらい前からずっと聞いていた宍戸さんの曲を絵恋ちゃんが歌う。そしてそれがちゃんといい化学反応というか。「あっ、ちゃんといいカバーになっている!」っていう曲があるんで。

(絵恋ちゃん)うれしい!

(加藤響子)じゃあ、さっそくお聞きいただきましょう。絵恋ちゃんで『君はちっともさえないけど』。

絵恋ちゃん『君はちっともさえないけど』



(加藤響子)ねえ。カバー曲ということでしたが……。

(吉田豪)あっ、ヤバいですね。「#ybsradio」がトレンドになっているらしいですよ!

(加藤響子)嘘でしょう? 本当ですか!(笑)。

(絵恋ちゃん)そんなに聞いてるんだ。おおっ!

(吉田豪)16位になっている(笑)。

(絵恋ちゃん)じゃあ、いまから言っちゃいけないこといっぱい言おうぜ!

(加藤響子)アハハハハハッ! いまから(笑)。残りが10分ちょっとです。

(吉田豪)もうないよっていう(笑)。

(加藤響子)惜しみなくお二人にはおしゃべりいただきたいです。この曲、歌ってみてどうでした?

(絵恋ちゃん)もともと好きな曲だったので。忠実にはできていないんですけど、セリフの部分とかの宍戸さんのちょっと訛りがあるんですよ。実は。そこもそのまま、あえて直さずに言わせていただきました。けど、出来上がって、他の方もいろんな宍戸さんの曲をカバーされているんで。それを聞いて「あ、みんな結構個性を出しているな」って思って。「それでもよかったんだ」って思って。私はそうやってやった方がいいんじゃないかって作曲家の方と相談をしてこういう形になったので。

(吉田豪)これは正解だと思いますよ。Twitterのコメントでも「なるほど、こういうのがいいバラードなんだな」っていう素晴らしい意見が来ていますけども。


(加藤響子)わーっ、ありがたいコメントが来てますね!

(吉田豪)さっきの中嶋美智代さんに近いですよね。歌い方のやりすぎ感っていうか(笑)。

(絵恋ちゃん)絵恋の?

(吉田豪)そう(笑)。

(加藤響子)なんか「ほっぺにチュッ」みたいいなところがありましたけども。キュンって来ますもん。

(吉田豪)「あざといわー!」っていうぐらいの(笑)。

(加藤響子)そう! でも、わかっているんだけど……みたいなところですよね。なんか。かわいいって思っちゃうみたいな。

(絵恋ちゃん)ありがとうございます。フフフ(笑)。

(加藤響子)絵恋ちゃん、歌う時の声はまた全然違いますね。

(絵恋ちゃん)なんかでも、クセなんですよね。歌うとそういう感じになっちゃうし、自分がそういうのが好きだからそれに寄せていっているところもあるし。

(吉田豪)いま、あんまりそれぐらいまでやっている人がいないから際立つんだと思いますけどね。

(加藤響子)ねえ。

(絵恋ちゃん)アイドルソングでいちばん絵恋の中で大事だなと思うのが「大丈夫?」っていうところなんですよ。

(吉田豪)ん?

(絵恋ちゃん)絵恋の中のアイドル論なんですけど、宍戸留美さんのアルバムの帯に書いてあった言葉で「あれれ、留美ちゃんどうしたの? 大丈夫? でも、とってもかわいいね」っていう言葉があったんですけども。それがすごく大好きで。アイドルとはそういうものでありたいと絵恋は思っているので。「あれれ、どうしたの? 大丈夫? でもとってもかわいいね」っていうのを目指して歌っているんですよ。

(吉田豪)「やりすぎでしょ、これ。大丈夫なの? でも、かわいいからいいか!」みたいな着地にするっていう。

(絵恋ちゃん)そうです。

(加藤響子)ああーっ、それがいちばんの褒め言葉。

(絵恋ちゃん)不安定さとかもあったりするけど、でもまあとってもかわいいねっていうところが。

(吉田豪)そうなんですね。全然正解ですよ。変に完成度を求めるというよりかは、こういうリアリティーというか生々しさというか、それを出すべきです。

(加藤響子)さっきもお話されていた、ちょっと音程をずらすとか、テンポをちょっとずらして歌うとか。

(吉田豪)それがナチュラルにできる人もいれば、こうやって努力してやろうとする人もいるっていう。

(加藤響子)フフフ(笑)。

(絵恋ちゃん)なんかやっぱりシンガーさんとかダンサーさんとか、そういう専門家はいるわけなので。アイドルがやるべき歌っていうのはこういうのかなっていう。

中田ヤスタカのきゃりーぱみゅぱみゅへのアドバイス

(吉田豪)そうなんですよ。わかります。だから、昔きゃりーぱみゅぱみゅさんがデビューした頃、インタビューで会った時に「中田ヤスタカさんにどんなアドバイスをされました?」って聞いたら「ボーカルレッスンとか一切行くな! かわいい声を出すことだけを考えろ」って言われたという。

(加藤響子)ええーっ!

(吉田豪)「正解!」っていう(笑)。さすが、わかってらっしゃる!っていう。

(絵恋ちゃん)正解ですねー。

(加藤響子)ええーっ! レッスンに行くなと?

(吉田豪)「そういうのは、いらないんだよ」っていう。「なに、歌唱力とか? かわいさが重要!」っていう(笑)。

(絵恋ちゃん)それで絵恋もボイトレに通っていたんですけど、「あ、これ直されちゃう」って思って行くのを止めました。

(吉田豪)そうなんですよ。だからアイドルがつまらなくなるのってそれなんですよ。結局、歌唱力がよくなろうとするのはまだいいんですけど、ちょっと方向を間違えることが多くて。歌に感情を込める路線に行く人がすごく多いんですよ。

(加藤響子)えっ、だって感情を込めたくなりますよ。

(吉田豪)込めちゃいけないんですよ。

(加藤響子)ダメなんですか?

(吉田豪)込めれば込めるほど、感動できなくなるんですよ。これは八代亜紀さんも言っています。八代亜紀さんが歌にだんだん感情を入れていった時、全然人が泣かなくなった。で、ある日、全然感情を入れずに歌ったら、刑務所の慰問とかでみんなボロ泣きして。だから人が感情を乗せられる隙間を作らなくちゃいけないっていう。

歌に感情を込めれば込めるほど、感動できなくなる


(加藤響子)はー!

(吉田豪)「ほら、聞いて! 泣けるでしょう!」って押し付けちゃいけないんですよ。
(絵恋ちゃん)押し付けがましいと冷めちゃう。

(加藤響子)へー!

(吉田豪)それがすごい……アイドルってどうしても自分が向上したいじゃないですか。運営の仕掛け以外で自分が何かをするには、ダンスの向上とか歌の向上しかなくて。それはまだいいんですけど、そこで感情を込める路線に行きがちなんです。それ、毎回僕は警鐘を鳴らしていて。「間違っているよ、それ。やめて!」っていう。

(加藤響子)そうなんだ! 表現をしすぎるのもダメなんですかね。そうか。新たな視点でした。

<書き起こしおわり>

吉田豪と上柳昌彦 前川喜平インタビューを語る

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吉田豪さんがニッポン放送『金曜ブラボー。』に出演。久しぶりに共演する上柳昌彦さんと前川喜平・文部科学省全事務次官インタビューや眉村ちあきさんなどについて話していました。


(上柳昌彦)ということで昨日までは大阪で大忙しでございます。

(吉田豪)3 Daysでした。はい。

(上柳昌彦)そしてTwitterは相変わらずずーっと書き続けてらっしゃいますよね。

(吉田豪)はいはい。ややこしいことにしょっちゅう巻き込まれながら。

(上柳昌彦)ややこしいことにあえて入っていってますよね。

(吉田豪)そうですね。「それ、違いますよ」って言いたくなっちゃうじゃないですか。で、言うとそこから始まって。ただ、それがこっちの見解を示す上では便利だったりするんで。

(上柳昌彦)なるほど、なるほど。

(吉田豪)いまだと前川文部科学省前事務次官。

(上柳昌彦)「インタビューでそこを聞かないのか!」みたいになっていましたね。

(吉田豪)インタビュー自体、ものすごい評判がよかったんですよ。「(他のインタビューでは)あんまり聞かれないことを聞く」っていうのをテーマにしていたら、「なんでみんなが聞くことをちゃんと聞かないんだ!」みたいな(笑)。

吉田豪 前川喜平インタビュー書き起こし
吉田豪さんがAbema TVで前川喜平・前文部科学省事務次官にインタビュー。その模様を書き起こししました。 吉田豪さんの前川喜平さんインタビュー、面白い! リンク先で無料で視...

(上柳昌彦)豪さんとしてはそうじゃないんだと。俺はそうじゃないと。

(吉田豪)そうなんですよ! 僕はだから、自分が知っていること以外は聞く気がないんで。だから俳優さんをインタビューして出演作品を聞かないのは、僕がそれを知らないからじゃないですか。前川全事務次官に関しては、あの人は『シン・ゴジラ』だの馳浩だの、そういうことが本にちょっと書いてあったんで。そういう話を聞きたいのと、あとはあの人が行っていたとされる出会い系バー。そこに潜入取材した経験があったので、それで思うことがあったんで、その話をするだけっていうのがテーマだったんですよ。

吉田豪・出会い系バー潜入取材レポート


(上柳昌彦)うん。潜入したバーっていうのが豪さんの流れから「あそこは結局風俗じゃないかったんだよね」ってなったという。

(吉田豪)だからあまりにも性風俗店のようないかがわしい店のように……「マジックミラー越しにパンツを見せる」ぐらいに言われているんですけど、そっち系じゃないですからね。いわゆるそこらにチェーン店であるような相席屋みたいな、ああいう感じの店で。

(上柳昌彦)うん。

(吉田豪)なんで、ねえ。ちょっと明らかに、(お店に)行ったことがない人が膨らませて話しているケースが多すぎて。「せめて、ちょっと実際に行ってから話しましょうよ」っていうね。

(上柳昌彦)また聞きとかね、そういうのでどんどんどんどん話がいろんな方向に行きますよね。自分のいたいポジションでものを見てね。

(吉田豪)どうしてもイデオロギーで左右されすぎちゃって。そっちじゃないところでいじろう思ったら、面白く転がったというケースだったんですよ。

(上柳昌彦)まあ、とは言え豪さんはインタビューする時は徹底的に調べて、徹底的に本も読み……ということで。相変わらず部屋はきっと本と、それからアイドルグループ等のコンサートに行くとグッズをね。

(吉田豪)CDとかを山ほど買うんで。本当に大変ですよ。

(上柳昌彦)すごいことになっているんじゃないですか? 部屋。

(吉田豪)いま、たぶん人生でいちばんひどいですよ(笑)。いま、僕の自宅……結構マンション、大きいんですけども。居場所がベッドの上の1/4しかないですからね(笑)。

(上柳昌彦)ベッドの上だけじゃなくて、ベッドの上の1/4。狭っ!(笑)。

(吉田豪)そこを体を横にして寝たりとか。その横にCDの山があって、崩れ落ちたりしながら。

(上柳昌彦)「あれ、どこにあったかな?」「あの本、どこだっけな?」って思う時、あると思うんですけど……。

(吉田豪)だから最近のものぐらいしか発掘できないっていう。だから今日も音楽をかけるんですけど、データですからね。取り込む瞬間まではあるんで。その後はもう、どこにあるかわからないという。

(上柳昌彦)先週、このスタジオに来てくれて。ある種、衝撃的なライブですよ。営業局長がですね、女性なんですけども。思わずスタジオまで足を運んで見たって言っていた眉村ちあきさん。

(吉田豪)最高でしたね!

(上柳昌彦)すごかった……。

天才・眉村ちあき

(吉田豪)放送を聞いているだけでも最高でしたよ! いつもあの人、サンダルなんですけど。サンダルを脱いだ理由っていうのが足汗を拭くためっていう(笑)。

(上柳昌彦)なんか「一青窈さんみたいに脱いでやるんですか?」って言ったら、「足汗が……足の裏に汗が……じゅうたんでいま、吸い取ってもらっています」って(笑)。

(吉田豪)ダハハハハッ! 衝撃でしたよ(笑)。

(上柳昌彦)衝撃的でしたね(笑)。

(吉田豪)天才ですよね。本当にね。曲作りの才能と歌唱力、歌の上手さとあとキャラクター。全てのバランスがよくて。

(上柳昌彦)頭の中でもうやりたいことがどんどんどんどんわきあがっている感じですよね。彼女はね。

(吉田豪)本人も言っていたんですけど、頭の回転は早いんですよ。それを言語化する能力が全く無い人で(笑)。

(上柳昌彦)うん、よくわかります(笑)。

(吉田豪)そういうところが面白い。

<書き起こしおわり>

吉田豪 絵恋ちゃん・C-Style・れ音を語る

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吉田豪さんがニッポン放送『金曜ブラボー。』に出演。攻めた楽曲を流し続ける番組の限界を探るべく、絵恋ちゃん、C-Style、れ音さんの楽曲を選曲し、紹介していました。


(上柳昌彦)それじゃあ、企画の方にいっていいですか? 吉田豪さんが本当にCDを大量に購入されていて。そしてなかなか流通していないCDもずいぶんお聞きになっている。CD-Rですかね。もうね。

(吉田豪)Rですね。

(上柳昌彦)吉田豪さん、その中でおすすめの3曲を実際に持ってきていただいて。いま、スタンバイされてますんで。

(吉田豪)結構どのへんでやっていいのか、最初わからなかったんですけども。この番組って異常に選曲が攻めているじゃないですか。

(上柳昌彦)攻めすぎですよ。

(吉田豪)頭、おかしいですよね。他局ではかからない曲が……。

(上柳昌彦)ディレクターと作家さんが、俺らは「何?」っていうような曲を……。

(望月理恵)そうです。はじめて聞く曲が多くて。

(上柳昌彦)「モッチー、今日知っている曲、あった?」みたいなね。

(吉田豪)SAKA-SAMAとか普通に流れてますよね。おかしいです(笑)。絵恋ちゃんとかも普通に流れてますしね。

(上柳昌彦)面白くなってきています。だんだん、それがね。

(吉田豪)ゲストライブもすごいことになっているという。

(上柳昌彦)それでは、さっそく行きましょう。こちらからどうぞ!

絵恋ちゃん『お嫁さんになってあげないゾ』



(上柳昌彦)なんかこう、ハーモナイザーとかそういうので声のピッチを上げたような独特の歌唱方法ですけども。この方は?

(吉田豪)これは絵恋ちゃんという……結構でも画期的ですよ、これ。この曲を何の説明もなくいきなり流すっていうのは結構な冒険で。

(上柳昌彦)いま、関東地方が一瞬「ん?」ってなったという(笑)。

(吉田豪)絵恋ちゃんっていうのはこの番組でも曲が流れていたみたいですけども。ソロアイドルで結構変わった活動をする、お客さんに牛乳をかけたりとか、お客さんが全員土下座したりとか、結構変わったライブをする。そしてネット上では毒舌な感じの面白い感じのキャラで。意外とキャリアも長いんですけども。公式年齢は14才だったり18才だったりとかよくわかんない感じで。この番組でも1回、アシスタントをやられた里咲りさ社長と仲が良くてよく2人でイベントをやっているような人で。

(上柳昌彦)ああ、そうなんですか。

(吉田豪)僕も付き合いがすごく長くて。で、これはなにか?っていうと、市販音源とかじゃないんですよ。彼女が活動初期にDAMの録音機能を使って録ったただのカラオケ音源です、これ(笑)。

(望月理恵)ああっ! ありますよね!

(吉田豪)オリジナルは『キテレツ大百科』の主題歌で歌っていた守谷香さんは(X JAPAN)Toshlの元奥さんですね。で、もっと細かく説明をすると、要するに洗脳に引きずり込んだ人です。

(上柳昌彦)ああーっ!



(吉田豪)つまり、『お嫁さんになってあげないゾ』どころじゃないですよ。なったことで大変なことになった人ですよ(笑)。

吉田豪 X JAPAN TOSHIインタビューを語る
吉田豪さんがTBSラジオ『たまむすび』に出演。X JAPANのTOSHIさんにインタビューをした話をしていました。TOSHIさんの真面目でいい人すぎる人柄をたっぷりと紹介しています...

(上柳昌彦)すごい(笑)。

(望月理恵)何も言えないです(笑)。

(吉田豪)その曲をこうやってカラオケで録っていたんですけども。絵恋ちゃんっていうのはこの歌い方にすごい特徴があって。一切加工も何もしないでこういう歌い方ができる人。

(望月理恵)しかも声の出し方もちょっと揺れているじゃないですか。

吉田豪と絵恋ちゃん アイドルが歌に感情を込めるべきでない理由を語る
吉田豪さんがYBS『909 Music Hourz』に出演。絵恋ちゃん、加藤響子さんとアイドルがやりがちな「歌に感情を込めて歌う」ことをすべきでない理由について話していました。 ...

(吉田豪)そうです。そういうのが魅力だと自覚的にできる人なんですよ。なので、こういうたぶん明らかにマニアも誰も持っていない音源を本人からもらったんで(笑)。「流していいですか?」って確認して流すっていう。だから、この番組がどこまで攻められるかの実験をちょっとしてみようっていう(笑)。

(望月理恵)聞けるのも貴重なんですね。

(吉田豪)これ、たぶん全員はじめて聞いたんじゃないですか?

(一同)フハハハハハッ!

(吉田豪)「こんなの、あんの!?」っていう(笑)。

(上柳昌彦)懐かしさも誰も感じないよ。ある意味、ボーッとしていていいんです。あなたが正解ですっていう(笑)。

(吉田豪)知らなくて当然です(笑)。

(上柳昌彦)キャリアとしてはそこそこ長いわけですね。

(吉田豪)そうですね。僕が出会ってからだけでも7、8年かな?

(望月理恵)ビジュアルはどんな感じなんですか?

(吉田豪)もともとメイドもやっていた人なんで、そういう感じですね。そういう感じのかわいらしい格好をした不思議な人です。基本は引きこもりなんで、対人的な能力は非常に低いんですけど、ステージに立つとちゃんとやりきれる人ですね。

(上柳昌彦)こういう方っていうのは変な話、どうやって生計を立ててるんだろう?って……。

(吉田豪)ソロは意外となんとかなるんですよ。ソロはスタッフがいないんで、意外といけるんですよ。

(上柳昌彦)もうCDを1枚売って……。

(吉田豪)チェキを撮ってで全然全然、1人ならちゃんと食べれます。

(望月理恵)里咲社長の時も新聞に出ていたのってね、「稼いドル」。意外と稼いでいるっていう感じで出ていましたもんね。

(吉田豪)そうなんですよ。だからやっぱりソロはおすすめなんですよ。ちゃんと能力がある人は絶対にソロの方がいいっていう。昨日も大阪の地下アイドルの人たちのイベントに呼べれて。運営の人たちに呼ばれてやっているんですけども、いかにソロの方がいいか?っていう話をずっとしていて(笑)。

(一同)フハハハハハッ!

(吉田豪)「よっぽど才能とかセンスのある運営でもない限り、ソロの方がたぶんいいと思いますよ」っていう(笑)。

(上柳昌彦)固定のお客さんっていうのがいらっしゃって、熱心に支持していると思いますけども。何人ぐらいいればなんとかなるもんなんですかね?

(吉田豪)だから意外と、DD(誰でも大好き)って悪いって言われますけども、何組も好きな人っていうのがいっぱいいるんで。特にこういうソロアイドルだったらだいたい好きな人とかいるわけですよ。絵恋ちゃんも里咲さんも好き、みたいな。そういう人たちがワンマンをやればある程度埋まるぐらいいれば全然食べれる。毎回のライブに10人、20人来れば全然回せるみたいな。

(上柳昌彦)あ、そうなんですか!

(吉田豪)そんな感じですよ。

(望月理恵)上柳さんもできるじゃないですか。

(上柳昌彦)なんの話をしてるの?

(吉田豪)フフフ(笑)。いや、男もそうですよ。

(上柳昌彦)男はでも、難しいでしょ。

(吉田豪)アイドルに限らずですけども、僕の友達とかでもやっぱりチェキの商売を始めたら、「物販はやっぱりチェキがデカい。豪ちゃんも始めた方がいい」って何度も言われていて。やっぱりお客さん、何度も来ていると買うものがないじゃないですか。特に僕らとかの本とかだと、年に1冊出るかどうかだから毎回同じ本を買うわけにもいかないし。チェキは便利なんですよ。来るたびに買ってサインをもらってその時会話して……ができるんで。

(望月理恵)その時のものですもんね。生物。

(上柳昌彦)写真か。

(吉田豪)チェキビジネスはいい!っていう(笑)。

(上柳昌彦)さあ、吉田豪さんに紹介していただく楽曲、続いてはこちらです。

C-Style『Kisarazau Calling』



(上柳昌彦)「木更津」っていう言葉が出てきているんですけど、メロディーが意外といいんじゃないか? とか。アレンジもかっこいいなとか。これ、吉田豪さん、どういう?

(吉田豪)これは多少洋楽が好きな人なら聞けば一発でわかると思うんですけど。ザ・クラッシュの『London Calling』っていう名曲がありまして。あれのオマージュというか途中まではほぼ一緒です(笑)。



(望月理恵)ふーん!

(吉田豪)ただ、アレンジの仕方がすごく上手くて。こういうもののパクリというよりもやっぱり、好きで上手くやっている感じがすごいするんですが。これはC-Styleというグループの『Kisarazau Calling』。C-Styleっていうのが木更津のヤンキーアイドルなんですよ。

Kisarazu Calling!! (通常盤)
Posted at 2018.4.7
C-Style
C-PROエンターテイメント

(上柳昌彦)はー!

(吉田豪)僕は一時期、一緒にラジオもやっていたことがあるんですけど。いまはメンバーもどんどん減ってヤンキー2人組になっているんですけどね。中身はいい子たちなんですよ。一緒にラジオやっていた時も特攻服とか着てすごい悪そうなことを言っているんですけど、収録が終わった瞬間に「すいません、吉田豪さん……サインもらっていいですか?」「うれしい!」とか、すごい純朴な子たちが事務所に言われて突然ヤンキーやらされている感じなんですよ。

(上柳昌彦)そうか。そういう色をつけようと企画でなったわけですね。

(吉田豪)僕が審査員をやっている『ラストアイドル』っていう秋元康さんがやっているアイドル勝ち抜き番組があって。あれにもこのメンバーが1人、出たんですよ。普通、それだったら番組的に求めるのってヤンキーキャラで「オラァッ!」って行くか、もしくは「実は本当はAKBに入りたかった」っていう部分を出すべきなのに、「根はいい人」の部分で戦っちゃって(笑)。爪痕を残せないで負けて行っちゃったんですけども(笑)。

(上柳昌彦)普通な感じで(笑)。

(望月理恵)キャラ設定が(笑)。

(吉田豪)そうなんですよ。ベースのヤンキーを押し出した後じゃないと、根はいい人って伝わらないじゃないですか。突然出てきたら、ただのいい人だったんですよ(笑)。

(上柳昌彦)「こんなやっているけど、実はいい人」じゃなくて?

(吉田豪)振りがなかったんで。

(上柳昌彦)まあ、難しいね。

(望月理恵)でもメジャーデビューはしてらっしゃって?

(吉田豪)メジャー、なのかな? ようやく流通盤をちゃんと出したっていうことですね。で、氣志團とかに憧れて氣志團みたいなことをやりたくて木更津でそういう活動をしている感じです。

(上柳昌彦)木更津中心で活動。どんな活動をされているんですかね?

(吉田豪)一応、なんか清掃活動をやったりとか……。

(上柳昌彦)清掃活動(笑)。いい人たちだ。

(吉田豪)基本、人はいいですよ。本当に(笑)。

(上柳昌彦)なるほどね。さあ、じゃあ吉田豪さんに紹介していただく楽曲。最後3曲目はこちらです。

れ音『恋のqpット』



(上柳昌彦)これはキューピーマヨネーズの音楽ですけど……自宅でパソコンやらiPadがあったらこんなのはチャチャッとできちゃうってことですかね? これ、どういう人たちなんですか?

(吉田豪)これがれ音(れいん)っていう人の『恋のqpット』っていう曲なんですけども。このれ音っていう子はミスiDっていう講談社のオーディションで吉田豪賞を受賞しているんですが。もともと、ブルートリップっていうアイドルグループに所属していまして。そのユニットには町あかりさんも楽曲提供とかをしていたんですけども。彼女はそこ所属時代からビジュアル的にも変わった感じ。発言も変わった感じだったんですが、そのグループを抜けて。で、オーディションを受けている最中に「最近、ギターで作曲を始めている」って言っていて。で、その場で説得をしたんですよ。「まだちゃんとした曲になっていない」って言っていたから「とにかく曲を作り上げてください。CD-Rを作ってくれればイベントに呼ぶんで」って。だから要はデビューライブを僕のイベントでやって。

(上柳昌彦)おおっ!

(吉田豪)そしたらそれから弾き語りの人としてイベントに出るようになって。で、いまCD-R3枚目を作ったら、いままで弾き語りをやっていたのが急に打ち込みとかも始めて。これが著作権フリーの音源を上手く使って(笑)。結構ギリな……。

(望月理恵)大丈夫なんですね?

(吉田豪)そうなんですよ。僕もすごい不安になって。「怒られないの、これ?」って確認をしたら、大丈夫だという話ですね。曲自体がクラシックなんで、そっちの著作権は切れているし。それを別の人がアレンジした打ち込み音源があって……みたいな。著作権フリーの。

(上柳昌彦)時代だねー。

(望月理恵)でも楽曲がなんか、自分の才能を壊されそうな感じの。

(吉田豪)嫌でも刷り込まれるっていう(笑)。

(望月理恵)刷り込まれる感じ、しますよね。

(上柳昌彦)さあ、吉田豪さんなんですけども、今月……日は前後するかもしれませんが、28日にコアマガジンからインタビュー集『帰ってきた人間コク宝』が発売でございます。

帰ってきた人間コク宝
Posted at 2018.4.7
吉田豪
コアマガジン

(上柳昌彦)そして、月1回のレギュラーで登場していただけるということで。

(吉田豪)まさかのね。赤坂で月1レギュラーがなくなった瞬間に真裏に呼ぶっていう(笑)。

(上柳昌彦)先週まででしょう?

(吉田豪)先週まで、これぐらいの時間に僕、出てましたよ(笑)。

(上柳昌彦)ネット上がザワザワッてしたという。

(吉田豪)ねえ。「引き抜きか?」とか言われてますよ。違いますよ。

(上柳昌彦)まあ、いろいろお付き合いもありまして。月一レギュラーとして吉田豪さんに登場していただきます。5月18日(金)、午後3時になりますね。この日は4時のブラボーセッションは眉村ちあきさんが登場されるということで。

(吉田豪)4時まで残ろうかな、じゃあ。

(上柳昌彦)ぜひぜひ。濃い1日でございます。スケジュールなどは吉田豪さんのTwitterをご覧いただければと思います。豪さん、来月もよろしくお願いいたします。ありがとうございました!

(吉田豪)お願いします!

(望月理恵)ありがとうございました。

<書き起こしおわり>

吉田豪と宇多丸 ラストアイドルと秋元康を語る

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吉田豪さんがTBSラジオ『アフター6ジャンクション』にゲスト出演。自身が審査員として参加したテレビ番組『ラストアイドル』と秋元康さんいついて宇多丸さんと話していました。

バンドワゴン(初回限定盤TYPE B)(DVD付)

(熊崎風斗)本日のゲストはプロ書評家でプロインタビュアーの吉田豪さんです。

(宇多丸)いらっしゃいませ。

(吉田豪)はい、どうもです。

(宇多丸)はい。もう、さっそくのお引越しと言うべきかわかりませんけども、こちらにお越しいただいて。

(吉田豪)光栄ですよ。

(宇多丸)まあまあ、吉田さんのお力をお借りしなければこれはどうにもなりませんから。よろしくお願いします。あ、熊崎さんとはこれは初対面ですか?

(熊崎風斗)はじめてですね。

(吉田豪)まあでも、いろいろと聞いてますよ。お父さんがザ・フーのファンでこの名前をつけたとか。

(宇多丸)おおーっ、細かいところまで……。

(熊崎風斗)僕、それを言ったのってもうだいぶ前の本当に1分ぐらいの話で言ったので……。

熊崎風斗の名前の由来


(吉田豪)でも、ザ・フーの影響は一切受けていないという(笑)。

(熊崎風斗)うわあ……これ、なんかいろいろと怖くなってきた(笑)。

(宇多丸)アハハハハハッ! 「いろいろ知ってますよ」ってこの顔で言われたら困っちゃいますよ、吉田さんね。怖いんだから(笑)。

(熊崎風斗)冷静なトーンで……。

(宇多丸)まだまだ、たぶんカードはあると思いますけどね。じゃあちょっと、吉田さんのプロフィールをお願いします。

(熊崎風斗)吉田豪さん、1970年生まれ、徹底した事前調査……もういまので「事前調査」っていうのがすごくわかった感じがしましたが。事前調査をもとにした有名人インタビューをするプロインタビュアーでありプロ書評家でらっしゃいます。主な著書に『人間コク宝』『サブカルスーパースター鬱伝』『聞き出す力』。そして直近では『吉田豪の空手 バカ一代』などがあります。

(宇多丸)まあTBSラジオリスナーにはもはや説明不要だとは思いますが……ということで、一応コーナータイトルなので失礼ながら言わせていただきます。吉田豪さん、なんで来たんすか?

(吉田豪)……それは僕に他局に行けっていうことですか?(笑)。

(宇多丸)アハハハハハッ! いやいや、ぜひこの番組のレギュラーとして、レギュラーとしてお願いしたいですよ。いろんな……だって吉田さん、トピックがいろいろとあるから。「今日はなんだろうな?」っていうことですよ。

(吉田豪)はい、了解です。今日はラストアイドルと秋元康のちょっとしたところを話しに来ました。

(宇多丸)ラストアイドルね。ちょっと『ウィークエンド・シャッフル』が終わった直後に始まる番組なので……。

(吉田豪)たぶんちょうど酒を飲んでいる頃だろうから。

(宇多丸)そうなんですよ。だけど画面ではいろいろと見てはいて。あと、もちろん当然ネットとかの情報で大変に盛り上がっているというのは伝わってきますが。まず、じゃあそのラストアイドルとはなんぞや? というあたり、熊崎くん、お願いします。

(熊崎風斗)はい。私、TBSアナウンサーの熊崎から説明をさせていただきますが。

(宇多丸)これ、不思議な感じだね(笑)。

(熊崎風斗)ラストアイドルは毎週土曜日深夜0時5分からテレビ朝日で放送をしているテレビ番組です。作詞家の秋元康さんが新しいアイドルグループを誕生させるべく、去年の8月からスタートしましたオーディション番組です。その仕組みなんですけども、オーディションで選ばれた暫定メンバー7人が挑戦者と毎回メンバーの入れ替えバトルを行うというもので、最終的に勝ち残ったメンバーが秋元康さんプロデュースのもとでメジャーデビューするという流れになっています。

(宇多丸)ねえ。熾烈なというべきか、まあ盛り上がるけど同時にいろいろとモメるだろうっていうね。目に見えているシステムっていうか。

(吉田豪)まあ、よくだからAKBがかつて残酷ショーだのと言われて。で、残酷要素をだいぶなくしたじゃないですか。恋愛スキャンダルでのペナルティーをなくして、あと総選挙を立候補制にした。その結果、そんなにAKBが話題にならなくなっちゃったっていうのがあるじゃないですか。そこで、残酷ショー要素をどうエンターテイメント化していくか? とかがたぶんこれ、ラストアイドルにある気がするんですよ。

(宇多丸)もう、ねえ。オーディション物は『ASAYAN』の頃からオーディションとかっていうのはありますけども、これはサバイバルだからさ。生き残り戦だから。

(吉田豪)サバイバルプラス、最初はそれがメンバーが残酷なのかなと思ったら審査員が4人いてそのうちの1人が任意で突然選ばれて。その人が決めて……つまり、他の人が何を選んでいようがその人だけの責任で選ばれるっていう。

(宇多丸)だからその、審査員側にかかる火の粉の度合いが半端ないっていうのが……。

(吉田豪)それ、わかりやすく言うと、秋元さんに火の粉が飛ばないシステムなんですよ、これは。全て審査員が叩かれるっていう。

(宇多丸)アハハハハハッ!

(吉田豪)恐ろしいんですよ! これを開発したか!っていう(笑)。

(宇多丸)フハハハハハッ! しかも、呼ばれているのがさ、吉田さんだのギュウゾウさんだの……。

(吉田豪)ねえ。つまり、いままで僕とかは秋元康さんのビジネスにかなり距離を置いていた側なんですよ。

(宇多丸)まあ、ねえ。客観的に見てっていうのがあったわけで。

(吉田豪)「ひどいことになってるね」とか言っていた側が呼ばれて、責任を負わされる側になるっていう。

(宇多丸)そこがね、だから吉田さんが珍しく火の粉を直でかぶる側になっているのが珍しいなと思って。

珍しく火の粉をかぶる吉田豪

(吉田豪)いままでってよく僕、炎上云々って言われていたんですけど、基本的には僕が炎上案件に油をくべるとか、そういうようなことが多かったのが……。

(宇多丸)アハハハハハッ! 自信もって言わないでよ!

(吉田豪)はじめて僕が燃えたんですよ(笑)。

(宇多丸)アハハハハハッ! ねえ。これ、だから横にいるのがギュウゾウさんとか……ギュウゾウさんが炎上するのはこれは全然不思議じゃないけど。

(吉田豪)そうなんですよ。まあ、空気読めない人ですから(笑)。ちなみに最初に炎上したのはギュウゾウさんなんですけども。

(宇多丸)まあ、ねえ。ギュウゾウさんはそこはもうさ、ギュウゾウさんのチャームの一部で織り込み済みっていうところはあるんだけど。いや、だからこれはなかなかな事態が起きてるぞとは思いましたよ。僕、だってもう付き合って10何年になりますけど、こんなのはじめてですよ。吉田さんが。

(熊崎風斗)これ、初炎上の気分はどんな感じだったんですか?

(吉田豪)まあちょっと簡単に説明しますと、ファーストシーズンの初期メンバー、長月翠さんっていう一番人気ぐらいな感じの女の子がいまして。胸も大きくてグラビア映えもする……みんなが「いいぞ!」って言った時に、沖縄の歌うま少女と言われていた蒲原令奈さんという人が挑戦をしまして。この子、歌唱力だけじゃなくてキャラ的にも明らかにどうかしている感じ、野生児っていう感じで、完全に僕はツボに入っちゃって。僕が審査員に選ばれた時に蒲原さんを選びました。そしたら他のみなさんは当然長月さんを選んでいて。で、僕が大炎上をしたわけですけども。

(宇多丸)はいはい。

(吉田豪)また番組側が上手いのが、普通だったら他の審査員がジャッジした後の反応とか、一切出さないんですよ。僕の時だけわざと、マーティ・フリードマンが「なにやってんだ、こいつ?」みたいな顔をするところを抜いて、終わった後のコメントとかも流すんですよ。「考えられない」みたいな。

吉田豪VS長月翠 名勝負数え歌


(宇多丸)完全にハメられているじゃないですか!

(吉田豪)そうなんですよ(笑)。

(宇多丸)アハハハハハッ!

(吉田豪)「みんなー、こいつだー!」っていう感じで誘導するんですよ(笑)。

(宇多丸)まさか!(笑)。

(吉田豪)で、その結果、僕はTwitterのDMを全員から受け取れるようにしているんですよ。で、次々と知らない中学生とか高校生とかから「死ね」とか「お前、なに考えてんだ?」みたいなDMが大量に届くようになり……。

(宇多丸)うわーっ! これ、実際にオンエアーの編集したのをご覧になるまでは吉田さんもそこまでとは思っていなかった?

(吉田豪)まあ、ちょっと燃えるかなぐらいに思ったんですけど、ここまで番組ぐるみで明白に(笑)。

(宇多丸)まあ番組的にはそれこそ「オイシイ!」っていうね。

(吉田豪)そうなんですよ。で、ぶっちゃけ、これで番組が最初に話題になったんですよ。

(宇多丸)ああーっ、たしかにそうかもしれない。なるほどね。

(吉田豪)で、それによって番組サイドが明らかにこれをちょっと上手く使おうっていうモードになって。実はこの蒲原さんが活動を辞退するんですよ。だからちょっとこの時期に炎上の刃が蒲原さんにも向かって。

(宇多丸)それもね、本当に嫌な話だけどね。

(吉田豪)蒲原さんが辞退をして、ただ結果オーライになっちゃった部分があって。その結果、長月さんが兼任することになったんですよ。ラストアイドルっていうグループと他のグループとの。だから普通だったらやらないパターンになって。いちばん目立つ感じになって、結果長月ファンも喜ぶような状態になっちゃって。僕がそんなに恨まれない流れになったんですよ。その後、池袋サンシャインでデビューライブがあったんですけど、僕もシークレットでゲストで呼ばれて……ぶっちゃけいちばんブーイングと声援が飛んだのが僕だったという。

(宇多丸)ああ、そう。


(吉田豪)で、Zepp東京でファーストライブがあったんですけど、そこにも僕が呼ばれて。ライブの最中に突然、審査員が並んでいってジャッジタイムが始まるっていうのが行われて、当たり前のように僕が選ばれて……みたいな。完全にネタで使われ始めたんですよ。アングルを転がし始めて。


(宇多丸)はいはい。

(吉田豪)でもまあ、面白いから。いろいろと間近でこんなの見れる機会、ないじゃないですか。ただ、本当に複雑に思うのが、「吉田豪がついに秋元康の手中に収まった」みたいなことをたまに書かれるんですけど、僕が秋元さんに最後に会ったのは2012年なんですよ(笑)。

(宇多丸)ああ、会っていない? この番組が始まってからも会っていない?

(吉田豪)全然。なにも知らないんですよ。

(宇多丸)へー!

(吉田豪)2012年にロフトプラスワンで僕が掟ポルシェさんと本を出した時にゲストで、「ロフトプラスワンに秋元康降臨」っていう。

(宇多丸)それはびっくり仰天の事態でしたけども。

(吉田豪)しかも一部はストロング小林、二部が秋元康っていう(笑)。

(宇多丸)フハハハハハッ! どういうあれだよ? ねえ。

(吉田豪)それっきり会っていないんですよ。手中もなにもないし。

(宇多丸)っていうことは……でも、秋元さんは僕もお会いしていろいろとお話を聞く範囲では、やっぱり最初から少なくとも絵を描いてなんかやるタイプじゃないから……。

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(吉田豪)そうなんですよ。全て見切り発車なんですよ。実はだから、これも負けた子がセカンドユニットを組み始めたんですよ。あれも実は何も決まっていなくて、いざ始まってからあまりにもみんなが残酷な感じになっているからちょっと救済措置を作ろうっていうことで突然思いついて。負けた子を集めてセカンドユニットを集めるっていうことになって。で、スタッフみんな大慌てでいろいろと動いて。

(宇多丸)うんうん。

(吉田豪)で、セカンドシーズンがいまやっていて、この間終わったところなんですけど、セカンドシーズンっていうのも実は最初は勝ち残ったラストアイドル。その子たちのための番組だと言われていたらしいんですよ。ところがいざ始まったらセカンドユニットも混ぜての表題曲を勝ち取るためのバトルに変えられていて。

(宇多丸)どんどんシステムも変わっていくんだ。

(吉田豪)変わった結果、しかもラストアイドルが負けちゃって。

(熊崎風斗)はー!

(宇多丸)だから全然読めないんだ。

(吉田豪)全然読めないし、勝ち抜けば幸せっていうわけでもないという。

(宇多丸)たしかに。っていうか、気が抜ける瞬間がない感じ。

(吉田豪)で、セカンドシーズンは正直僕ら、気を抜いていたんですよ。そのできたセカンドユニットも含めた5グループで総当たりバトルをやって、いちばん勝った子が表題曲を歌う。他の子はカップリングだから前の本当に生きるか死ぬかみたいな戦いとはぜんぜん違うじゃないですか。

(宇多丸)まあ一応ね、出れるわけだから。

(吉田豪)これはもう気楽だなと思って。ユースケ・サンタマリアさんがセカンドシーズンの司会で、「僕ら本当に楽ですね」って言っていたんですよ。ところが全然違って。こっちの方が残酷だったんですよ。あの、選ばれないと僕らの否定された感じになっちゃうんですよね。

(宇多丸)ああー。

より過酷なセカンドシーズン

(吉田豪)で、選ばれなかったチームの子が目の前で泣いて崩れて……みたいなものを僕らが見せられるんですよ。

(宇多丸)ねえ。いままでも多分、アイドルの運営の上ではあったことかもしれないけど……。

(吉田豪)ただ、みんな気を張っていて一対一だから、後ろに回ってから泣いたりしていたのが目の前で行われて泣き崩れた子がインタビューを受けたりするんですよ。もう、審査員が耐えられなくなるっていう(笑)。

(宇多丸)だからもう、残酷ショー極まれり状態になってきてるっていうことだ。最初のね、蒲原さんとかもそうだけど、ちょっと女の子たち心配な感じもしますけどね。ここまで来ると。

(吉田豪)ただぶっちゃけ、審査員を心配してほしいんですよ(笑)。

(宇多丸)心配だよね(笑)。まあね。でも、審査員の人たちはいままでね、それこそさ、好き放題にロフトプラスワンとかBUBKAでやいのやいのね。

(吉田豪)「クソ曲がよお!」とか言ってた人が(笑)。

(宇多丸)アハハハハハッ! 俺の語彙じゃないんですよね。これはコンバットRECって男のあれですけども。ねえ。それがさ、まさか……。

(吉田豪)そういう事態にされていくっていう。

(宇多丸)まあでも、発明は発明ですよね。審査員側にも負荷がかかるっていうさ。

(吉田豪)審査員が最大の負荷っていう(笑)。

(宇多丸)まあある意味、フェアっちゃあフェアっていう。でも、いちばん大ボスはそこは出てこない。

(吉田豪)一切燃えない(笑)。正直、だからファーストシーズンですごい叩かれて炎上したっていうのは全然ダメージなかったんですよ。セカンドシーズンの審査の方がダメージがあったんですよ。

(宇多丸)それはその、目の前での? それはそうですよね。

(吉田豪)これはやられるでしょうっていう。

(宇多丸)いまはどの状態なんですか?

(吉田豪)いまはそのセカンドシーズンが終わって、実はこの前、サードシーズンの最初の収録に行ってきて、まだネタバレしちゃいけないんで。ただ、いろいろと変わってますね。サードシーズンも。

(宇多丸)はー。

(吉田豪)ただ、またこの知らない間にいろんなことが動いている問題っていうのがあるんですよ。実は。

(宇多丸)と、言うと?

(吉田豪)だからこの長月さんと僕のバトルがプロレスで言うアングル的な戦いがいろいろと盛り上がってきていたんで。ちょっとこれをインタビューでやろうかって『B.L.T.』っていう雑誌で連載をしていたんでインタビューのオファーをしたんですよ。そしたら、向こうからNGが来て。

(宇多丸)おおーっ!

(吉田豪)「えっ?」じゃないですか。これだけいろいろやっているのに。そしたら、向こうが言っていたのが「なんか吉田豪さんとはロフトプラスワンでイベントをやるって聞きましたよ」って言われて。僕、なにも聞いていないんですよ。「えっ、なにそれ?」っていう。「なんか会議でそれが決まったって聞きましたよ」って言われて。

(宇多丸)それがあるから、それまではっていう?

(吉田豪)でも、僕は現時点に至るまで、まだ何も聞いてない。

(宇多丸)いまも?

(吉田豪)うん。

(宇多丸)フハハハハハッ!

(吉田豪)これ3、4ヶ月前の話ですよ(笑)。

(宇多丸)ええーっ?

(吉田豪)もうね、なにがなんだかわからないんですよ。

(宇多丸)ある意味、もう吉田豪さん転がしっていう裏テーマがあるんじゃないか?っていう。

(吉田豪)それで実はつい最近、これはまだ裏も取っていないんですけど、とある48系のライターの人から聞いたんですよ。「吉田さん、大変ですよ! この前、ラストアイドルの会議で秋元さんが『これからは吉田豪を売り出す』って言ってたらしいですよ!」って(笑)。

(宇多丸・熊崎)フハハハハハッ!

(熊崎風斗)豪さんを売り出す!?

(宇多丸)どういうことだよ(笑)

「これからは吉田豪を売り出す」という噂

(吉田豪)「なんの話だよ、それ?」っていう。何も知らないし、そもそも6年会っていないっていう(笑)。

(宇多丸)アハハハハハッ! ええーっ? 売り出すもなにも、ねえ。十分にもう売れているんですけど。でもでも、違う形なのかな? えっ、アイドルとしての吉田豪?

(吉田豪)それはないでしょうけども……。

(宇多丸)曲、用意されている可能性ありますよ! 気がついたら(笑)。

(吉田豪)表題曲を僕が争う?

(宇多丸)そうそう。竹中夏海先生の振り付けとかもバッチリ決まっていて……みたいな。

(吉田豪)なにがなんだかわからない。

(宇多丸)そこまで来たら、ねえ。やるしかないじゃないですか。もう(笑)。

(吉田豪)まあ、乗っかれる限り乗っかってみますけども……っていう(笑)。

(宇多丸)でも、ねえ。それは本当だったらやっぱりすごいですよね。やっぱり秋元さんはさっきも言ったけど、みなさんが思っているような最初からコンセプチュアルにっていうか、マーケティング的に考えるタイプじゃ全然なくて。その場その場で面白いと思ったことを反射神経的にポンポンやっていくっていうタイプだから。やっぱり吉田豪を……要するに、「豪ちゃんを使えば面白いんじゃない?」ってなったらとことん行くっていうことよね。

(吉田豪)「とりあえずこれ、乗っかってみようか?」みたいな。でも、結構誤解されているなと僕も思う部分があって。本当にほぼ会ってないですけど、よく「金の亡者」的な叩かれ方をするけども、だったらもっと手堅い商売をすると思うんですよ。この人はむしろ、もっとギャンブル好きっていう方が大きくて。普通だったら当たらないと思われるもので当たったら最高。でも10個に8個ぐらいは外れるよね、みたいな感じでやっていますよね。

(宇多丸)外すことを恐れないでやっていこうっていうところが。

(熊崎風斗)思いついたものをどんどんどんどん発射していくんですね。

(宇多丸)その感じですよね。ちなみに、審査員っていうかアイドルを評価するっていうか。それ、どうですか? 難しいですよね?

(吉田豪)かなり。

(宇多丸)いろんな意味で。

(吉田豪)また全員の基準が違いますからね。

(宇多丸)そうですよね。吉田さんはやっぱり長月さんじゃなくて蒲原さんを選ぶというぐらいで、やっぱりちょっといびつな方というか、ちょっと弾けている方を選ぶ?

(吉田豪)そうですね。完全にキャラ重視です。

(宇多丸)完成度よりはそっちとかね。

(吉田豪)だから難しいんですよ。歌バトルだから歌唱力重視で選ぶべきなのかとも思うけど……。

(宇多丸)ただ、アイドルソングの……。

(吉田豪)特に秋元さん案件とかってそんなに歌唱力で選ぶ意味がない部分、あるじゃないですか。ぶっちゃけライブ、口パクだったりすることもあるわけで。

(宇多丸)その、ね。歌唱力が必要な系のスタイルのアイドルもいるけど、そうじゃないもんね。

(吉田豪)そうじゃないんですよ。

(宇多丸)で、そこで活きるのって考えたらね、やっぱりアイドルソングのイズムってあるから。上手ければいいっていうもんでもないっていう。

(吉田豪)そこなんですよ。審査のたびに思うのがそれで、特に挑戦者がスキルが高い子が来がちなんですよ。

(宇多丸)まあ当然、テレビで歌のバトルなんだから……。

(吉田豪)歌ウマバトルみたいなものだったら当然挑戦者の価値なんですけど、アイドル力ってそれじゃないんですよね。アイドルはスキルではない。

(宇多丸)スキルではないんだけど、じゃあ下手なら……って、そういうことでもない。

(吉田豪)いい上手さ、いい下手さ、悪い上手さ、悪い下手さがあって。

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(宇多丸)わざと下手に歌ったりしたら、それはあざといっていうか。いちばん鼻持ちならないわけで。ねえ。

(吉田豪)神がかり的な下手さってたまにいるんですよね。

(宇多丸)あの、「全部間違っている。つまり、全部正解!」っていう(笑)。

(吉田豪)そうそう(笑)。

(熊崎風斗)それはでも、「アイドル性がある」っていう評価に?

(吉田豪)そう。アイドル性です。

(宇多丸)これ、だから実は女の子に限らないんですよ。男でも、おっさんでもアイドル性高い人っていて。それこそ長嶋茂雄という人がなぜ愛されるのか? あれはもうアイドル性としか言いようがない。

(吉田豪)全てズレてるみたいな(笑)。

(宇多丸)だから全て正解!っていうことがあるわけだから。

(吉田豪)だからやっぱりスキルで評価する人もいるから、運なんですよね。審査員の誰が選ばれるのか。

(宇多丸)そう。そこですよね、だから。

(吉田豪)これがただ、運だけじゃないと思うのが、明らかに2人が歌うところとか僕ら、見ているじゃないですか。……僕らの反応を見て選んでいる気がするんですよ。

(宇多丸)ああ、その審査員側の?

(吉田豪)「どっちに入れそうだな」って。全然ガチではあるんですよ。僕ら一切なにも聞かされていないんですけど、なんとなく誘導したい方向を選んでいるんだろうなって気がするんですよ。

(宇多丸)ああー。それはだからディレクションっていうか。チームがすごく優秀なんでしょうね。やっぱりね。

(吉田豪)その結果、3対1の「1」で勝つケースが多いっていう風になるという。

(宇多丸)で、そうするとさらにね、番組的には盛り上がる感じの炎上。

(吉田豪)で、見ている人たちは「なんでこうなるんだよ!」ってなるっていう。

(宇多丸)よくできてるんだ。

(吉田豪)よくできてますよ。

(宇多丸)しかもその「よくできてますよ」っていままでだったらね、ものすごい高見の見物で吉田さんが……っていうか、吉田豪さんの持ち味っていうか立ち位置は常に高見の見物なんですよ。なのに、これがもう渦中に(笑)。

(吉田豪)ついに、渦中の中から眺めているっていう(笑)。

(宇多丸)しかもさ、秋元さんからこれは本当かどうか……まあでも本当だとしたら、名指しされてですよ……。

(熊崎風斗)すごいことですよね。どういう風になっていくのか。

(宇多丸)いずれ、わかんないよ。「熊崎、面白いから熊崎で行こう!」ってなるかもしれないですよ。

(熊崎風斗)本当に秋元さんの頭でそれが浮かんだら本当に……浮かべ、秋元さん!

(吉田豪)フフフ(笑)。

(宇多丸)熊崎くんだったら俺、それは……だって、あるでしょう? アイドル性。

(吉田豪)アイドル性、ありますよね。

(熊崎風斗)アイドル性っていうのが僕、だからわからない感覚かもしれないです。

(宇多丸)僕、初回に熊崎くんがスタジオに入ってきた瞬間に爆笑したじゃないですか。

(吉田豪)ダハハハハハッ!

(熊崎風斗)それ、ありました。

(宇多丸)なんにも面白いこと言ってないのに、爆笑したじゃないですか。

(熊崎風斗)ただ入ってきただけで。言葉も発していない。

(宇多丸)これ、やっぱりありますよね。

(吉田豪)わかりますよ。表情とかでなんとなく、もう。

(宇多丸)なんか。どう転ぶか。

(吉田豪)アナウンサーとしては正解かどうかわからないですけど。

(宇多丸)でも吉田さんもね、超然としている場合じゃないですよ。来週あたり、振り付けの練習をさせられている可能性もありますからね!

(吉田豪)フハハハハハッ! 本当に恐ろしいですよ。何が起こるか。

(宇多丸)でもそんぐらい、ちょっと目が離せないというか。ラストアイドルね、他局というか、テレ朝ですけども。

(吉田豪)まあ番組というか、僕の動向を見ていてくださいっていう感じですね。

(宇多丸)すごいわ。ということで、たっぷりラストアイドルのお話をうかがいましたけども。全然僕もわかっていなかったから。なので、吉田さん、お知らせごとなどまずは。

(吉田豪)『人間コク宝』シリーズの新しいのが今月中に出るはずです。そんなぐらいです。

帰ってきた人間コク宝
Posted at 2018.4.9
吉田豪
コアマガジン

(宇多丸)はい。あとはまあ、とにかくラストアイドルの吉田さんの動向を。そうやってとにかく秋元さんに名指しされているという件を思いながら見るとさらに……(笑)。

(吉田豪)それがなにかにつながるかどうか。もしかしたらこうやって言いふらしたことでポシャるかどうか。

(宇多丸)かもしれない。

(吉田豪)みなさん、見ていてくださいっていう(笑)。

(宇多丸)「言いふらす」って、放送だからね!

(吉田豪)ダハハハハハッ!

(宇多丸)言いふらすとかそういうレベルじゃないよ、フハハハハハッ! なんか不思議な感じじゃないですか。だって、表の話なのに裏の話でもあり、なんか不思議な。当事者でもあり、客観視もしていて、みたいな。

(熊崎風斗)すごい立場ですよね。吉田さんの立場って(笑)。

(宇多丸)話を聞いていても、なんかクラックラしてこない? 「なんだ、この話!?」っていう。

(吉田豪)現在進行系ですからね。

(熊崎風斗)自分が燃えているのに冷静に語るっていう。

(宇多丸)10年前に、それこそ秋元さんと絡んで、僕たちがこういう巻き込まれ方をしてこんな当事者としてキャッキャ言って話をするなんて、思いもよらなかったよね。

(吉田豪)全く。

(宇多丸)面白い。

(吉田豪)AKBとこれだけ距離を置いてきたのに、っていう(笑)。

(宇多丸)それだけに、やっぱりトータルで言えば秋元康、恐るべしっていうことかもね。

(吉田豪)ですね。セカンドシーズンの結果もそれでしたからね。それこそつんくさんのプロデュースとか、すごいよかったんですよ。セカンドシーズンって負けた時にどう調整していくか? みたいなバトルだったんですよ。どう修正していくか。でも秋元さんは一切修正しないっていうやり方を選んだんですよ。そしたら、いろんなそれこそラストアイドルが負けたりとかがあった結果、なぜか最終的に秋元プロデュースの優勝になるんですよ。一切いじらない。

(宇多丸)フフフ(笑)。

(吉田豪)「えっ?」って話じゃないですか。

(宇多丸)だからちょっと、突然のルール変更っていうか、状況変更。

(吉田豪)結果オーライにしちゃう感じっていう。

(宇多丸)常に面白い方が正解っていうかね、そういうことだからね。まあちょっと、目が離せないということで、来週以降も吉田さん、ご自愛ください(笑)。

(吉田豪)はいはい!

(宇多丸)あとこの番組ももちろん、引き続き。

(吉田豪)もちろん。すごい聞いてまーす。

(宇多丸)またお招きしていろんなお話を聞かせていただきたいと思います。ありがとうございました。吉田豪さんでした。

(吉田豪)ありがとうございました。

<書き起こしおわり>

吉田豪と宇多丸 NARA MINARA IDOL FES伝説を語る

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吉田豪さんがTBSラジオ『アフター6ジャンクション』にゲスト出演。奈良の商業施設ミ・ナーラで行われ伝説となったアイドルフェス『NARA MINARA IDOL FES』について宇多丸サント話していました。


(熊崎風斗)『アフター6ジャンクション』、ここからは日替わりゲストから旬な話題についてうかがうカルチャートークです。今日はプロ書評家でプロインタビュアーの吉田豪さんです。

(吉田豪)はい。お願いします。

(宇多丸)いらっしゃいませ。よろしくお願いします。前回は4月9日。で、今回が2回目の登場で。ラストアイドルは何しろ審査員に負担がかかる。審査員残酷ショーだってっていう。

(吉田豪)恐ろしい番組だっていう話をしたじゃないですか。この前、秋元(康)さんに会ったんですよ。久しぶりに4、5年ぶりぐらいですかね。一言目が「ラジオの書き起こし、読ませていただきました。面白かったです」っていう(笑)。


(宇多丸)やっぱりチェックしてますね!

(吉田豪)ほんの30秒だけの会話っていう(笑)。

(宇多丸)でも、これからは吉田豪をプロデュースだっていうか、盛り上げるぞっていうのは……。

(吉田豪)否定も肯定もせずですよ(笑)。

(宇多丸)っていうことは、やっぱり言っているんでしょうね。やっぱりね。その後、なんか動きはないんですか?

(吉田豪)微妙な動きはあるんですよ。まだ発表されていないんですけども。

(宇多丸)ああー。そうか。それはじゃあまた……。

(吉田豪)もしかしたら僕に大きな仕事が入るかもしれないっていう(笑)。

(宇多丸)アハハハハハッ! その吉田豪アイドル化計画(笑)。

(吉田豪)アイドル化かどうかはわかんないですけど、大きなプロジェクトに巻き込まれる可能性はあるという。

(宇多丸)マジですか? じゃあ、それはまた明かせる時にここでお話をうかがいたいですけども。ということでね、前回から吉田さん、ご存知だとは思いますが……。

(吉田豪)ダメ出しされていましたね(笑)。

(宇多丸)されたんだけど、まだ根本的な改善はなされていないので。付け焼き刃的に若干丁寧な言い方をさせてください。吉田豪さん、本日はどのようなご用件でお越しになったのでしょうか?

(吉田豪)はいはい。宇多丸さんが音楽フェス(『人間交差点』)を今週やるということで。宇多丸さん、ちょっと音楽フェスをちゃんとわかっているのかな?っていうことで。

(宇多丸)アハハハハハッ!

(吉田豪)僕もフェス、出る側じゃないですか。

(宇多丸)フェス、出る側!?

(吉田豪)僕、かなりフェスに出てますよ。ご存知ないですか?

(宇多丸)はい。

フェスに出まくりの吉田豪

(吉田豪)僕、去年の5月6日。ちょうど昨日ですね。武道館に出ているんですよ。

(宇多丸)武道館、なんですか?

(吉田豪)武道館でアイドルの物販だけやるイベントっていうのがあったんですよ(笑)。ライブゼロの。

(宇多丸)それ、フェスって言わないでしょう? アハハハハハッ!

(吉田豪)フェスですよ。アイドルの物販フェスがあって、その日は僕、9時間SHOWROOMで配信したんですよ。

(宇多丸)へー!

(吉田豪)で、昨日がさいたまスーパーアリーナですよ。さいたまスーパーアリーナで『ビバラポップ!』っていう『VIVA LA ROCK』から派生したアイドルイベントがあって。昨日は9時間、SHOWROOMで配信しました。

(宇多丸)へー! いま、そうか。アイドルフェスみたいなのが増えているということなんですね。それで吉田さんも……。

(吉田豪)2年連続で武道館、たまアリと来てるんですよ。

(宇多丸)フハハハハハッ! なんか吉田さんの中にいままでにないカマしを感じましたけども(笑)。

(吉田豪)フフフ、まあどっちも配信しているだけなんですけども(笑)。舞台裏にいるだけなんですよ。でも、昨日は一瞬だけ舞台に立ったのがラストアイドルの企画だったんですよ。

(宇多丸)ああ、なるほど。へー!

(吉田豪)それぐらい僕はフェスづいているんですけども。僕はこのゴールデンウィーク、ものすごい連続3デイズのフェスがあったんですけど。ご存知ないですか?

(宇多丸)僕、あんまりわかってないですね。

(吉田豪)『NARA MINARA IDOL FES』っていう。あんな話題になっていたのに。

(宇多丸)ああ、そうですか。まあノーSNS人生を送っていますからね。わかっていないんですけども。どんなイベントなんですか?

(吉田豪)僕が3日間司会をすることになったイベントなんですけども。

(宇多丸)それも大変ですね。3日間も。

(吉田豪)今年初開催の。まあ、やる前からいろいろと話題になっていたんですよ。「大丈夫なのか?」っていう方向で(笑)。

(熊崎風斗)「大丈夫なのか?」(笑)。

(宇多丸)なるほどね。それは、「大丈夫」っていうのは集客? それとも……?

開催前からある意味話題のフェス

(吉田豪)いろんな意味で。まあ、奈良ではじめての大きなアイドルフェスだったんですけど、タイムテーブルがまずなかなか発表されなくて。発表されても時間の表記がおかしい。吉田豪の出番が「16:30-16:30」とかになっていて。

(宇多丸)ああー、そういう時空のねじれがすでに起こっているタイムテーブル。

(吉田豪)「16:30-14:30」とかになっていたりとか。「あれっ?」みたいなものばかりで、おかしいぞっていうことがイベント前から出ていたんですよ。

(宇多丸)うんうん。なるほど。

(吉田豪)前日になってもタイムテーブルがちゃんと出ない感じで。で、僕の3日目のタイムテーブルなんて僕の名前がないんですよ。

(宇多丸)フハハハハハッ! 司会のはずなのに。

(吉田豪)そうです。そうです。前日にわかったのが「この時間調整という部分で出てもらいます」みたいな(笑)。

(宇多丸)司会じゃないの!? おかしいじゃない?

(吉田豪)そうそう。非常に不思議なイベントだったんですよ。もう始まる前からそんな感じで、初日にいろんな不手際が起きて大騒ぎになって……っていう感じでね。

(宇多丸)で、ホットワードというかバズっちゃったと。

(吉田豪)わかりやすく言うとひとつのステージで音響のトラブルがすごく相次いで。90分押しになって出られないグループ多数とか。いろんなことがあったんですよ。

(宇多丸)それはひどいね。

(吉田豪)で、僕で言いますと、僕は1回だけこの運営の人と東京で打ち合わせして。で、新幹線のチケットを渡されて。その時点で不安な話はいろいろとしていたんですよ。「メインは屋上のステージだ」って言っていたんですけど……。

(宇多丸)まず会場はどういうところなの?

(吉田豪)会場がですね、奈良のできたばかりのショッピングモールです。ショッピングモールの4ヶ所ぐらいでアイドルがライブをやるんですね。

(宇多丸)それがミ・ナーラっていう場所?

(吉田豪)ミ・ナーラっていう、できたばかりの施設なんですね。で、こっちも全然わかっていないですから。「ああ、全然いいですよ」っていう感じでチケットを渡されて。ところが、「屋上のステージがなんか使えないっぽいんですよ」っていう(笑)。目の前のはずなのに……。

(宇多丸)「使えないっぽい」って、他人事みたいに言うなよ!っていう。

(吉田豪)そういうのがあるからタイムテーブルもなかなか組みづらくて……みたいな感じで。

(宇多丸)ちょっと待って。普通、場所を押さえてからイベントっていうのはやるんじゃないですか?

(吉田豪)ところが場所を押さえたものの、そこにいろいろとまたテナントが入っちゃって使えなくなって……とか、いろいろあったみたいで。いろいろな二転三転があって。

(宇多丸)話を通してなかったの?

(吉田豪)いや、通してはいるんだけど、急遽そこに何か入っちゃったとかいろんなことがあったみたいで。まあ、とりあえず新幹線のチケットだけ渡されて「わかりました」って言うじゃないですか。で、前日ですよ。新幹線のチケットを見て不安になったのが、僕の出番が初日の頭。朝11時からだったんですよ。で、チケットを見たら10時35分に京都に到着って書いてあって。間に合うわけがないんですよ。

(宇多丸)フハハハハハッ! なんかさ、その全てにおいて時間の読みがおかしいっていう(笑)。

(吉田豪)読みがおかしい。まず間に合うわけがなくて。もう1個、特急券の他に乗車券があるじゃないですか。その乗車券を見たら「京都市内」で。奈良までたどり着けないんですよ(笑)。そもそも。

運営から渡されたチケット


(宇多丸)ああーっ!

(吉田豪)まず、不安だらけじゃないですか。

(宇多丸)ねえ。京都でほっぽり出されても、どうするんだ?っていう話だよね。

(吉田豪)だから早めの自由席に乗って自力でたどり着いて。メシも食わずに。


(宇多丸)ああ、そうですね。そうかそうか。自分で「これじゃ間に合わないから」って。そのもらったチケットじゃあ……。

(吉田豪)で、なんとか奈良駅まで行って、タクシーに乗ったらタクシーの運転手さんがすごい話し好きで面白かったんですよ。「奈良のミ・ナーラっていう新しい施設、わかりますか?」って言ったら、「ああーっ!」っていう感じで。結構いわくつきの土地らしくて、ネット上でも話題になっていたんですね。長屋王っていう昔の偉い人(奈良時代の有力者。藤原氏との政争にやぶれて長屋王の変で失脚する)の邸宅の跡地に作ったせいで、どんなテナントが入ってもすぐに撤退する場所で。「長屋王の呪い」とか言われていて。

(宇多丸)へー! 運気が悪いっていうか。

「長屋王の呪い」


(吉田豪)そうです、そうです。まあ、場所が悪いっていうのあって。奈良駅からすごい遠いんで。そのせいもあるんですけど。「いろいろといわくつきの場所なんですよ、あそこ」って言っていて(笑)。

(宇多丸)フフフ、かぶせてきますねー! 暗雲が垂れこめてきて。

(吉田豪)垂れこめてきて。不思議な場所で。売りが忍者ショーなんですよね。そこのショッピングモールの中で忍者アイドルも生み出していて。で、なんでか?っていうと、その運転手さんがボヤいていたんですよ。「奈良、忍者は関係ないんですよ」って言っていて(笑)。


(宇多丸・熊崎)フハハハハハッ!

(吉田豪)「全然奈良って忍者は関係ないんですけど……」って。

(宇多丸)そうですよね。伊賀・甲賀とかだったらそうだけど。

(吉田豪)どういうことか?っていうと、そこの施設の前にすごい高級ホテルが2020年完成予定でいま作られていて。そこが海外の富裕層向けのところで。最低料金10万ぐらいの勢いで作っているところで。だから外国人向けに忍者だ!っていうことで……。


(宇多丸)フフフ、志が……奈良っていっぱい他にもあるだろ、いろいろ! 奈良だったらいくらでもあるだろ!?

(吉田豪)そんな感じでやり始めたところらしくて。

(宇多丸)奈良の歴史、リスペクトなさすぎでしょ!

(熊崎風斗)「外国人は忍者が喜ぶ」っていう、すごい単純な考え。

(宇多丸)奈良に来ているんだから、奈良のそういう平城京とか諸々の歴史をわかって来ているのに……。

(吉田豪)その運転手さん、ボヤきまくってるんですよ。「2020年まで、持ちますかね?」みたいな感じで。

(宇多丸)フハハハハハッ! すでに、いいですねー。

(吉田豪)到着前からいい感じで。で、面白かったんですよ。ゲストも。なぜか現役の地下アイドルの方々に紛れて浅香唯さんとかも出てらして。それもなんでか?っていうと忍者だからですよ。風間三姉妹。

(宇多丸)ああ、『スケバン刑事』の。なるほどね。そ、そこはちゃんとやるんだ。忍者押さえはちゃんとやるっていう。

(吉田豪)そうなんですよ。でも、浅香唯さんに忍者の話を振ったって、別に答えられるわけもなくて。

(宇多丸)フハハハハハッ! 忍者っていうかさ、『スケバン刑事』だからさ。アハハハハハッ! 諸々おかしいじゃん!

(吉田豪)でも、面白かったですよ。そんな感じで。ライブ自体、本当にいろいろと、そういう運営の不手際的な感じでバズりまくって。

(宇多丸)でも、出てくるメンツは東京パフォーマンスドールとか。

(吉田豪)そう。sora tob sakanaとか、いろんな方が出ていたんですけどね。すごかったですよ。写真だけ見ても何かおかしなことが起きているのは伝わるんですけどね。

(宇多丸)集客とかはどうなんですか?

(吉田豪)それなりに入っていましたよ。本当、だから僕らもリハも何もやっていなくて。見ての通り、ネットで話題になったやつだと、ステージというかただの板っていうね。

(宇多丸)ああー、板がドーンと置いてあって。たしかにね。

ただの板がステージ


(吉田豪)とか、スピーカーをただソファーの上に置いてあるだけとか。


(宇多丸)はいはい(笑)。アハハハハハッ! なんかなー、これ、運営っていうかやっている方たちってどんな人たちなんですか?

(吉田豪)運営をやっている人はいま、新しく少女隊っていうグループがまた始まっているんですけど、少女隊と千葉真一の所属している事務所の人です。

(宇多丸)へー。当然、だからそのフェスの……。

(吉田豪)フェスとかのプロではないっていう感じですね。

(宇多丸)だからコンサートの制作とかをやったことがないのに……っていう。

(吉田豪)ちなみに僕がなぜ最初に不安になったか?っていうと、東京での待ち合わせがとあるホテルのラウンジだったんですよ。で、そこに僕も早めに行って、いざ入ろうとしたらその人は30分前から待っていたらしいんですけど、「すいません! 席が空きません」って言われて(笑)。で、「別のところに行きましょう」って言われて、別のところに行ってもいっぱいで、またそこでも10分ぐらい待って。「あれ? この人はちょっと心配だぞ?」っていう(笑)。

(宇多丸)手際が、ねえ。別に予約とかしとけばいいのにね。

(吉田豪)そう(笑)。フェス的なものにはあまり向かないんじゃないか?って思った瞬間がそれで(笑)。

(宇多丸)あと、そのタイムテーブル感覚はヤバいですよね。いちばんだってフェス運営は……。

(吉田豪)時間が押しちゃいけない。

(宇多丸)押しちゃいけないし、最初からそんな混乱しているんじゃあ……そうか。それで見ている人も「これはちょっとただ事じゃないぞ」っていう?

(吉田豪)ただ、いわゆる無銭イベントだったんでお客さんはそんなに怒る感じじゃなかったんですよ。

(宇多丸)ああ、なるほど。

(吉田豪)運営の方々が結構怒ってらっしゃって。まあ、そりゃそうですよね。わざわざ来て出番がないとか。事件だらけだったんで。

(宇多丸)そりゃそうですよ。そんな中で、吉田さんはどうサバイブしていったんですか?

(吉田豪)まあ、全てそういうののネタばらしをしていく感じですね(笑)。

(宇多丸)「これはこうやって……」って。これはおいしいぞと。

(吉田豪)当たり前ですよ(笑)。だから元スマイレージの田村芽実さんとかも出ていたんですけど。「よく出ましたよね、こういうイベント」みたいな感じのいじり方をしていったっていう。

(宇多丸)お互いね、それはね。あと、俺がちょっと聞いた話だと、控室。なんか吉田さんの控室が外から丸見えっていう……。

(吉田豪)僕、最初に言ったのが、「仕事がしたいので仕事をできるスペースだけは確保してください」っていう。

(宇多丸)常にパソコンを開いて仕事されてますからね。

(吉田豪)「Wi-Fiがあればベストだけど、電源が取れて原稿が打てればいいです」って言って「わかりました!」って言っていたんですよ。で、着きました。あの、ショッピングモールの1階に仮設ステージがあるじゃないですか。そのステージの真横。お客さんから丸見えのところに、音響のスタッフとかと一緒の電源を引っ張って、「はいどうぞ!」って用意されて。「ちょっと待ってくださいよ!」っていう。

(宇多丸)フハハハハハッ!

(吉田豪)写真を上げられまくって。「吉田豪がエゴサ中」とか(笑)。「やめてくださいよ、これ! せめて死角に……」っていう(笑)。

(熊崎風斗)なんの仕切りもなく?

(吉田豪)なにも。

(宇多丸)さ、晒し者(笑)。

(吉田豪)晒し者なんですよ(笑)。


(宇多丸)で、その然るべきタイミングで「さあ、司会の吉田豪です」って……。

(吉田豪)で、Wi-Fiもないからしょうがいないから僕は自分のiPhoneで(テザリングで)やっているじゃないですか。みんながもう「吉田豪のiPhone発見!」って(笑)。みんな、それをスクショ取って、みたいなのを繰り返して。「吉田豪を近くに感じる」ってみんなが……(笑)。

「吉田豪を近くに感じる」(Wi-Fi的な意味で)


(宇多丸)物理的に(笑)。そういうさ、あれだとご飯とかそういう系は?

(吉田豪)ところが、いいんですよ。ショッピングモールだから。

(宇多丸)ああーっ! それ、勝手に食べるんでしょう? ただ単に。

(吉田豪)だから本当にいろんなところにアイドルが……だから、なにがいいって『TOKYO IDOL FES』の1年目っていうのがそこら中をアイドルが歩いて、そこら中でアイドルがメシを食っているのが面白いって言われていたんですけど、あれに近いんですよ。

(宇多丸)へー!

(吉田豪)そこら中でみんなが本当に安くご飯が食べれるんですよ。ショッピングモールだから。で、目の前にアイドルが一緒にご飯を食べていたりとか。スーパーが入っているので、本当に安く酒を飲んだり安くメシを食ったりっていうのがすごくできるんですけど、ふと横を見るとアイドルもお惣菜を買っていたりとか。

(宇多丸)それ、ファンはうれしいけど、出る側は嫌でしょう?

(吉田豪)そうですよ!(笑)。

(宇多丸)フハハハハハッ!

(吉田豪)そりゃそうなんですよ。気が抜けない(笑)。

(宇多丸)俺、いちばん嫌なやつだよ! 「動線かぶってます!」みたいなやつだよ! トイレ、直前全部一緒ですよ、みたいなそういうやつ。

(吉田豪)そういうやつです。控室が足りないから(笑)。

(宇多丸)着替えとか大丈夫なの? ちょっとゾッとするな。

(吉田豪)アイドルの控室は一応あるっちゃあったんですけど。まあ僕はなかったということですね。ただ、アイドルの控室もいわゆる従業員の控室と同じようなところだったみたいなね。

(宇多丸)いやー、やってくれますね。やっぱり、さすがに。

(吉田豪)面白かったですよ。でも、運営というか施設側は結構乗り気で。「来年以降も続けていきたいです! 吉田豪さん、お願いします」みたいな。

(宇多丸)フフフ、どうしますか? またオファーが来たら。

(吉田豪)全然やりますよ。面白いじゃないですか。

(宇多丸)面白いから(笑)。ねー。それでも、実はいわゆるロック系とかそういうフェスでも、やっぱりありますよ。

(吉田豪)1年目は絶対にね、詰めが甘いし。

(宇多丸)あと、何年もやっているやつでも、裏の話を聞くと「あそこは本当にデタラメだから……宇多さんなんか行ったら怒っちゃうからダメ!」みたいな。よく言われたりしますね。

(吉田豪)これもだから初日があまりにもひどくて。運営の人が謝っていたんですよ。「すいません。2日目には改善します」って言っていて絶対に無理だろうと思っていたら、思いの外改善しちゃって、お客さんががっかりしていたんですよ。「事故現場を期待してきたのに、なんだよ!」っていう(笑)。「全然押してねえじゃねえかよ!」っていう(笑)。

(宇多丸)フフフ、なるほどー。

(吉田豪)初日はだから控室の音声が漏れちゃっていたりとか。

(宇多丸)ああーっ、ヤバいやつじゃん、それ。

(吉田豪)いろんな事故が起きていたのに。そういうことをみんな期待して来ていたんですよ。

(宇多丸)ああー、控室のはダメでしょう。それ。

(吉田豪)ちょっとだからいろんなところで爆音を出していたから、テナントの人が怒っていたぐらいだったんですよね。

(宇多丸)その、でもミ・ナーラでやるっていう時の根回しのできてなさ。それが問題ですよ。だって。

(吉田豪)そこなんですよ。その事故はいっぱい起きていて。

(宇多丸)そこから始まるものでしょう?

(吉田豪)怒られるたびにステージの位置が変わっていくんですよ。毎日(笑)。

(宇多丸)フハハハハハッ!

(吉田豪)それが面白くて(笑)。

(宇多丸)避けていって(笑)。

(吉田豪)そう。エレベーター脇のこっちで怒られたから、今度は反対側にしてって。

(宇多丸)そんなの、ちょっと避けたからって音が響いているでしょう。音楽フェスなんだから!

(吉田豪)で、最後に「ここだ!」って思ったのが、最終的には1階の入り口に持っていって(笑)。

(宇多丸)フハハハハハッ! すごいなー!

(吉田豪)音が回りまくりで面白かったですよ(笑)。

(宇多丸)それは珍しい。ステージが移動してくのははじめて聞きましたね。

(吉田豪)はじめて聞きましたよ。場所が毎回違ったんですよ(笑)。物販のスペースも毎回変わっていって。手探りでしたけど面白かったですね。

(宇多丸)ああ、そう。これはいいのをゲットしましたね!

<書き起こしおわり>


吉田豪『帰ってきた人間コク宝』と漫画家・浅野いにおを語る

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吉田豪さんがTBSラジオ『アフター6ジャンクション』にゲスト出演。新刊『帰ってきた人間コク宝』と、そこに収録された浅野いにお先生のエピソードについて話していました。

帰ってきた人間コク宝

(宇多丸)あとはあの、吉田さん。先月の28日に発売になった『帰ってきた人間コク宝』。

(吉田豪)ああ、新刊の告知もしていいんですか?

(宇多丸)ああ、ぜひ。そちらの話も。

(吉田豪)しますよ。ぜひとも。ありがとうございます。突然ヒップホップ色も増したんですよ。

(宇多丸)『人間コク宝』シリーズ。いろんな人にインタビューしてっていう。今回はちょっと、ねえ。

(吉田豪)いままではケーダブさんぐらいしか出ていなかったのが、ZEEBRAさんとか漢 a.k.a GAMIさんとかUZIさんとか。

(宇多丸)呂布カルマとか?

(吉田豪)そうです、そうです。

(宇多丸)しかもUZIとか、ちょっとタイムリーになっちゃいましたけども。どうして急にヒップホップの人がこんなに増えたんですか?

いままででいちばんカオスな人選

(吉田豪)全然深い意味はないんですよ。単行本化する気もないぐらいの感じで。人間コク宝の連載をずーっとやっていた『ブレイクマックス』っていう雑誌が休刊になって。で、よりエグい『実話BUNKAタブー』っていうかなりひどい雑誌があるんですけど。「『実話BUNKA超タブー』とどちらかで連載してくれ」ってたのまれて、ずーっと逃げていたんですよ。でも、逃げ切れなくなったんで、いままでとは違ってそんなにテーマ関係なく、だから元アイドル的な要素もあったり、現役アイドルも出るし。元アイドルも出るし。単純に会いたい人に会っていただけなんで。いままででいちばんカオスな感じにはなっているんですよ。

(宇多丸)うんうん。すごいですね。メンツがね。

(吉田豪)そんな中で、単行本未掲載だったのも実は載せていて。それがちょっとすごいので軽く紹介したいのが、浅野いにお先生という漫画家の方。まあ、サブカル、おしゃれ系。

(宇多丸)おしゃれな感じですよね。『Life』のTシャツとか。

(吉田豪)TBSラジオで言うと『Life』の印象が強いんで。なんかまあ、いわゆるちょっといけ好かない……(笑)。

(宇多丸)そんなことは言ってないよ(笑)。インテリ感、おしゃれ感……。

単行本未掲載だった浅野いにお先生のエピソード

(吉田豪)インテリ感、おしゃれ感じゃないですか。ヴィレヴァンに推される人で、仮想敵にされやすい人で。で、最初に1回目のインタビューは前の単行本(『人間コク宝 まんが道』)に載っているんですよ。それで敵か味方か確認するっていうので行って。

人間コク宝 まんが道
Posted at 2018.5.7
吉田 豪
コアマガジン

(宇多丸)「敵か味方か」(笑)。

(吉田豪)想像以上にどうしようもない人で好きになって帰ってきたっていうパターンだったんですよ。

(宇多丸)アハハハハハッ! 「どうしようもない」。ああ、そうなんですか?

(吉田豪)まあラジオでわかりやすく言うと、「僕は基本的には伊集院光さんぐらいしか聞かない人で、『Life』とかは本当難しすぎてわからなくても。全然聞けないです。なに言ってるのかわかんないんです」っていう。

(宇多丸)アハハハハハッ! そういうことを言っちゃダメでしょう?(笑)。

(吉田豪)「あなた、仕事しているんですよ!」っていう(笑)。

(宇多丸)そんな言わなくていいのを言っちゃうと。

(吉田豪)そう。その言わなくていいやつの極み。そのせいで単行本に掲載できないと思っていたのがいまさらOKが出て載ったんですよ。

(宇多丸)なんだろう?

(吉田豪)これが、最初のインタビューの時点で不穏な話が出ていたんですよ。「いま付き合っている彼女の顔が好きじゃない」とか。

(宇多丸)アハハハハハッ! 言わない、言わない!

(吉田豪)思っていたことを全部言っちゃうんですよ。で、要は「エッチをする時も局部しか見ていない」とか、そういうことを言うんですか! みたいな。

(熊崎風斗)言わないであげて……。

(吉田豪)そのせいで彼女とケンカになったんですけど、それを乗り越えて結婚をした。

(宇多丸)ええっ? いいの? 彼女は。

(吉田豪)したんですよ。で、その彼女とギクシャクしている話っていうのをずーっと聞いたインタビュー(笑)。っていうか、なんで2度目のインタビューをしたかっていうと、小学館の謝恩会の二次会かな? で、話していた話があまりにも異常だったんで、面白い。それを掘り下げてみたいという。要は彼女に「このアイドル、かわいいな」とか突然言うと彼女が嫉妬する。「なんでそういうことを言うの?」って。

(宇多丸)まあ、それは理解できますけどね。

(吉田豪)で、この人は思ったことを全部口にしちゃうから、考えたのは「思ったことを口にしなければいい」じゃなくて、「思わなければいい」になっていて(笑)。

(宇多丸)フハハハハハッ!

(吉田豪)「女の子はかわいいと思わない!」っていう。

(宇多丸)ひ、低い!

(吉田豪)って考え始めて。で、その頃にちょうど髪の毛が薄くなってきたのでそういう薬を飲み始めたら、あれって女性ホルモンなんですよね。で、感覚がちょっと変わってきて、だんだん「男性がいい」って思い始めて。で、もともと女装願望があった人なんですよ。「性転換してみたいな」とか真顔で言い始めていて。で、なんでかっていうと、そこからなんですよ。奥さんが怒るから。「それだったら、いい?」って聞いたら、「いい」って言われたみたいな……。謎なゆがみ方しているじゃないですか。すごい不思議な人で。

(宇多丸)なんなんだろうな? 思考がおかしい。

(吉田豪)本当おかしいんです。で、あとはだからすごいモテそうなタイプなのにモテている実感がない人なんですよ。その不安をずーっと抱えていて。で、このインタビューで突然言い始めたのが、「これは多分カットすると思うんですけど……」っていうのが、「最近、デリヘルにハマっていまして」って言い始めて(笑)。「はあ?」っていう。だからモテの実感がない。「たまにTwitterとかで『素敵』みたいな感じで言われるけど、それは『浅野いにお』っていう漫画家が持てているだけで、それは僕じゃない」っていう。

(宇多丸)うんうん。まあ、そこまではいいとしよう。

(吉田豪)「生身でモテるかどうかの実験がしたい」っていうことで、デリヘルに通い始めるっていう。

(宇多丸)関係ないよ!

(吉田豪)職業も嘘をついて、このままで行って。

(宇多丸)いや、風俗でモテるのモテないのって……。

(熊崎風斗)それで実感できるっていうことなんですかね?

(吉田豪)そうなんですよ。そんなことをやり始めて。で、「デリヘル楽しい!」っていう(笑)。

(宇多丸)フフフ(笑)。なんか当初の目的からどんどんズレている感じが……。

(吉田豪)ズレている感じなんですよ。で、この時期に『オトナの!』っていう番組があって。で、僕が「ゲストのパートナー、誰がいいか?」って言われて、杉作さんとかリリーさんとか、僕が仲がいいような感じの人は前に出ていたんですよね。で、誰か珍しいパートナーはいないかな?って思った時、思いついたのが浅野いにお先生で。1回、その時期に一緒に出たんですよ。

(宇多丸)うんうん。

(吉田豪)で、打ち合わせは別々だったんですね。で、現場に行きました。簡単な台本があるじゃないですか。見て、ビビったんですよ。浅野いにお先生のパート、見出しに「デリヘル」って書いてあって。

(宇多丸・熊崎)フハハハハハッ!

(吉田豪)テレビで何の話をするために来たんですか?!っていう(笑)。

(宇多丸)それ、テレビもテレビだよ! 全体に!

(吉田豪)で、テレビで本当に堂々とその話をして。なおかつ、新ネタまで入れちゃって。で、奥さんとちょっとピリッとした関係になって。

(宇多丸)ちょっと枡野(浩一)さんとかにも近いかもしれないな。

(吉田豪)ちょっと違うんですよ。正直さを履き違えた人というか。でも、それが面白いのは間違いないです。

(宇多丸)あと、低い。枡野さんをさらに低くした感じ。

(吉田豪)で、実は最近『零落』っていう漫画を出したんですが、それが主人公が漫画家で。奥さんとちょっとギクシャクし始めて風俗にハマる漫画っていう。

(宇多丸)じゃあ、本人じゃん。

(吉田豪)そうなんですよ! ほぼ実話なんですよ。

(宇多丸)ヤバい、読まないと!

(吉田豪)すごいですよ。「なんでこの人、こんなレベルまで描いたんだ?」っていう。


(宇多丸)浅野いにおさん、そんなすごいんだ。

(吉田豪)あの、浅い感じで批判する人多いですけど、すごいですよ。この人。

(宇多丸)全然ナメちゃいけない。そのあたりもじゃあ、『帰ってきた人間コク宝』を読んでいただいてという感じで。ちょっと濃厚にありがとうございました。様々な旅をしたり、とんでもない人の心の闇を覗いたり(笑)。ありがとうございました。

帰ってきた人間コク宝
Posted at 2018.5.7
吉田豪
コアマガジン

(熊崎風斗)プロ書評家でプロインタビュアーの吉田豪さんでした。

(宇多丸)またよろしくお願いします。

(吉田豪)どうもです!

<書き起こしおわり>

吉田豪 秋元康「これから吉田豪を売り出す」発言のその後を語る

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吉田豪さんがTBSラジオ『アフター6ジャンクション』にゲスト出演。以前の番組出演時に紹介した、秋元康さんが「これから吉田豪を売り出す」と発言していたことについて、その後の展開を話していました。

(宇多丸)本日は吉田豪さん、なんのお話をしていただけるんでしょうか?

(吉田豪)最初は番組サイドに「AKBの総選挙について話してくれ」っていう風に無茶振りをされて。

(宇多丸)あ、これは無茶振りなんですか?

(吉田豪)僕、なにも知らないですからね(笑)。

(宇多丸)ああー、俺ね、吉田さんがAKBの話って珍しいなと思っていて。

(吉田豪)ただ前にここでちょっと振りをしたじゃないですか。秋元さんが……みたいな。その話から始まってのAKBです。

(宇多丸)『ラストアイドル』という番組で……。

(吉田豪)『ラストアイドル』という番組で僕が炎上騒ぎを起こして……。

(宇多丸)「炎上騒ぎ」(笑)。ちょっと語弊がありますけども。審査員をやられていて、図らずも……。

(吉田豪)「あのジャッジはなんなんだ?」っていうことでちょっと燃えた時、なんか秋元さんが「これは面白い」って思ったみたいで。なんか僕を押し始めた。

(宇多丸)「これからは吉田豪を押すぞ」っていうね(笑)。

(吉田豪)っていう会議での発言があったという。それをこの番組でオープンにしたじゃないですか。その後の展開がいろいろとあったわけですよ。

「これからは吉田豪を売り出す」(秋元康)


(宇多丸)はいはいはい。

(吉田豪)「大きな話が来つつある」みたいなことをちょっとここでも話しましたけども。表に出ました。SHOWROOMが『猫舌SHOWROOM』って帯でオールナイトニッポン的というか、そういう番組が始まる。で、ホリエモンとかキングコング西野さんとか乃木坂とか指原莉乃さんとかと同じ枠で吉田豪っていうのがあるんですよ。

月曜から日曜の各曜日に「オーナー」を配置。 (月)西野亮廣/(火)吉田豪/(水)乃木坂46/(木)鈴木おさむ/(金)指原莉乃/(土)前田裕二/(日)堀江貴文 オーナーは、それぞれの手腕を活かし番組をプロデュース。 企画からキャスティングまでオーナー自身が全面的にプロデュースし 毎日、全く違う色の番組が勢ぞろ...

(宇多丸)つまり、出た。アイドル枠。

(吉田豪)というのがこの前、記者会見もやりまして。で、SHOWROOMの社長。前田社長がちょっといま、いろいろと話題なんでものすごいマスコミが来たんですよ。で、僕は何も知らされていなくて。ホリエモンとかキングコングの西野さんとか、知り合いだから。あのへんがいるんだったら埋もれるなと思って軽い気持ちで行ったら、誰も来ていないんですよ。いたのは乃木坂のメンバー、新内眞衣さん、衛藤美彩さん、与田祐希さんっていう何の面識もない人たちと指原さんと前田社長と僕なんですよ。

(宇多丸)ええ、ええ。

(吉田豪)で、マスコミが山ほど来ています。どうなるか?っていう話ですよ。

(宇多丸)まあまあ、当然……。

(吉田豪)結構な事故ですよね?

(宇多丸)SHOWROOMっていうのは動画配信サービスで。吉田さんにそういう、たとえば『ラストアイドル』の話が来たり?

(吉田豪)というか、みんな前田社長のスキャンダルの話をみんな聞きたいわけですよ。で、当然その話はNGになっちゃうじゃないですか。で、僕と指原さんで軽くいじるじゃないですか。壇上では。で、そのままなぜかワイドショーのインタビューに僕と前田社長の2人が名指しで残されて……。

(宇多丸)囲み取材みたいな?

(吉田豪)「なんで、僕?」じゃないですか。で、いろいろと聞かれるんですよ。「人生のテーマは?」とか。

(宇多丸)アハハハハッ!

(吉田豪)答えても、明らかにあっちが僕に興味を持っていないのがわかるんですよ。話しながら。

(宇多丸)向こうは吉田さんのことをわかっていないような人も?

(吉田豪)いやいや、僕を利用するために呼んでいるんですよ。つまり「プロインタビュアーと呼ばれる吉田豪さんですが、いま前田社長になにか聞きたいことはありますか?」って。要は、地雷を踏ますためだけに僕を残して。


(宇多丸)すごいね! しかも、吉田さんを迂回して話をさせるって……ある意味、狡猾な。

(吉田豪)狡猾ですよ。そのためだけに利用されたりとか。謎企画。

(宇多丸)これ、でもどうすんの、それ?

(吉田豪)まあとにかく、SHOWROOMが始まることになって。前に宇多丸さんも来たことあるじゃないですか。僕の事務所というか。新宿二丁目の。

(宇多丸)事務所。はい。

(吉田豪)あそこから放送が始まることが決まりました。

(宇多丸)あの資料部屋というか。あそこですか? すごいんですよ。360度吉田さんのタレント本とタレントグッズ。もうね、しょうもないもんが……(笑)。

(吉田豪)フフフ、「情報量が多すぎて落ち着かない」って宇多丸さんが言っていたのをすごい覚えてますよ。

(宇多丸)ああ、そう?

(吉田豪)あそこにゲストを招いての放送が来週からかな? 毎週。大変ですよ。宇多丸さんも来てくださいよ。

(宇多丸)まあ、うかがいますけども……。

(吉田豪)9時からなんで大変ですども(笑)。

(宇多丸)フフフ、タイムラグ、タイムラグ! あの、途中で抜けるやつをやらないといけないですけども。

(吉田豪)それが、だから実は前田社長のコメントとかも僕、求められたんですけどそもそもこれではじめて会ったんですよ。これの打ち合わせではじめて会って。で、前田さんにはじめて会った時、なにか?って思ったら「秋元さんに『吉田さんでやろうよ』って言われたんですよ」って。

(宇多丸)あっ、出た! じゃあやっぱり噂は本当だったんだ。

(吉田豪)本当だったんですよ。なおかつ、それだけじゃなくて。最近、明らかに僕は秋元さん絡みの仕事が増えているんですよ。『EXD44』っていう番組にもやけに僕が出るようになって。これ、秋元さんが企画監修なんですよね。で、『ラストアイドル』はいま、Abemaでも始まっているんですけど、そっちでもほぼ毎回出ていたりとか。「あれっ?」って思うことが増え始めていて。

(宇多丸)ええ、ええ。

(吉田豪)で、最近あるルートから怖い話を聞きまして。秋元さんが僕のことを売り出す発言、これは正確には「吉田豪をマツコ・デラックスにする」って言っていたっていう(笑)。

(宇多丸・熊崎)フハハハハハハッ!

「吉田豪をマツコ・デラックスにする」(秋元康)

(吉田豪)「ええっ、それ新宿二丁目なだけじゃないですか!」っていう(笑)。

(宇多丸)いやいや、でもまあね、しゃべれるし。鋭く斬ることもできるし……っていう。いやー、そう。そこまでついに来ましたか?

(吉田豪)二丁目のアイドルオタみたいな感じですよ、たぶん(笑)。

(宇多丸)フフフ(笑)。

(熊崎風斗)じゃあもう数年後には各局、吉田さんの番組が?

(吉田豪)そっちには絶対にならないですよ!

(宇多丸)ちょっと怪人扱いっていうか、ねえ。でもキャラが……あれだけの人がキャラがそれだけマツコさん級に強いっていうことじゃないですか。単に頭がいい、しゃべれるっていうだけじゃなくて。

(吉田豪)そっちじゃないじゃないですか。でも、僕は明らかに。

(宇多丸)でも秋元さんが言うんだから、なんかあるんじゃない?

(吉田豪)そういうのが?

(宇多丸)そういうのがあるんすよ。そういうのが(笑)。どういうのか、わかんないけど(笑)。

(吉田豪)ダハハハハハハッ!

(宇多丸)いつの間にか、ついちゃったんですよ。その、僕ら界隈でウシャウシャやっていたけど、いちばんすごい人にインタビューしていくうちにカリスマがついちゃったんですよ。自然と。たけしさんに恫喝された時になんか乗り移ったんすよ。なにかしらが。

吉田豪 ビートたけしから受けた恐怖体験を語る
吉田豪さんがTBSラジオ『たまむすび』の中で、TVタックルの収録中にビートたけしさんから受けた恐怖体験について、玉袋筋太郎さんと話していました。 (玉袋筋太郎)豪...

(吉田豪)「ビビらないあいつ、すげーな」みたいな感じで?(笑)。

(宇多丸)とか、いろんな蓄積でね。始まってますね、吉田さん!

(吉田豪)だから最近、雑誌界隈でもなぜかAKB関係の方のインタビューの仕事とかも増えてきて……。

(宇多丸)それでの、これなんだ。

<書き起こしおわり>
吉田豪 AKB48 横山由依・NGT48 中井りかを語る
吉田豪さんがTBSラジオ『アフター6ジャンクション』にゲスト出演。AKB48 横山由依さん、NGT48 中井りかさんにインタビューした際の模様についてトーク。お二人の共通点などにつ...

吉田豪 AKB48 横山由依・NGT48 中井りかを語る

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吉田豪さんがTBSラジオ『アフター6ジャンクション』にゲスト出演。AKB48 横山由依さん、NGT48 中井りかさんにインタビューした際の模様についてトーク。お二人の共通点などについて話していました。

(宇多丸)とか、いろんな蓄積でね。始まってますね、吉田さん!

(吉田豪)だから最近、雑誌界隈でもなぜかAKB関係の方のインタビューの仕事とかも増えてきて……。

(宇多丸)それでの、これなんだ。

(吉田豪)向こうのゴーサインが出ているのかわからないですけど。本当に僕、AKB関係の方って縁がすごい薄かったんですけど。

(宇多丸)ここに来て。しかもこのFLASHでの横山由依さんのインタビューとか、完全に吉田さん、ツーショットじゃないですか。だって、もう。

(吉田豪)謎のね。路上で。

(宇多丸)完全にもうイーブンですよ。しかも「ラストアイドル炎上騒動が話題・吉田豪」(笑)。

(吉田豪)ダハハハハハハッ! 「肩書、それ? プロインタビュアーとかじゃないんだ!」っていう(笑)。

(熊崎風斗)あ、本当だ。「炎上で話題」っていう肩書なんですね(笑)。

(吉田豪)ひどい(笑)。

(宇多丸)まあでもこれね、がっぷりインタビューをされてっていう。

(吉田豪)横山由依さんは僕、正直そんなに知識も面識もなく。真面目な人ってことだけ聞いていたんで絶対に話が合わないだろうって思っていたんですよ。でも想像以上に意気投合できて。総選挙特集号で「総選挙の話さえ聞いてくれれば……」みたいな感じだったんで、僕がいまAKBとかに対して思っている不満とかいろんなことをぶつけてみたら、全てが「そうなんです」っていう感じで。

(熊崎風斗)総監督みずからが。

(宇多丸)いま、横山さんは結構ベテランというか、先輩の立場だからやっぱり思うことがあるということですかね?

(吉田豪)そうなですよ。いろんな板挟みになっている状態っていう。

(宇多丸)むしろ中間管理職的な。

(吉田豪)結局AKBって総選挙が立候補制になったじゃないですか。昔はそれこそ強制参加だからこそ生まれる大変さもあったし。だからこそ世間に伝わるなにかもあった。一時期はそれこそ宇多丸さんとかね、映画を見て大騒ぎしていたじゃないですか。「最高だけど、法律で禁止すべき!」とか。

(宇多丸)そうそう。「最高だ、最低だ! 最高だ、最低だ!」っていうね、アンビバレントな気持ちを。残酷ショーだったね。

(吉田豪)そうそう。そうなんですよ。残酷さがどんどん薄れていって。「それこそ、恋愛スキャンダルが起きたら大変なことになるとか、そういうような要素がどんどんなくなった結果、たぶん届かなくなった部分もあると思うんですよ」って言ったら「わかります」みたいな感じで。全てを肯定されちゃって、こっちもびっくりして。

(宇多丸)ある意味、ご本人たち的には負荷をかけられてひどい目にあってね。

(吉田豪)違うんですよ。「むしろ私はもっとどんどんどんどん翻弄されたいっていう気持ちがあって……でも、若い子たち。やっぱり世代の違いなのか時代の違いなのか、いまはなかなかそれが伝わらなくて」みたいな。

(宇多丸)横山さん、いくつですか?(笑)。

(吉田豪)本当に中間管理職の苦労なんですよ。

(宇多丸)横山さん、1992年生まれということで。まあ、大人っちゃあ大人ですけどね。だからある意味、ちょっと俯瞰した立場で盛り上げるならそういうのも必要なんだよねっておっしゃるような立場。

(吉田豪)だから「『ラストアイドル』とかを見て、私たちは総選挙のたびにああいうような思いをしているけど、彼女たちは毎週そういう思いをしている。それが届くのがあるのはわかる」っていう。

(宇多丸)たしかに『ラストアイドル』はすごい話題になるし。中でもいちばん炎上した吉田さんが話題になるし(笑)。

(吉田豪)そう(笑)。

(宇多丸)ここで組まされているのが同じ苦労をしてきた者同士の、イーブンなのは理由があるわけですね。

(吉田豪)僕も最近よく言っている「48のメンバーの気持ちがわかるようになった」っていうね。「大人に翻弄される気持ちって、これか!」っていう(笑)。

(宇多丸)この記事、本当にすごいですよ。全部写真、吉田さんとイーブンですね、これ。

吉田豪と横山由依がイーブンの写真


(吉田豪)だってなにが異常って、この読者プレゼント。僕と横山さんのツーショットチェキですからね(笑)。

(宇多丸)アハハハハッ! あーあ、始まっている……ほらほら、本当だ!

(吉田豪)ツーチェキにサインを入れているんですよ。

(宇多丸)これはもうだって、すごい。何をか言わんやですね、これはね。うん。

(吉田豪)異常事態。

(宇多丸)まあ、それで横山さんをやって。あと、もうお一方。

(吉田豪)そうですね。NGTの中井りかさんという方。宇多丸さん、どうですかね? あんまり知識がない?

(宇多丸)僕はあまりわかっていない。

(吉田豪)いま、秋元さんがいちばん推していると言われている新潟のものすごい毒舌な口の悪い人ですね。なんですよ。SHOWROOMとかでこの人も名前を上げている人で。

(宇多丸)BUBKAでも「アンチヒーロー」ってなっていますね。

SHOWROOMで名前を上げた中井りか

(吉田豪)そうですね。BUBKAでやったインタビューが相当な内容で評判になったんですけど、実はこれ、1/4ぐらいカットされていてこれですからね。

(宇多丸)ほう。じゃあもっと尖った発言を?

(吉田豪)シャレになんない話を本当に……僕、これだけアイドルのインタビューをしてきた僕が度肝を抜かれるような話を平気でしていましたよ。いろいろと。

(宇多丸)へー!

(吉田豪)ストッパーがないんですよ。「私は全部載せてほしい」って言っていて(笑)。

(宇多丸)そういう人、SHOWROOMとか動画配信を生とかでやったら危なくないの?

(吉田豪)ところが、それがハマッたんですよ。SHOWROOMでアンチをいじったりとか、そういうのが面白いっていうことで名前を上げた人なんですけど。そもそも僕、Twitterの過去ログで中井りかさんのこと、どんなことをつぶやいていたのか調べたら、すっかり忘れていたんですけどこの人が最初に話題になったのってSHOWROOMで自宅で配信していたら、自宅をオタに特定されて、家の外から「ジャージャー、ジャージャー」オタが言って……っていう事件で話題になった人なんですよ。

(宇多丸)ああーっ! 怖いわ……。

(吉田豪)そんな怖い目にあった媒体で名前を上げていった人なんですよ。

(宇多丸)なるほど、なるほど。やっぱり転んでもというか。「たくましい」っていう言い方で済ませていいかどうかわからないけど。へー!

(吉田豪)ただ、本当に余計なことしか言わない人で。「本当にSHOWROOMのおかげで私は助かった。前田社長、石原さとみであんな風になってますけど」って。「なんでそういうことを言うんですか!?」みたいな(笑)。かならず何かをかぶせてくるんですよ。でも、才能がすごいあるような感じで。

(宇多丸)回転がいいわけですもんね。

(吉田豪)いま、だからいとうせいこうさんと深夜『白昼夢』っていうのをやっている。

(宇多丸)ああ、そうか。あの方か。

(吉田豪)指原さんとリリーさんで『真夜中』っていうのをやっていて。その第二弾というか。それぐらい抜擢されるぐらい、秋元さんが推していて。

(宇多丸)あれ、羨ましいなと思って見ていましたからね。へー、そんなアサルト型なわけだ。

(吉田豪)アサルトどころじゃないですよ。キレのいい名言。

(宇多丸)じゃあ、出せる範囲で。

(吉田豪)ちょっと待ってください。あの、だからSHOWROOMって僕、正直よく見ていたんですけど、つまんないんですよ。だいたいアイドルのを見ていると、ファンの人の名前を読み上げて「ありがとうございます」とか。「あっ、タワーが建った。ありがとうございます」って。だいたい感謝をするだけで。クソつまんない……。

(宇多丸)フフフ、まあファンの方はね。

(吉田豪)っていうことを言ったら、「本当、そうなんですよ! あんなことやって、なんになるのか? みんな、何もわかってないんすよね!」みたいな。

(宇多丸)なるほどね。でも、それを上手く使っている側としてはそうだよね。

全方位に噛み付く中井りか

(吉田豪)全方位に噛み付く。もともとだから毒舌が拡散されたんですよ。SHOWROOMで。「あの時、ヤバいことになったと思いました?」って聞いたら「思わない」「どういう感情でした?」って聞いたら「なんか言ってんな、ぐらいの。ヤバいなとは思わなくて、もうちょっとこういうふうに言えばよかったっていうのある」っていう。「それはもうちょっとソフトにすればよかったとかですか?」「うん、逆。こんなに話題になるんだったらもっと踏み込めばよかった」みたいな。そういう人なんですよ。

(宇多丸)はいはい。あんまりだから、悪名とかなくて、ちゃんと話題になるんだったらいいじゃないかっていう。

(吉田豪)だから視点が完全に外に向いているんですよ。「本当にみんな、いま中しか見ていないでしょう?」って。実はだからいろいろと話していたら横山さんと言っていることがほぼ同じなんですよ。横山さんはものすごい気を使ってソフトに表現していて。

(宇多丸)ジェダイの立場で言うか、シスの立場で言うか的なね。

(吉田豪)そんな感じです。すべての表現が悪いけど、正論っていうのが中井さんで(笑)。

(宇多丸)とはいえ、吉田さんが「ちょっとちょっと」ってなるぐらいのことを言っちゃうのは、ちょっと危うさも感じますけども。

(吉田豪)感じます。感じますけど、そこを秋元さんが面白がっているんですよ。

(宇多丸)まあ、さすがね。そうね。とにかく秋元さんって予定調和が嫌い。そういう事故が起こりやすいのが……。

(吉田豪)そうなんですよ。コントロールできない人間が大好きっていう。わかるわーっていう。

(宇多丸)そのうちにカウントされちゃっているじゃないですか。吉田さんも。

(吉田豪)そういうことなんですよ。忖度しないやつが好きっていう。

(宇多丸)吉田さん、忖度はちゃんとしてるはしていると思いますけどね。

(吉田豪)意外とね、空気は読むんですけどね(笑)。

(宇多丸)本当はしていると思いますけども。誰よりもコードの読み方がすごいっていうだけで。なるほど。でも吉田さんもうならせるんだ。中井りかさん。これ、ちょっとあれじゃないですか。クマス。熊崎くん。

(熊崎風斗)私もその吉田さんのコラムを見ていて、「なにも話題にならないぐらいだったら悪いことでもいいから話題になった方がいいんだ。とにかく知名度を上げることが大事なんだ」っていう……。

(吉田豪)そこでも完全に意気投合しましたからね。「本当にエゴサーチして自分の名前が出ないなんて考えるだけで絶望する」「そうなんですよ!」っていう。

(宇多丸)ああー、たしかにね。

(熊崎風斗)「いちばんダメなのは話題にもならないこと。褒められるっていうのはもちろんいいかもしれないんですけど、悪いことでもなんでもいいけど世間からなにか話題になること。これが大事」って言っていて、やっぱり怖がっていないんですよね。

(宇多丸)なるほど、なるほど。これ、要するにヒール的なことじゃないですか。

(熊崎風斗)完全にヒールですよ。

(宇多丸)ヒールを怖がっていないっていう。

(熊崎風斗)セリフでこれ、「プロレスでもヒールが試合を作っている」って。

(吉田豪)本当にね、『豆腐プロレス』っていうドラマでちょっとプロレスをやって。ちょっと興行もやったんですけど、それぐらいちょっとやっただけなのにプロレスの理解度がすごいんですよ。「本当、だからみんなメンバーはベビーフェイスじゃないですか。試合っていうのは私たち、ヒールが作っているんですよ! ヒールが観客をエキサイトさせて。ベビー同士で面白い試合をできると思ってんの?」みたいな。超わかってるんですよ!

(宇多丸)すごいね(笑)。プロレスラーの発言だよ、完全に。

(吉田豪)なんでちょっとやっただけでそんなに理解できてるんですか?っていう。

(宇多丸)まあ、だから性に合っているんですかね。まあ、当然頭がいいっていうのもね。

(吉田豪)「だから正直、無難なアイドルが増えている。48のメンバーも無難なのが増えていて。そんなんだったらいま、乃木坂が天下とっているのに48がそんなのやったってしょうがないじゃないですか」っていう。

(宇多丸)あの、きれいなきれいな(乃木坂)っていう……。

(吉田豪)そう。ちゃんとしたアイドル。「正統派でこっちが立ち向かえるわけがないんだから、そうじゃないところでやらなきゃいけないのに……」っていう。

(宇多丸)すごいなー。なんかAKB……でもたしかにAKBが最初にのし上がってきた時のイズム。

(吉田豪)そう。「それを受け継いでいるのが私だ」って言っていて。「なんで外に向かなきゃいけないって気づく人が少ないんですかね?」って聞いた時の中井さんの返答。「バカなんじゃない?」っていう(笑)。

(宇多丸・熊崎)フハハハハハハッ!

(宇多丸)もうさ、本当にヒールのプロレスラーですよ!

(吉田豪)そうなんですよ。よくできているんですよ。

(宇多丸)プロレスラーのコメントですよ。「おう、あいつは!」っていう。

(吉田豪)「生ぬるくアイドルやってりゃいいと思ってんじゃないの?」っていう(笑)。

(熊崎風斗)すごいなー。でも、ここまで突き抜けられるってすごいですね。

(吉田豪)「歌って踊っていれば成立すると思ってやがるやつらばっかりだから」っていう。

(宇多丸)おいくつ? 97年生まれか。21か。なるほどね。

(吉田豪)ただ、これぐらい腹がすわっている人もSHOWROOMとかでいま、選挙の配信をすごいやっているんですよ。もうボロボロなんですよね。

(宇多丸)ああ、そうなの?

(吉田豪)結局彼女、実はSHOWROOMで名前を上げたから。SHOWROOMって在宅のオタばっかり。プラス、平日の昼間とかやっているからファンがニートばっかりなんですよ。課金の能力がない人たちばっかりで。「だから私は選挙には弱い」って言っていて。「いまの総選挙って正直言ってお金持ちのバトルだから。あんなの、人気投票じゃないしやめればいいのに」みたいなことを平気で言ったりとか。すごいんですよ。

(宇多丸)ああー。まあね、そういう世間的な巻き込みで順位は反映されづらいですもんね。

(吉田豪)ただ、そのSHOWROOMとかで見ている人数。そこで勝負をしようとしていて。だから朝4時とかに起きてSHOWROOMやったりとか。もう顔が完全に死んでいるんですよ。目も見開きながらずっと無言でただ配信していたりとか。ボロボロになっていて。

(宇多丸)へー。大丈夫? ちょっと心配にもなりますよ。

(吉田豪)選挙、追い込まれていないように思ってたけど、いまでもこれ、すごいわっていう。だから世間に届くところじゃない、SHOWROOMとかの閉じたところでやっているからあまり見えていないけど、実はすごいことにはなっているという。

以前とは別の形で追い込まれる総選挙

(宇多丸)それはね、吉田さんとかが発信をして、そのすごみをこういうところでっていうのはあるかもしれないけど。ただ、その自分の削り方がちょっと心配になりますね。

(吉田豪)すごいですね。だからちょっと、仕事の考え方とかがすごい僕と近いんですよ。休んでいるとすごい病む人で。「仕事をしていたい。仕事していない時の私は私じゃないから、死にたくなる」ぐらいに言っていて。「気持ち、わかるところありますよ。仕事が人生だから」っていう。

(宇多丸)じゃあ、ある意味起きた途端にSHOWROOMも、そういう私生活の切り売りもそれはそれでよしと。まさにだから自宅からSHOWROOM中継……あれ? 完全に吉田さん?

(吉田豪)たぶん僕がゲスト招いてやっている時、外からジャージャー聞こえたりとかすると思いますよ(笑)。

(宇多丸)フハハハハハハッ!

(吉田豪)僕の自宅ぐらい特定しやすいところ、ないですからね(笑)。

(宇多丸)「新宿二丁目」って言っちゃってるしさ。場所も相当言っちゃってますからね!

(吉田豪)ほぼ言ってますからね(笑)。大変なことになると思いますよ。これから。

(宇多丸)いやいや、吉田さんも心配だわ、これ。いままで吉田さん、それなりに万全の陣で戦に臨んでいたじゃないですか。いま、結構……。

(吉田豪)いまは巻き込まれ型になってますからね(笑)。

(宇多丸)割と無防備な状態で行かれる場面も増えたから。なかなか大変じゃないかっていうね。

(吉田豪)ただ、おかげで自宅がきれいになって、ちょっとね。SHOWROOMのスタッフと片付けをしたっていう(笑)。配信できるスペースができたんで。

(宇多丸)何を言っているんだ?っていう話もありますけどね。とにかく熊崎くん、やっぱりヒールターンもそうですし。

(吉田豪)腹をくくったヒールはいいですよ。

(熊崎風斗)やっぱり僕みたいな腹をくくれないヒールっていうのがいちばん刺さらないんですよね。

(宇多丸)フフフ、いや、かわいいけどね。そこもかわいいんだけどね。

(熊崎風斗)中途半端ヒールっていうのはね、いちばんダメな……。

(宇多丸)違う違う。自分に嘘をつかないところですよ。だからクマスはクマスの花の開き方があると思いますよ。

(熊崎風斗)まあそう……かな?(笑)。

(宇多丸)無理して他人になろうとしてもしょうがないじゃないですか。だから、逆に学ぶべきはもうむき出しで行けばいいんだっていうね。

(熊崎風斗)むき出しで……そうですね。むき出しで行かないとダメかな?

(宇多丸)どうですか? ちょっとアドバイスをお願いしますよ。

(吉田豪)フフフ(笑)。

(熊崎風斗)僕をプロデュースするっていうので、吉田さん。

(吉田豪)正直、ほぼ毎回聞いてるんですけど、いちばんハラハラしたのがあのヒールのキャラの時でしたからね(笑)。「事故だ!」っていう(笑)。

(熊崎風斗)あれは完全に事故ですね。

(宇多丸)端的に言うと「向いていない」っていう(笑)。

(吉田豪)フフフ(笑)。全く向いていない(笑)。

(熊崎風斗)自分でその役を演じようと思うと笑っちゃうっていう、いちばんダメなパターンなんですよね。

(宇多丸)これはササダンゴ・マシンさんのディレクションの問題もありますからね。ああ、そう。でもこれはいい人を知りました。中井りかさん、注目してみようかなと思いますね。

(吉田豪)ぜひ。BUBKAのインタビューも読んでみてください。そして書けなかった話はあとでバラしますよ。

(宇多丸)ああ、ぜひぜひ(笑)。

(吉田豪)超いい話ですよ。こんだけいろいろとアイドルの裏話を聞いている僕が度肝を抜かれて。「言いふらしてください」って言われたから言いふらしてますからね(笑)。

(宇多丸)ああ、媒体には載せられないけど。「言いふらしてください」?

(熊崎風斗)ご本人としては別に載せてほしいんだけどっていう?

(吉田豪)「全然、全然!」っていう。

(宇多丸)怖いわー。

(吉田豪)「いいわけねえだろ、そんな話!」っていう。僕が聞いてもわかるやつ(笑)。

(宇多丸)フハハハハハハッ! 後ほど、じゃあオフでうかがって。ムードだけみなさんにお伝えしようかと。じゃあ、吉田さんなにかお知らせごとはございますか? そのSHOWROOM?

(吉田豪)SHOWROOMですね。6月18日スタートで、僕は19日ですね。毎週火曜日が僕の日になります。

(宇多丸)毎週火曜の9時から。

(吉田豪)9時から11時まで。

(宇多丸)僕が瞬間移動できれば、ちょっと。

(吉田豪)まあ30分ぐらいは待っていますから。

(宇多丸)ああ、途中参戦も。

(吉田豪)いろんな人を呼ぶつもりなので、ぜひともという感じです。

(宇多丸)あとはなにか?

(吉田豪)そんなもんでいいです。

(宇多丸)じゃあ、いろいろとツイッターとかをチェックという感じですかね。はい。

(熊崎風斗)吉田豪さん、ありがとうございました。

(吉田豪)ありがとうございました。

(熊崎風斗)カルチャートークのコーナー、吉田豪さんによるAKB総選挙直前ということで48グループの横山由依さんと中井りかさん。さらには吉田豪さんの続報という形で様々な話をおうかがいしました。

(宇多丸)「吉田豪さんの続報」(笑)。

(吉田豪)マツコです(笑)。


(宇多丸)これ、いいパンチラインだわー!(笑)。

(熊崎風斗)どうなるんだろう? 楽しみだ(笑)。

<書き起こしおわり>

乃木坂46・川後陽菜 父親から受けた影響を語る

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乃木坂46の川後陽菜さんが『猫舌SHOWROOM』火曜日に出演。吉田豪さんと父親から受けた影響について話していました。


(吉田豪)(コメントを読む)「あのちゃん」。ねえ。(ゆるめるモ!)あのちゃん好きで有名だったんですよね。

(川後陽菜)はい。あのちゃん好きです。顔、好きだし。なんだかんだ……がんばってないように見えてめちゃくちゃちゃんとがんばっている人じゃないですか。

(吉田豪)がんばってますよ。あんな体力ない人があんだけやっているだけですごいですよ。

(川後陽菜)そうです。SNSもめちゃくちゃちゃんと告知とかしているし。その日の感情とかぶつけているし。

(吉田豪)だって基本、家にいる時ってずっと横になっていて動かない人なんですよ。そんな人がステージで踊っているんですよ。すごいですよ。

(川後陽菜)そう。めちゃくちゃ発信する人だから私はすごい好きで。でももともと、いちばん初期の段階。メンバーがまだ多かった時期にお父さんが「ヤバいアイドルがいる!」って言ってDVDにして送ってきたのがきっかけなんですよ。

(吉田豪)なんすか、そのきっかけ?(笑)。

(川後陽菜)フフフ(笑)。お父さんが地下アイドル大好きで。

(吉田豪)ちょっとそれ、僕初耳ですよ!

(川後陽菜)あんまり言ってないんですけど……(笑)。

(吉田豪)えっ、お父さん地下アイドル好きなんですか?

(川後陽菜)お父さん、まず地下アイドルが好きで。

(吉田豪)お父さん、現場に行ってるんですか? まさか。

お父さんは地下アイドル好き

(川後陽菜)私が小学生時代、地下アイドル(青春女子学園)をやっていた時に私がアイドルをやったきっかけで好きになったんですよ。で、対バン相手のHRさんとかLinQさんとかQunQunさんとかと私たちが一緒になるから、暇だからロビーとか歩いているとやっぱりQunQunさんに名刺をもらったりするわけですよ。そしたらそれでデレデレしちゃって……。

(吉田豪)ダハハハハハハッ!

(川後陽菜)めちゃくちゃハマっちゃって。

(吉田豪)めちゃくちゃチョロいじゃないですか!

(川後陽菜)そうなんですよ(笑)。で、「名刺もらった!」とかって言って、そこから自分のグループ以外の曲も聞き始めて。で、発掘するのも好きで。2ちゃんが好きだったんですよ。

(吉田豪)最悪じゃないですか(笑)。

(川後陽菜)めっちゃ好きで。ずっと調べて。私の小学生時代の書き込みとかも見て、いちいち言ってくるんですか。

(吉田豪)自分についてのやつを?

(川後陽菜)自分についてのを。

(吉田豪)「お前、こんなこと書かれてるぞ」とか?

(川後陽菜)「バレてるぞ」とか。他のアイドルのも見て調べて。

(吉田豪)超厄介じゃないですか。「なんかいま、LinQが大変らしいぞ!」とかそういうのを?(笑)。

(川後陽菜)そう! すぐ言ってくるんですよ。で、なんか全部をお父さんに教えてもらった感じで。ゆるめるモ!も「ヤバいアイドルがいる!」っていうことで。

(吉田豪)超いい話だなー!

(川後陽菜)長崎からDVDが送られてきて見たら「ああ、たしかにヤバいぞ!」って。

(吉田豪)「お前、東京にいいアイドルが出てきたぞ!」って。

(川後陽菜)そう。「これはハマろう!」って思って、そこからあのちゃんを知るっていう。

(吉田豪)へー! めちゃくちゃいい話だな。

(川後陽菜)全部、なにかのきっかけはお父さんが多くて。

(吉田豪)そうなんだ。えっ、読書とかも?

(川後陽菜)読書とかもそうだし。もう家が本棚でバーッて敷き詰められて。半分はフィギュアだらけでウルトラマンとか、なんだっけな? ポワトリンとか……。

(吉田豪)激シブいじゃないですか!

(川後陽菜)そうなんですよ(笑)。

(吉田豪)花島優子!?(笑)。美少女仮面ポワトリンが好きなんだ。へー!

(川後陽菜)私はプリキュアの時代だったんですけど。でも、お父さんがそのタイミングでポワトリンを見せてきて。

(吉田豪)フハハハハハッ!

『美少女仮面ポワトリン』

美少女仮面ポワトリン VOL.1 [DVD]
Posted at 2018.6.20
TOEI COMPANY,LTD.(TOE)(D)

(川後陽菜)だから私は保育園でポワトリンごっこをやりたいのに、みんながプリキュアの何をやるかで争っていて。

(吉田豪)話が通じない(笑)。

(川後陽菜)そう。全然通じなくて(笑)。

(吉田豪)「私、ポワトリンプティットやりたいの!」って(笑)。

(川後陽菜)先生すら世代じゃなかったせいで先生にお母さんが呼び出されて。「なんかこの子、全然意味がわからないんです」って言われて(笑)。「○○ごっこができないんです」みたいな。

(吉田豪)僕なら拾えたのにっていう(笑)。

(川後陽菜)そうなんですよー。

(吉田豪)ポワトリンはたしかに渋いですよ。

(川後陽菜)あとチビラくんもお父さん好きで。チビラくんのソフビをめっちゃ集めていて。だからもう保育園の時から何も話が合わなくて。

(吉田豪)だから東映特撮でも円谷特撮でもどっちでもマイナーな方に行っているんですよ。言っちゃうと。全然王道じゃないんですよ。

(川後陽菜)そうですよね(笑)。だからもう、ずっとそんな感じで生きてきました。

(吉田豪)ポワトリンの花島優子さんはアイドル界でいちばん最初に同人誌を作って即売した人なんですよ。オタで始めてアイドル界に入ってきた人っていう。

(川後陽菜)そうなんだ。もうお父さんが大好きで大好きで。

(吉田豪)へー。お父さん、話が合いそうだなー。

(川後陽菜)フフフ(笑)。

(吉田豪)僕、たぶんお父さんと同世代だろうな。

(川後陽菜)そうかもしれないですね(笑)。

(吉田豪)で、お父さんの読んでいる本とかを読み始めたり?

(川後陽菜)読み始めて。

(吉田豪)もともと図書館に籠もったり。

(川後陽菜)籠もったりもして。

(吉田豪)どんどん中二病化していって。

(川後陽菜)おかしな方向に行って。

(吉田豪)図書館の本に変な手紙を挟んだりするようになっていって。

(川後陽菜)そうなんですね(笑)。

(吉田豪)木と話し始めたりするような。

(川後陽菜)木と話し始めたりして。長崎時代は本当に頭がおかしかったんだと思いますよ(笑)。

(吉田豪)明らかにヤバい人だった。

(川後陽菜)ヤバい人でしたね。うん。でもお父さん怖くて。「友達を部屋の中に呼ぶな」って言うんですよ。

(吉田豪)それはコレクションとかがあるから?

(川後陽菜)いや、たぶん恥ずかしいんですね。自分の部屋、家が恥ずかしいみたいな感じで。

(吉田豪)「お前の父ちゃん、オタじゃねえかよ!」って言われるのが?(笑)。

(川後陽菜)フフフ(笑)。友達をこっそり呼んでリビングにいたらお父さんが帰ってきちゃって。「お前ら、外に行け!」って言われて。友達も怒られて、ベランダで2人で……その時、納豆を混ぜながら歌を作るっていうのに私、ハマっていて。

(吉田豪)あの、意味がぜんぜんわからないですよ(笑)。

(川後陽菜)納豆を混ぜながら歌を作るみたいなのにハマっていた時期があって。「外で食え!」って言われて、外に出て2人で納豆を混ぜながら歌っていて……(笑)。そんな感じだったんですよ。本当に。基本ベランダで友達と生活をしたりしていて。

(吉田豪)お父さんが厳しくて。

(川後陽菜)お父さん厳しくて。

(吉田豪)お父さん、気になってきたなー。

(川後陽菜)アハハハハハッ! だからいまだに実家に帰ると車の中の曲がずっと地下アイドルで。

(吉田豪)フフフ、どのへん?

(川後陽菜)いや、いまだにHRとかQunQunのをずーっとループしているんですよ。たぶん同じ曲を7年、8年ぐらい聞いてるんじゃないか、みたいな。

(吉田豪)お父さん、現場で替え玉コールとかやってたのかな?(笑)。

(川後陽菜)どうしてたんだろう、本当に。すぐにスクショして「このアイドルがいま、来てるらしいぞ。調べた方がいい」とか。

(吉田豪)ネット大好きなんですね。

(川後陽菜)ネット大好きですね。本当に。

(吉田豪)「おい、吉田豪さん炎上してるぞ!」とかすぐ報告する感じの?(笑)。

(川後陽菜)アハハハハハッ! すぐ来ますね(笑)。

<書き起こしおわり>

吉田豪と川後陽菜 松井珠理奈・AKB48総選挙後の炎上を語る

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乃木坂46の川後陽菜さんが『猫舌SHOWROOM』火曜日に出演。吉田豪さんとAKB48・松井珠理奈さんが総選挙後に炎上した件について話していました。


(吉田豪)ずーっと(コメントが)来ていますけども。これは答えられるんですかね? 「珠理奈の炎上について」。

(川後陽菜)フフフ(笑)。それに関してはめちゃくちゃ詳しいですけど、下手には……。

(吉田豪)めちゃくちゃ詳しいんだ(笑)。

(川後陽菜)めちゃくちゃ詳しいです(笑)。

(吉田豪)へー。あとで答え合わせしたいな。僕はだから、僕が取材した松井珠理奈さんしか知らないんで。僕、それこそ2回ぐらい取材をして。去年の夏ぐらいに。ちょうどプロレスにハマって半年ぐらいでプロレス頭みたいなのが急激に発達して、いろんなことが楽しくなったっていう状態で。

吉田豪 SKE48 松井珠理奈とプロレスを語る
吉田豪さんがTBSラジオ『たまむすび』の中でSKE48の松井珠理奈さんについてトーク。ドラマ『豆腐プロレス』をきっかけに急激にプロレスにハマった珠理奈さんにインタビューした際の模様...

(川後陽菜)うんうん。

(吉田豪)で、危機感とかもすごくあったんですよね。だから「プロレスっていうのがわかってくるとプロレスっていうのは対戦相手がいないと成り立たない。私はいま、ライバルがほしい。ライバルを作りたい」って言っていて。明らかにそれが空回りしたんじゃないか?って思っていたんですよ。

松井珠理奈のプロレスが空回りした説

(川後陽菜)私もあの感じは「プロレス感が強いな」とは思っていました。

(吉田豪)ですよね。で、「プロレスをやっている」っていうことが世間に伝わっていない。

(川後陽菜)それがもうちょっと伝わっていれば、「こういうことだよ。しゃべり方とかもそういう感じだよ」っていう。

(吉田豪)あくまでもレスラーとしてやったんだけど、豆腐プロレスのリングだったらたぶん伝わっただろうけど……っていうことだと思うんですよ。

(川後陽菜)急に見た人は、そうなりますよね。

(吉田豪)プラス、川後さんにだったら伝わるかもしれないですけど、夏の魔物というグループ。フェスもやっているグループの成田大致っていうフェスを仕切っている男がいて。そいつがプロレスファンでなんでもプロレスにたとえるんですけど。「いろんなものにプロレスを仕掛ける」って言っているんですけど、完全にちょっとズレているというか。あの人の言う「プロレスを仕掛ける」っていうのは全部「ガチ」なんですよ。

(川後陽菜)フフフ(笑)。

(吉田豪)プロレスっていうのはお互いがもっと信頼関係がないと成立しないし。で、相手が「これは美味しい」と思わないと相手も乗ってこない。そういうようなものがプロレスであって、あなたがやっているのは一方的なガチを仕掛けているだけ。それでは向こうが乗ってくるわけがないという。だから、今回もそれに近いものを感じたというか。

(川後陽菜)うんうん。

(吉田豪)突然、本人としては仕掛けてしまった。で、たぶん向こうはプロレスがわかると思ったんですけど、たぶんその前提がなかったんだろうなっていう風に僕は理解しました。……意外と合っています?

(川後陽菜)いや、はい。そんな感じがしましたけど(笑)。

(吉田豪)フハハハハハッ!

(川後陽菜)こう、ガンガンに来たのと、こうは来ないから、こうだから炎上しちゃったみたいなのはありますよね。

(吉田豪)はいはいはい。仕掛けた方だけが目についちゃって……。ということだと思いましたよ。はい。(コメントを読む)「わかりやすい」。やったー!

(川後陽菜)フフフ(笑)。

(吉田豪)だからね、誰かフォローできる人がいれば違ったんだろうと思ったんだけど。もうね、1人だけあそこの位置にいるような状態だったから。あのクラスの人が。これは難しいですね。だと思います。うん。だからあとは本人が精神的に……それこそ総選挙って毎年見て思うけど、だいぶ昔よりもソフトになったとはいえ、まだ精神的には限界まで追い込まれるわけで。

(川後陽菜)うんうん。

(吉田豪)珠理奈さんの表情を見ても明らかに追い込まれているわけじゃないですか。

(川後陽菜)その前のライブの時点から追い込まれまくっていて。

(吉田豪)中井りかさんも追い込まれて、放送中にボロ泣き。スキャンダル以前からしているような。

(川後陽菜)SHOWROOMとかで。

(吉田豪)そう。おかしくなっていたので。そういうのも、ねえ。考慮した方がいいんじゃないかと思います。(コメントを読む)「川後さんも選挙、出たいですか?」。出るわけないですよね?(笑)。

(川後陽菜)絶対に、出るわけもないし、出たくもないですね(笑)。もう大変ですよ。ああいうのを見ていると……見ている分にはすっごい楽しいんですけど。絶対に精神やられますよね。

(吉田豪)(コメントを読む)「中井さんがおかしくなったのも文春に書かれたからですか?」。それ以前からなんですよ。ずっと寝ないでSHOWROOM配信やっていたから、精神状態がずーっとおかしくなっていて。ずーっと目を見開いて、こんな状態で無言で配信とか。で、突然泣き出したりみたいな。「大丈夫なのか、これ?」っていう。

(川後陽菜)だから寝たほうがいいんですよね。

(吉田豪)当たり前ですよ。本当に(笑)。

(川後陽菜)本当に思いますよ。

(吉田豪)本当にそうですよ。うん。

<書き起こしおわり>
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